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越谷 地元高校生が新劇団

劇団を主宰する鈴木喜雄さん(後列左)と高校生のメンバー

 新型コロナで事実上の解散となった越谷市民劇団に替わり、地元高校生9人による新たな劇団が結成された。23日開幕の越谷市民文化祭で、9人合同の初ステージを踏む。学校も年齢も経歴も異なるメンバーは、25日の本番に向けて最後の練習に励む。

 

 1981年発足の越谷市民劇団は、毎年秋の越谷市民文化祭で演劇を披露してきた。メンバーは多い時15人以上いたが徐々に減少。2019年の市民文化祭には残った5人で出演し、一人二役するなど舞台をどうにか成功させた。
 ここで追い打ちをかけたのが新型コロナ拡大。メンバー5人のうち飲食業をしていた3人は失業。演劇どころではなくなり、劇団も事実上の解散状態となった。
 今年も市民文化祭の開催が決まったものの、劇団部門は出演団体がなく空白状態に。そこで「越谷の演劇の灯を消してはいけない」と立ち上がったのが、市民劇団に長年所属していた中学校職員の鈴木喜雄さん(64)。中学卒業生の人脈を生かして演劇部のある高校に呼びかけたところ、越谷西高校獨協埼玉高校三郷北高校から9人が参加。鈴木さんが主宰し、新たな劇団を発足させた。
 メンバーは初対面同士も多かったが、演劇を通じて学校同士の交流もあり、中には顔なじみもいた。11月下旬の市民文化祭を目指して、6月下旬から稽古を始めた。

稽古に熱の入る高校生たち=11日午後、越谷市越ケ谷

 今回披露する物語は、人間と生き物の共生をテーマにした感動ストーリー。約1時間の上演を予定する。台本も演出も全て高校生のアイデア。演出担当で越谷西高校の大高夏音さん(18)は「見ている人が作品の中に入り込むような演出をしたい」と意気込む。
 現在は土日限定で集まって稽古する。全員が顔を合わせられる機会も限られ、細かい動きの共有も一苦労。リーダーで三郷北高校の宮川亜輝斗さん(18)は「動きのすり合わせが大変だが、個人個人で練習を重ねて最終的に仕上げたい」と話す。本番まで残り数週間となり、鈴木さんは「3校が融合してどんなカラーを打ち出すか。チームワークの良さを生かした味のある舞台を見てほしい」と来場を呼びかけている。
 ステージは25日午前10時から、越谷コミュニティセンター小ホールで開催。観覧無料。
 問い合わせは、鈴木さん(☎080・2047・5066)へ。

 

=埼玉新聞2023年11月14日付け10面掲載=

 

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