山村学園高校
市制施行100周年の川越市に所在する山村学園は、創立100周年と節目の年を迎えた。大会開幕3週間前の6月17日、練習後のミーティングで選手たちに岡野監督は「記念すべき年に、こんなチャンスはないよ。絶対甲子園に行くぞ」と力強く呼びかけた。するとチームに緊張感が生まれ、士気が高まった。
今春に成長したエース山田翼(右)ら投手陣が夏に向けて練習に励む=山村学園グラウンド
今春、チームは何にも代え難い経験と自信を手にした。昨秋の西部地区代表決定戦で敗退した悔しさからはい上がり、今春は県大会準優勝。続く関東大会では2回戦の市船橋(千葉)に12―2で七回コールド勝利を収めると、準々決勝で作新学院(栃木)を5―1で下してベスト4に入った。チームが記録した79得点中、36打点が坪井、酒井の3、4番コンビがたたき出し、エース山田翼と捕手山田浩のバッテリーが急成長するなど収穫を得た。
その過程で力の差を見せつけられた試合がある。0―4で浦和学院に敗れた県大会決勝。強力打線は、相手先発の芳野に6回無安打に抑えられ、2番手の金田に3回2安打と歯が立たなかった。主将の坪井は「隙がなかった」と振り返った。
ただ、チームに悲観した様子はない。指揮官は「夏を前に戦うことができたのは大きい。勝ったら選手が勘違いするから負けて良かった」と前向きだ。雪辱を果たすとともに悲願の甲子園出場のために、策を練っている。投手陣の体力を鑑みて昨夏同様、短いイニングで複数枚の継投を図る「マシンガン継投」を再び模索する。
近年、浦和学院と埼玉高校野球の両雄である花咲徳栄に昨夏、今春と続けて金星を奪取し勢いは十分。指揮官は「記念の年に何とか川越から甲子園に出場したい」と願いを込める。2008年に創部した新興私学の熱い夏が始まる。
=埼玉新聞2022年6月29日付け7面掲載=
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