埼玉新聞社 高校受験ナビ

【令和7年度入試】第1回進路希望調査から見た最終倍率予測【後編】

2024年11月8日配信

急上昇・杉戸の最終倍率に注目 春日部東など本番に向け上昇か

 

 前回(11月6日)、「令和7年度入試・進路希望調査から見た最終倍率予測<前編>」をお送りしました。

今回はその続編です。

 

◆杉戸、浦和南など倍率急上昇

 前年同期と比べ、倍率が急上昇した学校を見ておきましょう。

 第1回の倍率が前年同期と比べて0.2ポイント以上、上昇したのは次の10校です。

 

 川口市立 3.21 +0.73ポイント

 杉戸   1.71 +0.54ポイント

 浦和南  2.27 +0.50ポイント

 鳩ヶ谷  1.91 +0.40ポイント

 上尾   2.49 +0.38ポイント

 大宮東  1.25 +0.27ポイント

 越谷南  2.33 +0.27ポイント

 志木   1.58 +0.26ポイント

 飯能   0.97 +0.24ポイント

 大宮南  1.44 +0.23ポイント

 

 川口市立が0.73ポイント増で上昇幅としては最大です。前年同期は2.48倍とこの学校としては低倍率でしたが、それ以前の3年間はいずれも3倍台でした。過去データから推測すると最終的には1.7~1.9倍の範囲に収まりそうです。

 

 杉戸は前年同期の1.17倍から1.71倍と大きく上がりました。3年前までは定員割れ状態が続いていましたが、授業改革に取り組むと同時にSNSなどによる広報活動を強化したことで人気が急上昇したと考えられます。これまでにない高倍率であるため過去データからの推測が非常に難しい状況ですが、最終的には1.3~1.5倍に落ち着くと見られます。

 

 浦和南は元々人気のある学校で第1回調査では常に1.5~1.9倍台を維持してきました。2倍を超えたのは2018年度(2.08倍)以来7年ぶりです。過去データから最終的には1.4~1.5倍程度になると予想されます。

 

 上尾越谷南は例年どおりこの時点では2倍超えの高倍率ですが、最終的には1.5倍またはそれ以下まで下がる可能性があります。鳩ヶ谷大宮東志木大宮南なども今回(第1回)がピークで、本番に向けて下がって行くと予想されます。飯能については現時点で定員割れ状態なので若干上昇し1倍を超える可能性もあります。

 

 

 

 

◆和光国際、熊谷西など大きく低下

 

 次に、前年同期と比べ、倍率が大きく低下した学校も見ておきましょう。

 第1回の倍率が前年同期と比べて0.2ポイント以上、低下したのは次の11校です。

 

鴻巣女子 0.58 -0.41ポイント

和光国際 1.40 -0.38ポイント

大宮光陵 0.70 -0.38ポイント

(外国語コース)

熊谷西  1.37 -0.31ポイント

豊岡   1.10 -0.30ポイント

狭山清陵 0.68 -0.27ポイント

松伏   0.92 -0.24ポイント

羽生第一 0.69 -0.23ポイント

市立川越 3.56 -0.23ポイント

越ヶ谷  1.74 -0.22ポイント

春日部東 0.81 -0.21ポイント

 

 和光国際は統廃合問題の影響があったかもしれません。これまで1.4倍台で本番を迎えることが多いことから、今後大きく倍率が落ちることはないと考えられます。

 

 熊谷西はこの10年間、第1回調査では常に1.5倍以上を維持してきましたが、初の1.5倍割れとなりました。過去の例から実際の出願では1.1~1.2倍台に落ち着くものと考えられます。

 

 市立川越は0.23ポイント低下しましたが、引き続き3倍台を維持し、普通科トップの高倍率となっています。毎年、第1回調査では3倍を超えていますが、最終的には1.5倍前後まで下がっており、今年も同様の動きとなりそうです。

 

 越ヶ谷はここ10年間ではもっとも低い倍率となっています。過去データから最終的には1.3~1.4倍に落ち着くと見られます。

 

 春日部東は最終的に定員を割ったことがないことから1.0~1.1倍程度までは上がりそうです。豊岡は前年同期から大きく下がっていますが最終的には1.2倍前後まで上がる可能性があります。鴻巣女子大宮光陵・外国語コース狭山清陵松伏羽生第一などは最終的に1倍を超えるかどうか微妙なところです。

 

 

 

 今回は、前年同期と比べ、倍率が大きく上昇した学校と、逆に大きく低下した学校を取り上げました。

(教育ジャーナリスト 梅野弘之)

=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=

 

 

 

 

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