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人工授粉で梅凶作防げ 武蔵越生高校生徒協力

毛バタキを使って人工授粉をする山口農園の山口由美代表(左)と協力した武蔵生越高校の生徒=10日、越生町上野東の山口農園圃場

 

 越生町の梅農家「山口農園」は10日、昨年の梅の不作を受け、今年は安定した受粉環境をつくろうと、毛バタキを使った人工授粉を実施。武蔵越生高校の生徒も協力し、約60本の梅で人工授粉に取り組んだ。
 川越農林センターの発表によると、昨年は梅の収穫量が前年比59%の凶作だった。越生で生産される梅は、受粉するのに種類の異なる花粉を必要とする他家受粉の品種である「越生べに梅」や「白加賀」が中心。しかし、昨年は気候の影響でこれらの開花時期のずれや寒暖差によるめしべの生育不良が報告されている。
 また、梅の受粉はこれまでミツバチによる自然受粉に頼ってきたが、昨年は満開時の降雨や風によりミツバチが飛ばず、受粉不良につながった。
 山口農園では、梅の不作を何とかしようと農林センターに協力。梅農家の減少を防ぎ、支援するために人工授粉に取り組んだ。うまくいけば、天候不順時の対策として、農家が取れる手段の増加が期待できる。
 同農園の山口由美代表は、「学校が地域貢献で協力してくれることもあり、ミツバチで難しい部分は人海戦術を使うことで産地を守りたい」と力を込める。県内一の梅の産地である越生町のブランド力がまだ足りないと話し、「梅は暑さ対策や疲労回復にも効果的で、生産者応援や後継者につなげるためにも地元の梅を買ってほしい」と呼びかけた。
 人工授粉に協力した武蔵越生高校2年生の町田理月さん(17)は、「梅は昔から大好きなので、おいしくなってほしい。今年はたくさんなってくれたら」と笑顔で話した。

 

=埼玉新聞2025年3月23日付け11面掲載=

 

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