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高校野球埼玉大会 嵐呼ぶ勝負の夏<中>埼玉栄高校

絆強固に再び頂へ
チーム力は無限大

 強固な絆を携え、26年ぶりの頂点を目指す。大会3週間前の6月22日、埼玉栄の選手たちはさいたま市の荒川河川敷にあるグラウンドで関東の強豪校と練習試合を行い、最終調整に臨んでいた。一打席の集中力に、全力疾走。一つ一つのプレーに夏へ懸ける思いが凝縮されていた。
 1972年創部。98年の第80回全国選手権、2000年の第72回全国選抜大会に出場した。2年次の選抜大会にベンチ入りした同校OBの山田孝次監督(40)が、春夏1度ずつ甲子園経験がある実力校を率いる。
 「甲子園に出るチームはみんな一つの方に向いてる。あの時(選抜)も特別な選手がいたわけでなく、チームとしてまとまっていた」と山田監督。野球そのものだけでなく組織力にもこだわり、選手全員が共通の目標を持ち、意思疎通しながら努力できる環境を整えるため、練習の中で組織論や考え方を説き続けた。
 これらが浸透した結果、武器となったのは「出る、つなぐ、かえす」が合言葉のチームバッティング。通常のバットより1~1・5㌔重いバットで地道に鍛えた打力も加わり、井上翔瑛主将は「うちは小柄だけど、大振りせず鋭く低い打球で内野ゴロでも相手のエラーを誘って出塁できる」と自信を持つ。

練習試合の合間、バットを振り込む埼玉栄の選手たち=6月22日、埼玉栄高校野球グラウンド

 

 活発な打線で秋春連続で8強入り。春季県大会準々決勝では昌平に延長十回タイブレークの末、4―5でサヨナラ負けを喫したが、エースの2年和泉晴也は「勝てると感じた試合だった。あれ以来ずっとチームで勝ちたいと言い続けている」。強豪と接戦を演じた手応えとともに、勝利への貪欲さが生まれた。
 集大成の夏に向け「技術には限界があるけれど、チーム力はどこまででも高めていける。役割を全うして基本に忠実なプレーで圧倒したい」と井上。築き上げた信頼をグラウンドで示し、チーム一丸で夏の主役に躍り出る。

 

=埼玉新聞2024年7月4日付け7面掲載=

 

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