ムサシトミヨの飼育を始めた熊谷女子高自然科学部の部員たち
県立熊谷女子高校(佐藤智明校長)自然科学部の11人が、世界で熊谷市にしか生息しない環境省絶滅危惧種ⅠA類にも指定された希少淡水魚ムサシトミヨの飼育を始めた。県内では大宮国際動物専門学校、県立川越高校生物部に続く3校目となった。
きっかけは昨年夏、熊谷市佐谷田の「ムサシトミヨ保護センター」を訪れ、さいたま水族館職員と「熊谷市ムサシトミヨを守る会」(江守和枝会長)からムサシトミヨの飼育、繁殖、保護などの説明を受けた。その後、部員らは守る会が毎月行うムサシトミヨの生息地である元荒川の清掃にボランティア参加するようになった。
先月、同校北側校舎3階の廊下に水槽とポンプを設置。4つがい8匹のムサシトミヨを譲り受け、飼育と繁殖活動を始めた。
年間を通し15度前後の水温に安定させること、水槽のそうじ、塩水でふ化させた餌「ブラインシュリンプ」を与える管理にはかなりの手間がかかる。
副部長の松岡千春さん(17)は、「体長は3~6㌢の小さな体で雄が小鳥のように巣を作って子育てをする珍しい魚を飼育できてありがたい」。丸岡小桜さん(16)は、「巣を作る姿の記録が取ってみたい」。杉山美月さん(16)は、「元荒川の環境整備のお手伝いもできたら」と話していた。
同部顧問の杉田亜紀さん(50)は、「なぜ熊谷だけにこの魚が生き残ったのか、研究観察をしていきたい」。江守会長は「市内の高校で飼育してもらうのが夢でした。ムサシトミヨを身近に感じ、大切にしてほしい」と話していた。
=埼玉新聞2023年3月24日付け13面掲載=
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