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中国総体2025 体操女子 バドミントン フェンシング結果

【体操女子】

川上(ふじみ野)個人総合2位

連覇逃すも夢へ笑顔

女子個人総合 55・450点で2位に入ったふじみ野の川上紗輝の段違い平行棒=島根県立体育館

 

 女子個人総合で2連覇を狙ったふじみ野の川上紗輝は55・450点で2位だった。種目別では段違い平行棒で3位、跳馬と床運動で4位と安定していたが、平均台は7位となった。「平均台は予選で落下し、決勝は守りに入ってしまった」と悔やんだ。
 予選で攻めの姿勢を貫き、平均台では難度の高い技に挑むも失敗。それでも前評判通り2位通過。実力通りの演技を披露したが、「予選を終えて2連覇へ対する意識が強くなってしまった」と心が揺れ、難しい技を避けて競技を終えた。
 4月の全日本選手権で4位。5月のNHK杯では5位に入るなど、国内トップクラスに食い込み、演技に自信がついた。ミスが原因で次の演技に影響を及ぼすこともあったが、克服へ向けて飽くなき探求心と強い意思を持ち合わせる。
 目標はロス五輪に出場し、メダルを獲得すること。夢へ向けて視線を上げると「きょうは段違い平行棒が一番良かった。減点も抑えることができた。次は自分の演技に対してもっと集中して取り組みたい」と笑顔を見せた。

 

ミス修正 充実の表情

男子団体総合 5位に入った埼玉栄の宇都宮昴があん馬で力強い演技を見せる

 

 男子団体総合の埼玉栄は昨年の12位から順位を上げ5位で今大会を終えた。大友監督は「予選は鉄棒で3人が落下した。6位通過だったが、一つ順位を上げられた。決勝では皆がミスを修正してくれた」と表情は穏やかだった。
 予選上位校が入る最終班での演技となり、主将の宇都宮は「レベルの高さを感じたが、ベストを尽くせた」と充実の表情。チームで唯一2年の会田は「少し悔しい部分もある。エースとして頑張っていく」と決意を新たにしていた。

 

けがの影響で振るわず79位
クラークの岸

 一昨年、女子個人総合を制したクラークの岸里奈は、けがの影響で79位と振るわなかった。決勝では跳馬、床運動を欠場。6月上旬に右足の親指を疲労骨折し、足に負担がかかる種目を避けた。
 段違い平行棒が2位、平均台では3位と好成績残し、コンディション不良ながらも納得した様子だった。「自分が足を引っ張ってしまった」と5位に終わった団体戦を戦った仲間を気にかけた。
 昨年はパリ五輪に出場し、女子個人総合で11位。完全復帰を目指し「来年の全日本選手権で2連覇を目指す」と力を込めた。

 

【バドミントン・団体】

埼玉栄が男子団体V

 全国高校総体第14日は山口県防府市体育館などで行われ、バドミントン団体の男子で埼玉栄が2年連続14度目の優勝を果たした。女子の埼玉栄は3位だった。

 

悔しさ晴らす完勝

男子団体決勝 ふたば未来学園―埼玉栄 ダブルス戦で快勝した埼玉栄の沢田(左)・石井組=山口県防府市体育館

 

 男子団体で埼玉栄が2連覇を達成。団体最終日は準々決勝から決勝まで全て3―0でストレート勝ちの完勝だった。大屋監督は「決勝は3月の全国選抜大会決勝で敗れた相手だった」と指揮官、選手たちが味わった悔しさを晴らした。
 春の決勝を争ったふたば未来学園との雪辱の一戦。シングルスの高野、ダブルスの沢田・石井組が2―0で相手を寄せ付けずリードを奪うと、ダブルスの萩原・松本組は粘り強くプレーし接戦を制すると最後は歓喜の輪をつくった。
 2連覇を達成しても選手たちに浮かれた様子はなかった。3回戦の瓊浦(長崎)では今大会唯一1セット奪われた。主将の高野は「瓊浦戦は負けてもおかしくない雰囲気だった。二度と悔しい思いをしたくなかった」と一丸の勝利を誇った。
 春からスマッシュの強化を図り、練習で打ち込みを重ねてきた。大屋監督は喜びもそこそこに、シングルス、ダブルスと次なる戦いを視野に入れる。団体での経験を生かし、個人戦で今大会2度目の歓喜への期待が膨らむ。

 

女子団体 敗戦も3位に悔いなし

女子団体準決勝 埼玉栄―ふたば未来学園 ダブルス戦でプレーする埼玉栄の八嶋(右)・榎本組

 

 女子団体の埼玉栄は準決勝で敗退。2年連続の3位となり、大きな壁が立ちはだかった。滝内監督は「3位でも恥じることはない。相手が一枚上手だった」と敗戦を受け入れた。
 準決勝ではシャトルを低い位置で返すことを心がけたが、思うようにいかなかった。ミスの少ない相手に対し、屈強に挑んだが力で負けた。ダブルスで出場の八嶋と榎本は「攻め急ぎ、シャトルをネットに引っかけることが多くなってしまった」と声を絞り出した。
 決勝に進出することの難しさを痛感した主将の阿部は「力は出し切った。悔いはない。来年優勝してほしい」と後輩たちへエールを送った。

 

バドミントン・ダブルス

沢田、石井組(埼玉栄)優勝

 

 全国高校総体バドミントン男子ダブルスで埼玉栄の沢田、石井組が優勝。同じく埼玉栄勢で同シングルスの高野日向と女子ダブルスの榎本、八嶋組は準優勝。

 

序盤苦戦 逆転で2冠

男子ダブルス決勝 埼玉栄の沢田(右)、石井組がふたば未来学園の川野、山城組を下す=山口県防府市体育館

 

 男子ダブルスは埼玉栄の沢田、石井組が制覇した。春の全国選抜大会に続き2冠を達成。第1セットこそ落としたが、その後2セットを連取した。団体決勝で勝利したふたば未来学園の川野、山城組を再び退けた。
 団体決勝では2―0でストレート勝ち。だがダブルス決勝では苦戦した。第1セットから点差を広げていったが、徐々に攻め込まれた。石井は「自分が簡単なミスをすることが多かった」と反省。ミスをカバーした沢田のプレーに感謝した。
 第2、3セットでも息の詰まる攻防を繰り広げた。攻められても引かずに消極的にならないよう前に出た。沢田は実業団選手との練習でフィジカルの弱さを認識し、筋力トレーニングで強い体をつくり、身体面で成長を遂げた。
 石井は「空回りする部分もあったけれど楽しめた」と大粒の汗を拭い、沢田は「接戦になると思っていた」と春夏連覇を達成し、安堵(あんど)の表情を見せた。次の目標は12月の全日本総合選手権で勝ち上がること。冬の大舞台での2人の活躍が今から楽しみだ。

 

推進力に屈し涙

女子ダブルス決勝 埼玉栄の榎本(右)、八嶋組が柳井商工の橋村、阿波組に敗れる

 

 女子ダブルスは埼玉栄の榎本、八嶋組が準優勝。昨年3位から一つ順位を上げ、最後の全国高校総体を終えた。試合後、榎本は「攻められている時間が長くなり、相手の勢いに負けてしまった」と涙を流した。
 先手を取って試合の主導権を握りたかったが、決勝だけは守勢に回る展開となった。八嶋は「優勝できるチャンスがあったはず」と下を向き、榎本も「昨年から順位を上げて2位になったのはうれしい。けれど優勝したかった」と声を絞りだした。
 脚力強化を目指して2人で走り込みを行い、試合で結果を残してきた。「相手に押されていると引いてしまう部分がある」と最後は2人が認識する弱点が出た。それでも小学6年からペアを組み、息の合ったプレーを今夏の総体で体現した。

 

ネット際劣勢 2連覇を逃す
埼玉栄・高野準V

 男子シングルスで2連覇を狙った埼玉栄の高野日向は決勝で敗れ準優勝となった。高野は「ネット際で競り負け、打ちやすい所へシャトルを上げてしまった」と相手の強烈なスマッシュを何度も浴びた。
 2回戦から準決勝までの5試合は全てストレート勝ち。ただ決勝だけは1セットも奪えなかった。本来のスピードを生かせず、相手をコートの中で動かすことができなかった。
 3月の全国選抜大会も制した実力者。追われる立場だったが「特に意識はしていない」と日頃から平静を保った。2度目の栄冠を逃したが、表情を一切変えず、次の舞台に羽ばたくつもりだ。

 

【フェンシング】

フルーレ 岩橘(和光国際) 鈴木(立教新座)3回戦敗退

積極性欠き 及ばず

女子フルーレ予選トーナメント3回戦 和光国際の岩橘英莉花(右)が鹿児島南の萱島朝香に敗れる=島根県安来市民体育館

 

 女子フルーレは和光国際の岩橘英莉花がまさかの16強敗退。優勝を目標に掲げていたが「プレッシャーを感じていた。手前で打つ攻撃が増えてしまった」と積極性を欠いた。
 立ちはだかったのは昨年の全国高校総体準々決勝で対戦し、勝利を収めた萱島。ピストで堂々と攻めたが若干の油断もあり及ばず。試合後は人目をはばからず、泣きじゃくった。
 1年時には17歳以下の国際大会で3位に輝き、実績を上げた。3度目の出場で昨年は3位、一昨年は8強止まりだった。涙を拭うと、来週から始まる国スポ関東ブロック大会へ向けて気持ちを切り替えた。

 

目標届かずも悔いなし

 男子フルーレは立教新座の鈴木哲矢が3回戦で敗退。12―15の僅差でベスト8進出を逃し、「どちらが勝ってもおかしくない展開だった」と序盤はシーソーゲームを演じた。だが徐々に相手のスピードに対応できず、守勢に回った。
 昨年準優勝。2度目の出場となる今回は本気で優勝を目指していた。1回戦で快勝すると立教新座勢同士の対戦となった2回戦は中尾豪太に力の差を見せつけた。目標には届かなかったが、「周囲の期待に応えたかった。後悔はない」とやり切った表情だった。

 

動きを読まれていた

男子フルーレで2回戦敗退の中尾豪太(立教新座)の話

 完敗だった。一緒に練習している(鈴木)哲矢にすべての動きを読まれていた。ただ、インターハイ出場という目標はかなった。お客さんが多く、全国大会らしい雰囲気で楽しかった。

 

スピードにやられた

女子フルーレで2回戦敗退の沢海陽菜(埼玉栄)の話

 追ってアタックする自分らしい攻撃ができなかった。相手のスピードにもやられてしまった。ベスト16入りが目標だったので、負けた瞬間はぼうぜんとしてしまった。

 

=埼玉新聞2025年8月6日付け6面、7日付け7面、9日付け6面、10日付け8面掲載=

 

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