「ペンタブアートプロジェクト」
高校生活の日常や思春期の心象風景を鳥獣戯画風に表現した作品を洗濯物に見立てて展示している=さいたま市浦和区の埼玉会館第2展示室
県立大宮光陵高校美術科と書道科1年の4人の生徒たちが、専門の学科を超えて日常の一場面をペンタブレット(ペンタブ)で戯画風に描いた。多彩な内容を一つの作品として仕上げるため、洗濯物に見立てて、物干しハンガーで展示している。
作品のテーマは「日常」。生徒らは、登下校や朝食など普段の何げない風景を描いた。同校教諭で美術科・学科長の松下俊教諭(52)が、「『鳥獣戯画』の要素を取り入れてみるのはどうかなあ」とアドバイス。同校OBで、現代美術家として活躍中の梅沢和木氏(40)も「うまいへたではなく、テーマを大切にしようね」の言葉で後押し。生徒らは自分たちで話し合い、「光陵生日常戯画」として仕上げた。
ペンタブで、さまざまな色彩表現を試しながら、背景の色にバリエーションを持たせるなど現代的な要素を取り入れた。書道の筆遣いを生かし、筆圧を調整しながら鳥獣戯画の実物に近い線質を表現したりと、アナログ芸術とデジタル表現を融合。
教え子の作品を熱心に鑑賞していた国語科教諭は、「本当に一枚一枚の作品に、生徒たちの生活や心模様が表現されていると思う。美術、書道作品を作り上げる過程での苦しみ、完成した後の喜び。そして、その作品がどう講評されるかという不安が鳥獣の姿を通して如実に表れている」と、優しく語った。
松下教諭は、「美術と書道、異なる専門性を持つ生徒たち。線の作り方や着想の視点、色彩の捉え方など、それぞれの得意な部分が融合され一つの作品になった」と評価した。
【メモ】16日まで。午前10時~午後6時。埼玉会館第2展示室。
=埼玉新聞2025年3月12日付け9面掲載=
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