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全国高校バスケ男子 正智深谷4強ならず

福岡大大濠に53ー96

 

福岡大大濠―正智深谷 第4クオーター、正智深谷のルーニー(右)が相手に阻まれる(日本バスケットボール協会提供)

 

ファウル重ねプレー悔やむルーニー

 

 正智深谷の成田監督が今後の伸びしろに期待する2年生エースのルーニーは、「メインコートで自分のプレーができず、シュートもいつも通り打つことができなかった」と4得点に終わった結果に肩を落とした。

 ファウルトラブルに泣き、大一番で23分間の出場にとどまった。「やられてもしょうがないところを見極められず、全てボールを取りに手を出してしまった」と第1クオーターで3ファウル、第3クオーター途中で4ファウルを記録した試合を悔やんだ。

 

シュート力で注目の存在に 関河

 

 鮮やかなクイックヒットで会場を沸かせた正智深谷の関河。前半だけで5本の3点シュートを決め、「自分は大きな声を出して引っ張るキャプテンではなかったが、最後に少しだけプレーで引っ張ることができて良かった」とチームへの思いを口にした。

 背番号4のシュート力が福岡大大濠に食らい付く原動力となり、大会屈指のシューターとして一躍注目される存在となった。課題の改善とさらなる飛躍を誓い、「Bリーグで活躍できる選手になりたい」と力を込めた。

 

強みの部分も完敗

 自分たちの土俵でも上回られる完敗だった。昨年に続いてメインコート(準々決勝)に立った男子の正智深谷は、福岡大大濠の選手層の厚さに屈した。3回戦で高校総体王者・中部大第一を退けた相手は格が違った。

 「高さとうまさは絶対に負けていると思ったので、平面の強さとシュート力で勝ちにいこうとしたが、走られたし、しつこさも向こうの方が上だった」と成田監督。圧倒的な高さに頼らず力強さを発揮した相手をたたえるしかなかった。

 序盤から0―8と力を見せつけられながら、第1クオーターは関河のシュートを軸に19―27と食らい付いた。相手のダブルドリブルを誘うなど、随所で正智深谷らしい守備を披露し、チームカラーの一端を全国に示すことはできていた。

 「湧川君の突破は中部大第一もやられていたので、一つでも二つでも多くドリブルを突かせてエントリー(攻撃のきっかけ)を遅らせようとしたが、全く駄目だった」と成田監督。終盤は粘ることも許されず、「彼らが戦えない時間を久々に見た」と脱帽した。

 2年連続の8強入りで存在感を示しつつ、トップレベルを肌で感じられたことは今後に向けて収穫となった。この先の景色を見るためには、伝統の激しい守備を極めながら、チームにアクセントを加える強烈な個性を磨いていくしかない。

 

=埼玉新聞2021年12月28日付け9面掲載=

 

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