コロナ禍の日常撮る
県立深谷商業高校写真部2年の木村こゆきさん(16)と田中瑚々那さん(16)ら女子生徒3人で共同制作した3枚一組のモノクロ作品「want to do more」が、全国公募写真展「視点」(日本リアリズム写真集団など主催)ヤング部門で入選した。田中さんは「写真の面白さを改めて実感でき、写真がもっと好きになりました」と喜びを語った。
ヤング部門の入賞は3年ぶり2回目。20歳以下が応募できる。一般部門を含めた入選作品265作品中、唯一の共同制作という。同展は時勢を反映した作品が好まれるため顧問の並木光二郎教諭(59)が、コロナ禍の高校生の日常を撮った作品をアドバイスし、マスク姿の仲間の撮影が決まった。
当初は3人で互いの姿を撮影しようとしたが、時間や活動日に制限がある中で練習に励む運動部に視点を替えた。3人は1年時、同じクラス。クラスメートに今年1月に開催した深谷市民弓道大会高校男子の部で2位になった弓道部員がいて、弓道部に撮影の協力をお願いした。
撮影日は1月20日の夕方。練習中の約1時間を使い、安全とソーシャルディスタンスを考慮しながらさまざまな角度からシャッターを押し続けた。男子部員2人が弓を構えて的に向かって集中する姿、的から矢を抜く様子を組んでストーリー性を表現した。さらに2人を紹介しながらマスク越しで「練習がしたい」と訴えているような表情も強調した。
コロナ禍第6波が拡大している暗い世相を反映してモノクロにしたところ、さらに弓道部員2人が際立った。木村さんは「我慢しながらでも頑張っている姿を収めたかった」と振り返った。
女子生徒3人の作品は6月7日から13日まで、東京都美術館で開催する「視点」会場に展示される。
=埼玉新聞2022年5月16日付け11面掲載=
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