専門知識と技術を学ぶ大学進学も増える傾向
高校には学科という分類があります。普通科・専門学科・総合学科の三つです。今回紹介する専門学科は、専門知識を学び、専門技術を身に付け、主に就職を目指す学科です。理数科や外国語科なども分類上は専門学科ですが今回は省きます。専門学科では普通科同様、英・数・国など一般教科も学びますが、上級生になるほど専門教科が増え、実習が多くなります。
また、資格取得のための勉強も増えてきます。卒業後の進路は就職が多いですが、近年は大学に進学する人も増えています。興味・関心に合った分野に進めば、楽しく充実した高校生活を送ることができます。適性も考えなければならないので体験入学などに参加してみましょう
調理師免許取得はもちろん進学サポートも充実
食の第一線に多くの優秀な人材を送り出してきた花咲徳栄高校の食育実践科。調理師養成施設校として認可されているため卒業時に調理師免許を取得できるほか、普通科併設の環境を生かして大学進学に向けてのカリキュラムやサポート体制も充実している。
同科は2014年度から3年連続で文部科学省「スーパー食育スクール」、17年度には同省「つながる食育推進事業」モデル校に指定。競技力・体力向上に有効と考えられる「アスリートメシ(アスメシ)」、学力向上(記憶力・集中力)に有効と考えられる「スタディメシ」、カルシウム(Ca)と鉄分(Fe)が豊富な「CaFeメシ」の3つのコンセプトに合わせたメニューの開発や、地域と連携した地産地消の食育活動を目的に、異年齢(幼・小・中)や学科間連携などの食育交流、地元農家での収穫体験を行ってきた。
また、産官学連携事業では、3年前に加須市とコラボして「アスメシカレー」を商品化したほか、加須市や大学、企業と連携して地元特産品を使った焼きショコラと和風フィナンシェを詰め合わせた「かぞごころ」を2年前に開発。こうした活動が生徒た
ちの自主性・創作意欲を育み、昨年は代表生徒3人が「第11回ご当地!絶品うまいもん甲子園全国大会」で準優勝となった。
関正一校長は「チームで共同作業することが多く、同じ目標に向かって努力をすることで達成感を味わうことができますし、喜びを2倍に、悲しみを半分にする真の仲間をつくることができます。資格を取ることを目標として、失敗を恐れず何事も頑張ってみようとチャレンジできる人にはうってつけの環境です」と話す。
同校は、進路指導にも定評があり、キャリアアップを目指す生徒には恵まれた環境が整う。「食のベースを学ぶことでさらに進路の幅が広がる」(會田友紀科長)と約4割の生徒が卒業後は大学・短大へ進み、管理栄養士や栄養士資格取得を目指して家政系や保育・看護系、教育系といった学科で将来の夢へ向かう。
「食や栄養、健康などに興味のある人や、食で人を喜ばせ社会に貢献したいという人、相手の立場に立って物事を考え、周りの人を尊重できる人に向いている学科です」と関校長。「まずは学校見学や体験学習に参加していただいて、『食育』を通して豊かな人間形成を育む教育を体感してほしい」と呼び掛ける。
=埼玉新聞7月4日付け「高校入試対策特集」8・9面掲載=
次回は7月6日(木)に【2023専門学科の学び2】県立常盤高校の配信を予定しております。
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