2020年12月14日配信
出題範囲削減。公民の配点減り、地理と歴史が増える可能性
2021年度埼玉県公立高校入試、社会科の出題を予想してみました。
今回は、中学校等の臨時休業の実施等などを配慮して、公民的分野において、「私たちと経済」と「私たちと国際社会の諸課題」の内容は出題されないことが発表されました。例年の配点から見ると、今までの公民分野の約半分が除外されることになります。
まず、例年の社会科の出題の配点を確認します。社会科は、大問が6つです。
大問1(大きい1番という意味です。)は、地理分野のうち、世界の地域構成や地域的特色について。(15点)
大問2は、地理分野のうち、日本の諸地域の地域的特色、身近な地域の調査について。(15点)
大問3は、歴史分野のうち世界の歴史を背景とした江戸時代まで。(15点)
大問4は、歴史分野のうち明治以降の日本と世界。(15点)
大問5は、公民分野のうち、日本の政治や経済、国際社会について。(25点)
大問6は、地理的分野・歴史的分野・公民的分野の総合問題。(15点)
なお、大問6の総合問題は、各分野5点ずつの配点です。
各分野の合計の配点は、地理的分野・歴史的分野が35点、公民的分野が30点でした。
今回、公民分野で、除外される経済と国際社会の出題は、今までは大体15点分でした。その15点分が、ほかの出題となるのです。
これは、公民が苦手な人や、地理や歴史が得意な人がラッキーということになるのでしょうか。
公民分野の配点を変えないために、残りの「私たちと現代社会」の部分だけが今までの2倍出題するという考え方もありますが、ちょっとそれは、極端です。今まで習ったことを均等に出題する、という考えが妥当です。ですから、地理分野と歴史分野が今までより少し多く出題されることになるでしょう。
では、地理や歴史ではどんな分野が出題されるでしょうか。除外された経済や国際社会にかかわる問題が、出される可能性があるのではないか、と予想します。
たとえば、公民分野で出題される定番の「国際連合」は、歴史分野でも扱っています。公民の地域主義で扱うヨーロッパ連合(EU)や東南アジア諸国連合(ASEAN)は地理分野でも扱っています。どの分野もしっかり勉強してほしいですが、経済や国際社会の内容と、地理や歴史分野の内容と重なっているところが、要注意です。(文:元公立高校社会科教員)
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