上尾市は、いじめをなくす取り組みの一環として「夢を育み未来を創る子供すこやかシンポジウム」を開催した。「なぜ、いじめは起きてしまうのだろうか~いじめを起こさないためにどうしたらよいか~」をテーマに地域や保護者、教諭、小中学校、高校の代表によるパネルディスカッションが行われた。進行は市教育委員会指導課の高橋恭之指導主事が務め、オンラインでも配信され、市内小中学校の保護者を対象にアーカイブ動画が視聴できる。
それぞれの立場からいじめをなくすための意見が交わされた=上尾市役所大会議室
文部科学省や市教委が作成したデータ資料を基に、小中高校の「いじめの認知件数」の10年の推移についての意見交換では、市立東小6年の直田茉希羽さんが「小学校は増えているのに中学高校は小学生に比べてあまり変わっていない」と指摘。その理由を「中高生はいじめの内容が複雑なので、家族などに相談しにくいからだと思う」と話した。
「いじめがなぜ起こるか」について上尾南高校3年の坂元穣さんは「いじめる人の理解が足りないから。障害などへの知識不足もある。孤立している人がいたら、先生や他の大人が見ているという安心感を与えてあげたい」と述べた。また「いじめをどうしたらなくせるか」では、市立大谷中3年酒井心愛さんが「アンケートに素直に自分の気持ちを書くようにする。先生の目の届かない所にカメラを置くのも一つの方法」と具体的に提案した。
大谷小学校の大久保裕和主幹教諭は「学年が上がるにつれ、相談しなくなると感じている」と話し、高学年を対象に実施したアンケートで「悩みを抱えた時に誰か相談するか」という質問に対し「相談しない」と答えた子の理由が「心配かけたくない」だったことも紹介した。防止策については、家庭と学校の連携の大切さや相談しない家庭への支援、聞き取り調査、事実確認の重要性を指摘した。
保護者の立場から参加したPTA連合会の田辺裕子副会長は「子どもの話をよく聞くこと、子どもたちが助けを求められる雰囲気をつくることが大切。先生と話し合い、同じ目線になることも必要だと思う」と話した。上尾・伊奈地区保護司会の吉田るみ子副会長は「自分を大切にする小学校の時から、そういう気持ちを育てていきたい。粘り強く防止策をすることが大切」と訴えた。
=埼玉新聞2025年8月25日付け10面掲載=
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