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高校野球埼玉大会 シード16校 戦力分析<2>

Bシード

山村学園

鍛錬した堅実な攻守

 初の甲子園出場に向け、鍛え上げた堅実な攻守を徹底する。就任14年目の岡野監督は「この代には1年生の時から甲子園という言葉をかけてきた。一戦必勝で目の前の相手に全力で挑みたい」と期待をかける選手たちとの最後の夏に挑む。
 投手陣の柱はキレのある直球が武器の左腕西川。春季県大会では全4試合に先発し、28回を投げて36奪三振。3回戦では自己最速の146㌔をマークした。巧みな配球と強肩で扇の要となる藤原、右腕青木と左腕中嶋がエースを支える。
 攻撃面は県大会で17犠打と手堅いのが特徴。春から打順を一新した打線は、上位の得点力が鍵を握る。勝負強い宮本、鈴木ら下位が出塁し、ともに県大会で打率5割の田中、横田、同5打点の藤原の上位陣で畳み掛け、得点を狙う。

巧みな配球と強肩で投手陣を支える捕手藤原

 

 

Cシード

埼玉栄

個々の勝負強さが鍵

 秋春連続の8強入りから着実に成長を遂げた戦力で、1998年以来26年ぶり2度目の夏の甲子園を目指す。チーム力を磨いてきた山田監督は「一球一球質を高めてきた個人の勝負強さをどれだけ出せるかが重要」と仕上げにかかる。
 出塁、進塁打、走者をかえすなど役割を徹底したチームバッティングが浸透。3番に広角に打てる高橋良が座り、好機に強い4番倉田、5番平賀と続く。鋭いスイングで内野の間を抜く打撃力に加え、機動力を絡めて着実に得点を重ねたい。
 投げては1年秋から背番号1を担う力投派の2年右腕和泉を軸に、左腕内藤、右腕浜野とタイプの異なる2人が脇を固める。二塁への送球タイムが1・83秒の強肩を持つ捕手倉田のリードと球際に強い二塁手井上の守備にも注目だ。

つなぐ意識の高い埼玉栄打線をけん引する3番高橋良

 

 

Dシード

川越東

ちょい超えを身上に

 5年ぶりの4強進出で躍進を遂げた昨夏だが、目標は「初戦突破」と一戦必勝を掲げる。野中監督は「ちょいマックス超え」を身上にトレーニングや食生活でも前回の少し上を目指すことに重点を置く。
 投手陣は宮城と峯の両3年生にかかる期待が大きい。左腕の宮城は球速こそ130㌔台前半だが、マウンド上で対峙(たいじ)する打者との空気感を察知し、打たせて取る投球が特徴。指揮官が大器と話す身長193㌢右腕の峯は140㌔台の直球を武器に押していく。
 攻撃では昨年の4強を経験した1、2番が引っ張る。1番河井は広角に打ち分けることができ、出塁率も高い。守備でも県内屈指のうまさを持つ。左打者の2番山根は昨年はつなぎ役だったが、今年は勝負強さも加わり存在感が増した。

 

Dシード

東農大三

集中でスタイル貫く

 現チーム始動時に掲げたスローガンは「貫」。揺るぎない甲子園出場という目標達成に向け、最後まで高い集中力を維持する。高広監督は「どんな展開でも、中終盤で試合を動かす自分たちの野球がしたい」と築いたスタイルは崩さない。
 打撃陣はそれぞれが自身の役割に徹する。状況判断に優れる1番長島が出塁し、足を絡めて関根につなぐ。小柳、高野、加藤の勝負強い中軸が得点を生みたい。逆方向に強い打球を放つ青木、思い切りのよい1年畑らがチャンスメークする。
 投げては最速138㌔右腕加藤が試合を組み立てる。直球を主体に内外を厳しく攻める投球が持ち味。多彩な変化球を投げ分け制球力の高い左腕上野や力のある直球で押す変則右腕の青木に、川端、小玉と豊富な投手陣で勝負する。

 

=埼玉新聞2024年7月7日付け9面掲載=

 

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