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ちちぶアンバサダー開始 SNSで全国へ魅力PR

企業の人材不足解消へ

 地元高校生や県近隣の大学生が交流サイト(SNS)で、秩父地域の企業の魅力を紹介する「ちちぶアンバサダー」の取り組みが今月から始まった。県秩父地域振興センターから委嘱を受けた高校、大学生計45人が、夏休み期間などを利用して秩父地域の企業計26社を訪問。職場の雰囲気や働きやすさなど、学生目線で徹底取材し、写真主体のSNSメディアで全国の若者に向け情報発信する。秩父地域の企業が抱える「人材不足解消」の起爆剤として、ちちぶアンバサダーたちには大きな期待が寄せられている。

熱心にメモ取りやスマートフォン撮影を行う、ちちぶアンバサダーの鈴木陽尊さん(左から2番目)と中村草汰さん(左端)=19日、秩父市大宮のオプナス秩父工場

 

 「事業の一番の魅力は?」「需要の高い製品は?」「社名の由来は?」。アンバサダーの秩父農工科高2年中村草汰さん(16)と、成蹊大学経済学部4年鈴木陽尊さん(23)が19日、錠前セキュリティーメーカー「オプナス」秩父工場(秩父市大宮)を訪問し、従業員に熱心に質問しながら、メモ取りやスマートフォン撮影を行っていた。
 秩父市在住の中村さんは「今まで知らなかった地元企業の魅力を引き出したい」、東京都武蔵野市在住の鈴木さんは「秩父市の活性化事業を大学教授に紹介されて、興味を持った」と、アンバサダーを志願。同社の皆川倫治工場長(49)らと名刺交換した後、開発エリアや製造工場などの現場を徹底取材した。
 2020年11月に建てられた同工場は、賃貸物件やオフィス家具、自動販売機などに使用される錠前の生産・開発を行っている。全従業員約180人のうち、半数近くが女性で、部品の組み立て現場などで活躍。通勤時間90分以上の従業員のための「借上社宅制度」も充実している。
 中村さんと鈴木さんは、この日取材した内容を編集し、写真共有アプリ「インスタグラム」に投稿する。取材後、中村さんは「インスタグラムは文字数が限られるので、自分が関心を持った製品をピックアップしたい。手厚い住環境も魅力的なので、より多くの人に宣伝したい」と話した。
 鈴木さんは「食堂内で花火鑑賞を楽しめるなど、自然豊かな労働環境が印象に残った。職場の雰囲気と、事業の特徴がみんなに伝わりやすい写真を厳選して載せたい」と意気込んだ。
 中村さんと鈴木さんの投稿は、取材日から2、3週間後に、秩父地域おもてなし観光公社のインスタグラム公式アカウントから計4回発信される。オプナスの皆川工場長は「錠前メーカーは普段はあまり注目されないが、日々の暮らしに貢献し続けている会社であるということを、多くの若者に伝えてほしい」と2人のアンバサダーに期待した。

 

=埼玉新聞2022年8月26日付け5面掲載=

 

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