【全国高校総体】陸上　フェンシング　自転車　結果

陸上
＜第９日＞

女子走り幅跳び　池上（埼玉栄）８位入賞
男子砲丸　長谷川（川口市立）９位
男子５０００㍍競歩　先崎（春日部）１１位

　全国高校総体（インターハイ）第９日は５日、徳島県の鳴門ポカリスエットスタジアムなどで行われ、陸上の女子走り幅跳びで池上瑠依（埼玉栄）が５㍍５５で８位に入賞した。男子砲丸投げは長谷川新太（川口市立）が１５㍍５９で９位。益井晴輝（西武台）は１５㍍２８で１３位だった。
　フェンシングの女子エペは須田真衣（星槎国際）が３位に入った。

飛躍の１年「来年はＶ」

女子走り幅跳び決勝　５㍍５５で８位入賞の埼玉栄・池上瑠依＝鳴門ポカリスエットスタジアム

　未来ある１年生が力強い跳躍で、全国に挑んだ。女子走り幅跳びは、１年池上が「思いきっていこう」と５㍍５５を記録し８位に入賞した。
　清田監督に「とりあえず楽しめ」と背中を押され臨んだ予選。１本目で自己ベストの５㍍９０を記録し決勝進出を決め、「気分が上がりすぎた」と満面の笑みを見せた。
　興奮が冷めないまま迎えた決勝は「ピークを持ってこられなかった」と助走でスピードに乗れず、記録が伸び悩んだ。最後の跳躍で指揮官から「自分らしく跳べ」。助走を１０㌢伸ばし勢いよく駆け出したが、踏み切れずに終わった。
　自分に合ったメニューに取り組めることに魅力を感じ、埼玉栄に進学。練習では７０㍍中、最初の２０㍍で加速、残り５０㍍のタイムを計り、助走を見直したという。入学時より０・５秒速く走れるようになり、今大会の活躍につながった。
　予選の記録を出せば、決勝でも２位につける大記録だった。期待の新星は「悔しいけど楽しめた。来年は６㍍を跳んで北海道のインターハイで優勝する」。まだまだ飛躍は止まりそうにない。

あと１㌢・・・友と挑んだ頂

男子砲丸投げ決勝　１５㍍５９で９位の川口市立・長谷川新太

　あと１㌢及ばなかった。男子砲丸投げ決勝は長谷川が自己記録の１５㍍５９をマークし９位。８位とはたった１㌢の差で入賞を逃した。だが、予選と合わせこの日２回も自己ベストを更新し「想像以上の記録を出せて悔いはない」と誇らしげだ。
　同種目でともに決勝に進んだ益井とは、中学２年から５年にわたり県の首位争いを続けた戦友で、競技外で遊ぶほど仲が良いという。益井に「２人で表彰台に上がろう」と言われ臨んだ決勝。長谷川の最終投てきの前には固い握手を交わした。
　高校入学後はライバルの記録を追い続けた長谷川だったが、全国の舞台で初めて友を超える投てきを見せた。「ライバル同士でやり合えて熱くなれた。益井のおかげ。ありがとうと伝えたい」と照れくさそうに５年分の感謝を口にした。

全力出し有終の美

男子５０００㍍競歩決勝　２３分５秒９６で１１位の春日部・先崎匠

　男子５０００㍍競歩は先崎（春日部）が「持っている力は全部出し切った」と１１位。悔しい結果にも、すがすがしい表情を見せた。
　序盤に先頭から離れ「置いていかれて悔しい」と力のなさを痛感。それでも後半は「応援の声が力になった」と伸びを見せ、ラスト１㌔は４分２３秒と中盤より２０秒も速いラップで、力強く歩みを進めた。
　予選は自己記録を１分も上回る２２分４秒３４で通過し「決勝進出すると思わずびっくり」。自校の同種目歴代記録を塗り
替え、有終の美を飾り満足そうに会場を後にした。

円盤投げで挽回を
男子砲丸投げの益井（西武台）

　悔しさより応援に応えられなくて情けない気持ち。結果を出せなかった分、円盤投げで挽回し、優勝を目指す。

人生で一番の喜び
女子円盤投げの民谷（所沢西）

　継続して頑張り、大舞台で記録を出せてよかった。この場にいるのが不思議で、決勝に残れたのは人生で一番うれしい。

＜第１０日＞

　全国高校総体（インターハイ）第１０日は６日、徳島県の鳴門ポカリスエットスタジアムなどで行われ、自転車の女子ケイリン決勝で中島瞳（川越工）が１２秒７０７で優勝した。フェンシング男子サーブル決勝で、宮崎孝司郎（星瑳国際）が山口李世（神奈川・法政二）に１０―１５で敗れ準優勝。
　陸上は、男子８００㍍決勝で小瀬堅大（川口市立）が１分５３秒００で５位入賞。女子七種競技は、阿部友（松山女）が４８０１点で４位入賞。同走り高跳びは、高橋美月（埼玉栄）が１㍍７０で７位に入った。

「勝負強さ」で昨年超え
男子８００㍍　小瀬（川口市立）

男子８００㍍決勝　１分５３秒００で５位入賞した川口市立・小瀬堅大（４０８）＝鳴門ポカリスエットスタジアム

　男子８００㍍決勝は小瀬が勝負強さを見せ、１分５３秒で５位に食い込んだ。昨年の８位を上回る成績を残したが、「３位以上を目指していたからめちゃくちゃ悔しい」と、ゴール後はトラックに崩れ落ち、全身で悔しさを表した。
　決勝は「あまりスピードが出ない感じがした。全国の決勝に怖さもあった」と話しつつも、強気の走りで５５０㍍付近まで２位につけた。「良い位置につけた」と思ったが、全国の強敵たちが追い上げを見せ、得意のラストスパートが影を潜めた。
　６月後半ごろから右足首に痛みを感じ、５日の予選と準決勝はけがの影響で本調子とはいかず、タイムでなんとか駒を進めてきた。それでも、準決勝と決勝では、万全の状態で臨んだ北関東大会で出した１分５３秒２２の記録を超える走りを披露した。「もっと戦えると感じる決勝だった。国体に向けて調子を整えて挑みたい」と前を向いた。

貴重な敗戦
女子走り高跳び　高橋（埼玉栄）

女子走り高跳び決勝　１㍍７０で７位入賞した埼玉栄・高橋美月

　女子走り高跳び決勝は、１年高橋が７位入賞を果たした。自己記録は高校生ランキング首位タイの１㍍７４。自信を持って臨んだが、１㍍７０に終わり「過信があり、最後は勝ちたい気持ちが先行してしまった」と語り、目からは涙がこぼれ落ちた。
　１㍍７３を２回失敗しても、高橋には笑顔があった。「安定して跳べていたから行けると思った」が、３回目も足が抜け切らなかった。今までに３度全国の舞台を経験し、そのどれもでトップに立ってきた。「初めて１位じゃなかった。高校はレベルが高いけれど、来年は１㍍８０を跳んで優勝したい」。貴重な敗戦を糧に飛躍を目指す。

みんなのおかげ
女子七種競技　阿部（松山女）

みんなの応援のおかげでだめな時も泣かずに乗り越えられた。

フェンシング
男子サーブル　宮崎（星瑳国際）準Ｖ

男子サーブルで準優勝した星槎国際・宮崎孝司郎（右）＝高松市総合体育館

巧みな駆け引きキラリ

　男子サーブルは宮崎が決勝で山口に１０―１５で敗れ、惜しくも準優勝。「悔しいができることをやりきった。楽しかった」。今大会は相手の攻めを読み、それを利用して攻撃を決める駆け引きのうまさが光り、勝ち上がった。
　４月に「もっと上を目指そう」と福岡から転校し、練習を重ねた。森監督の指導の下、１８６㌢の長身を生かすために、力勝負からステップや戦術を用いた戦い方に変えた。準優勝の結果にも「２位は嫌だ」と貪欲に高みを見据えた。

自転車
女子ケイリン　中島（川越工）優勝

人生懸けもっと好きに

　女子ケイリン決勝で中島が、初の栄冠に輝いた。中島は「実感がなかった。おめでとうと言われて初めて本当に優勝したんだと思った」とうれしそうに振り返った。
　決勝はコーチ陣に「焦ってもいいことはない」と助言を受け、２番手につける戦法を選んだ。「自信があり周りを見て走れた」。先導が抜けた中盤、作戦通りの位置取りをすると第３コーナーでスパートをかけ、先頭でゴールに飛び込んだ。
　５歳で始めた自転車競技。マウンテンバイクやシクロクロスなどで計５回全国の頂点に立ってきたが、ケイリンでの全国優勝は初めてだった。同種目は高校で始め、３年間女子部員１人で男子を相手に練習し、力を伸ばした。「みんな人生を懸けていて簡単には勝てなかったが、優勝して自転車がもっと好きになった」と今後も夢中でペダルを踏んでいく。

＝埼玉新聞２０２２年８月６日付け１２面、７日付け１１面掲載＝