「たくさんの応援 勇気に」
初出場したパリ五輪レスリング女子62㌔級で金メダルを獲得した元木咲良選手(22)=埼玉栄中―埼玉栄高出身、育英大助手=にさいたま市から市民栄誉賞が贈呈された。8日、表彰式に出席した元木選手は「たくさんの応援の力が背中を押してくれて、勇気を持って試合することができた」と感謝。直近の目標には23歳以下とシニア、両方の世界選手権制覇を掲げ「自分自身が強くなることが勝利につながる。自分自身を高めていきたい」と、さらなる飛躍を誓った。
元木咲良選手(右)から「ぜひ手に取ってください」と言われ、笑顔で金メダルに触れる清水勇人市長=8日午後、さいたま市役所
表彰状を手渡した清水勇人市長は、大けがを乗り越えてつかんだ夢舞台で元木選手が見せた不屈の精神と最後まで諦めない姿をたたえ「多くの市民に感動、勇気、希望を与えてくれた。さらなる高みを目指して頑張ってほしい」とエールを送った。
歓談で元木選手は大学2年生の時の右膝の大けがに落ち込み、一時は「やめよう」と思ったことを明かした。ただけがをしていた期間に始めたビデオ研究をきっかけに「レスリングが好きになった」。それまでは不器用だったというが、復帰した時に、いろいろなことができるようになったことで「楽しくて、夢中になってレスリングをしていたら、競技成績が伸びて、不思議な感じで今ここにいる」と照れ笑いを浮かべた。そして「人生で経験したこと全てが糧になった」と力強く語った。
元木選手は和光市出身。2000年のシドニー五輪男子グレコローマンスタイル63㌔級代表だった父康年さんの影響で3歳でマットに立った。埼玉栄中学に進学し、高校に上がる際に、家族でさいたま市西区に引っ越してきた。現在は群馬県在住だが、実家に戻ってくるタイミングなどで母校に顔を出し、後輩たちと一緒に汗を流すという。
表彰式後に取材に応じた元木選手は「自分は他の選手と比べて決して能力は高くないが、やり方次第では金メダルを獲得できる。『可能性は無限大にあるんだよ』ということを伝えたい」と、後輩たちにメッセージを送った。
=埼玉新聞2024年10月13日付け10面掲載=
サイト内の埼玉栄高校の基本情報は→こちら
学校の特徴~学校からのメッセージ2024~
本校では、生徒一人ひとりが、勉強から部活動まで主体的に学び、全力を尽くせる学校づくりを行っています。2022年度からは「未来の学びプロジェクト」というICT推進チームを発足し、知識の習得にとどまらない、新たな価値を生み出す教育により、急速に変わりゆく「新しい時代の主役たち」を育成していきます。
カテゴリー
よく読まれている記事