浦和麗明高校
2018年の創部から短期間で着実に力を付けている浦和麗明。校舎の最寄り駅から1駅先にあるグラウンドは、県内で珍しい全面人工芝に夜間照明を完備。部員は3学年で96人と活気があり、強豪校に引けを取らない環境だ。
全体練習後、気合を込めてランニングをするエース吉川(右から3人目)ら浦和麗明の選手たち=浦和麗明グラウンド
チームにとって大きな自信を手にしたのは、浦和学院に1―4で敗れた昨春の南部地区代表決定戦。当時、2年生で公式戦初先発のエース吉川が、切れ味抜群の直球を武器に相手打線を五回まで無安打無得点。六回に野選で失点するものの、七回まで1―1の好ゲームを演じた。6安打4失点で完投した吉川は「負けてもしょうがないと考えていたけど、あそこまでできると思わなかった」と期待以上の経験を手にした。
これを機にエースを含めチームが成長。昨秋の県大会では同校初のベスト8に入った。さらなる飛躍が期待された今春は、県大会2回戦で市浦和に0―1で惜敗。被安打4、1失点、15奪三振した吉川を打線が援護できず、4安打無得点に終わった。佐藤監督は「吉川におんぶされている状態だった」と2カ月前のチームを振り返った。
エース頼みから脱却するため、チームは総合力を高めている。6月23日、2時間の練習中に選手たちは、自主的に何度もミーティングを実施していた。主将の今田は「会話して雰囲気をつくらないといけないし、みんなが共通意識を持たないといけない」。状況に応じた守備位置の確認や、攻撃時の走塁など細かな部分まで詰める姿に余念がない。
ノーシードで花咲徳栄―市川越ゾーンに入り、1回戦から最大8試合を戦う険しい道のり。今田は「負けたら高校野球が終わり。一日でも長い夏にしたい」。無限大の力を秘めた選手たちが躍進を続けた先に、浦和学院との準決勝が待っている。
=埼玉新聞2022年6月30日付け7面=
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