2021年7月9日配信
選抜基準はどうして大事?―資料の見方を解説
埼玉県教育委員会は7月9日(金)、「令和4年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における各高等学校の選抜基準」(以下、選抜基準)を発表しました。昨年は新型コロナによる臨時休校等の影響を受け、9月上旬までずれ込みましたが、今年はほぼ例年どおり7月上旬の発表となりました。
公立入試では、日程や入試問題など基本的部分は共通ですが、具体的な選抜方法が学校ごとに異なっています。そこで、それぞれの学校が具体的にどのような方針で、また、どんな手順で選抜を行うかを示したのが今回発表された選抜基準です。受験生の皆さんは、まず「選抜の基本方針」を確認しておきましょう。学力検査を重視した選抜を行うのか、調査書を重視した選抜を行うのか、両者に差を設けない選抜を行うのかなどが示されています。
▼傾斜配点、調査書の扱いは「選抜資料」を
次に「選抜資料」を確認しておきましょう。5教科の学力検査を実施するのは全校共通です。ただし、特定の教科について傾斜配点を実施する学校があるので注意しましょう。主に理数科や外国語科などで傾斜配点が実施されています。「調査書の扱い」の中の「学習の記録の得点」については、各学年の重みが記されています。例えば「1:1:2」となっていれば、3年生の成績を「×2」で計算するということです。「特別活動の記録の得点」は生徒会活動や部活動についてどのくらいの得点を与えるかを示しています。「その他の項目の得点」は英検など各種検定等にどのくらいの得点を与えるかを示しています。具体的にどのような活動や内容が評価されるかは「調査書の扱いの詳細」に示されています。なお、面接を実施する場合は、「その他の資料」に示されています。
「一般募集」の欄には、第1次選抜と第2次選抜の合格者の割合と、各資料の配点が記されています。ここを見ると、各校が学力検査、調査書、その他の資料(面接や実技)をそれぞれどのくらいの重みをつけて選抜するかがより具体的に分かります。
今回発表された選抜基準を見ると、従来と大きく変えている学校はほとんど見当たりません。ただし、若干の変更を加えている学校もありますから、志望校の選抜基準については必ず目を通しておいたほうがいいでしょう。選抜資料の見方については中学校でも指導があると思われますが、分からない点は先生方に尋ね、早めに疑問や不安を解消しておきましょう。
(教育ジャーナリスト 梅野弘之)
=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=
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※埼玉県教育委員会から発表された公立高校各校の選抜基準を
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各校の「選抜基準」および「募集要項」は各ページの「選抜基準募集要項」を確認すると閲覧することができます。
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