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全国高校バレー 女子 狭山ケ丘が16強、男子の埼玉栄は敗退

女子

 女子の狭山ケ丘は持ち前のコンビバレーで粘り強く戦い秋田令和に2―1で逆転勝ちした。
 第1セットは序盤から長いラリーの応酬が続くも22―25で落とした。第2セットは宮沢、倉田の両アタッカーが計11得点と躍動して25―21で取り返した。最終セットになるとリベロ伊藤らが体を張って球を拾い、藤野、倉田が要所でスパイクを決めて勝ち切った。

 

笑顔で歴史塗り替える

女子 秋田令和―狭山ケ丘 第3セット、狭山ケ丘の倉田(左から2人目)がスパイクを放つ

 

 女子の狭山ケ丘が夢の舞台で新たな一ページを刻んだ。全国の初陣にも気負うことなく選手たちの顔は終始笑顔で満ちていた。引地監督は「3年生を中心に狭山ケ丘の歴史を塗り替えてくれた。卒業生の力も形となった」と喜びをかみしめた。
 序盤から長いラリーが続いた。リベロ伊藤、室を中心に粘り強く球を拾うと、森、藤野が多彩な攻撃を展開。藤野は「強打やフェイントなどめりはりをつけた」と相手を翻弄(ほんろう)した。しかし競り合う展開でわずかに及ばず第1セットを献上した。
 第2セットは宮沢、倉田の両エースが躍動した。均衡したスコアの中で、西村、藤野が安定したディグから流れを呼んだ。宮沢は「パワフルなスパイクがコースに決まった」と計六つのブロックアウトを奪うなど、試合を振り出しに戻した。
 一進一退の第3セットはコートを広く使い、攻撃の的を絞らせなかった。起点のセッター西村は「レフトを使いつつ相手のマークを外すようにトスを散らせた」。開始からリードを奪うと、5得点の藤野、6得点の倉田と3年生が意地を見せた。
 現チームの強みは劣勢の場面でも笑顔が絶えない精神力。会場を訪れた約1100人の応援団の声援も力になった。主将の藤野は「苦しい時は応援を支えに、自信を持って戦えた」。明るいチームカラーを前面に、さらなる歴史をつくっていく。

 

心の成長示す
ライト倉田

 狭山ケ丘のライト倉田が2桁得点で勝利を引き寄せた。第3セット、24―21で「自分にトスが上がってくると信じていた。最後は気持ちで打ち切って、鳥肌が立った」とスパイクで相手守備を崩し試合を決めた。
 身長163㌢。チーム1、精神面が弱かったが選抜チームや県での優勝経験で自信をつけ、この舞台に立つ。「仲間が上げてくれた一本をどうしたらこの身長で決められるか、常に考えながら攻撃した。心が成長したことをコートで示せた」と満面の笑みがあふれた。

 

男子

 男子の埼玉栄は初戦の硬さからミスが続き流れをつかめず、開智にストレート負けした。
 埼玉栄は第1セット、相手の強烈なスパイクを止められず失点を重ねた。エース定山が強打を放つも2枚のブロックに跳ね返され15―21で落とした。第2セットは中村の時間差などで反撃し中盤に同点としたが、再びミスで引き離された。

 

ミス重なり無念の幕引き

男子 開智―埼玉栄 第2セット、埼玉栄の定山(2)と坂本吏(10)がブロックを狙うも破られる

 

 3年ぶりの大舞台に立った男子の埼玉栄は、実力を発揮しきれず初戦で無念の幕引きとなった。伊藤監督は「全体的にミスが多くて流れに乗れず、自分たちでゲームを壊してしまった」とサーブキャッチで崩れ、自分たちの攻撃に転じられなかった試合を悔いた。
 相手スパイカーへの対策を重ねて挑んだ第1セット、開智のセッターの多彩なトスから放たれる強打に手を焼いた。ミドル坂本吏は「クイックに反応できなかった。意識していたけれど威力が強くて崩された」と流れを止めることができなかった。
 第2セットはリベロ能村のレシーブや中村、定山、高瀬ら得点源のスパイクで応戦。ミドル坂本吏のブロックも決まり始め、中盤には時間差攻撃など埼玉栄のバレーが垣間見えた。だが、守備の乱れを修正できず追い付くことができなかった。
 主将の中村は「(最後は)守りに入ったら駄目だと攻めたが、自分たちの持っている力の50%も出せなかった。全国は甘くなかった」とやりきれない表情で会場を後にした。

 

チームけん引も攻撃満足いかず
エース定山

 埼玉栄のレフト定山はチームの敗戦に肩を落とした。チーム最多11得点と意地を見せたが、「決めなければいけないところでのミスが多かった」と言葉を詰まらせた。相手の長身ブロック2枚に徹底マークを受けて満足の攻撃はできなかった。
 1年時から主力を担うアタッカーは現チームのエースに成長。今夏の全国高校総体、春高と2度の全国に導いたがともに勝利に届かなかった。それでも「苦しい時はチームみんなで頑張れた。貴重な経験ができた」と高校3年間を誇った。

 

=埼玉新聞2025年1月7日付け7面掲載=

 

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