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全国高校ラグビー 昌平2回戦、慶応志木3回戦敗退

【1回戦】

慶応志木が初戦突破

昌平も2回戦進出

青森山田―慶応志木 後半26分、慶応志木のフッカー李がモールから抜け出しトライを決める=27日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場

 

 ラグビーの第105回全国高校大会は27日、東大阪市の花園ラグビー場で開幕。1回戦10試合が行われ、埼玉第2地区代表で初出場の慶応志木は青森山田を48―12で下し、花園初勝利を挙げた。埼玉第1地区代表で2大会連続6度目出場の昌平は四日市工(三重)に83―0で圧勝し、2回戦に進出した。
 慶応志木は得意のモールとランで前半を27―0で折り返すと、後半も順調に得点を重ねた。昌平は接点で優位に立ち、前後半通して主導権を握り続け、計13トライを奪った。
 2回戦は30日に実施され、慶応志木は鹿児島実と顔を合わせ(午前10時45分・第2グラウンド)、昌平は尾道(広島)と対戦する(同9時30分・第2グラウンド)。

 

<慶応志木>

花園で初白星

 得意のモール戦術が威力を発揮した慶応志木が青森山田に快勝した。
 慶応志木は前半からモールで相手を押し込むと、パスやランなどで効果的に仕掛け5トライ。相手に隙を与えず、前半だけで27―0と大きくリードを伸ばした。後半は相手の速いバックスを中心とした反撃を前に2トライを許したが、フッカー李が3トライを奪い再び突き放した。

 

モール戦術 威力発揮

青森山田―慶応志木 前半10分、慶応志木のCTB浅野(中央)が相手を抜き去る

 

 初の大舞台でもスタイルを貫いた慶応志木が花園での初勝利をつかんだ。7大会連続出場の青森山田に一歩も引けをとらないどころか、立ち上がりから圧倒した。主将の浅野は「初出場だけで終わっちゃいけないとチームで考えていた。まず1勝目を挙げられて良かった」と喜んだ。
 CTB浅野、FB大沢らがランで相手を翻弄(ほんろう)。緩急自在なステップと体幹の強さで前進し、味方のトライを呼び込んだ。浅野は自身でも2トライを挙げ、勝利の立役者となった。
 モールをつくり、その度に敵陣深くへと侵入した。前半25分にモールから抜け出してトライを決めた橋本は「きょうでFW全体に自信がついた」と全国でも通用する手応えを得た。
 次戦の相手は24度目出場の鹿児島実に決まり、さらにタフな試合が予想される。竹井監督は「できることはそんなにないけど、もっとシンプルにやる」と力勝負に持っていく。

 

<昌平>

83得点圧勝 2回戦へ

 接点で優位に立った昌平が計13トライで四日市工に圧勝した。
 前半3分にスクラムからナンバー8但木が先制トライを挙げると、FB宮本、フランカー松原、ロック西村らが立て続けにトライを奪い、前半を36―0で折り返した。後半8分と同12分に途中出場の斉藤が2連続トライするなど後半も得点を重ね、相手を寄せ付けなかった。

昌平―四日市工 後半12分、昌平のロック斉藤(手前)がトライを決める

 

 接点で優位に立った昌平が計13トライと攻撃の手を緩めず圧勝した。速い守備からすぐさま攻撃に転じ、ボールを保持し続けた。船戸監督は「入りが良かった。接点でちゃんとぶつかるところからいいスタートが切れた」と満足げだった。
 セットプレー、ラン、横への展開などの攻め手全てが効果的に得点に結び付いた。後半に次々と選手を入れ替えても主導権を握り続けた。途中交代の斉藤が2連続トライを決めるなど、誰が出ても高いクオリティーの攻撃を維持できる層の厚さを見せつけた。
 2回戦でぶつかる尾道(広島)とは今夏の菅平合宿で対戦し、大差で敗れている。主将の宮本崇は「尾道はボールを動かすのがうまい。ディフェンスで前から仕留めにいきたい」と大舞台でのリベンジを誓った。

 

【2回戦】

慶応志木 鹿実を撃破

昌平は尾道に敗れる

慶応志木―鹿児島実 後半26分、CTB浅野が相手のタックルを受けながらトライを奪う

 

 ラグビーの第105回全国高校大会第3日は30日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で2回戦計16試合を行った。埼玉第2地区代表で初出場の慶応志木は鹿児島実を31―17で下し、3回戦に進出。埼玉第1地区代表の昌平は尾道(広島)に14―40で敗れ、初の年越しはならなかった。
 慶応志木はボールを持つと毎回のようにモールを作り、力でラインを押し上げた。相手に守備の間を突かれ3トライを許したが、攻撃力で上回り終始リードを守った。昌平は粘り強い守備で中盤まで接戦を演じたが、最後は接点の差で敗れた。
 3回戦は来年1月1日に実施され、慶応志木は過去7度の優勝を誇る東福岡と対戦する。(午前11時55分・第1グラウンド)=

 

<慶応志木>

成長の証し 力勝負制す

 慶応志木はモールで鹿児島実の守備を崩し切り勝利を収めた。
 慶応志木は前半8分にロック橋本のトライで先制すると、7―7の同22分にはラインアウトからモールで押し込みそのままトライ。後半も勢いは衰えず、モールを起点にCTB浅野らが計3トライを奪った。鹿児島実の鋭いランに3トライを許したが、力強い攻めで上回った。

 

慶応志木―鹿児島実 前半10分、ロック朴が敵陣を駆け上がる

 

 慶応志木が力勝負で鹿児島実を圧倒し、2回戦を突破した。埼玉県勢が3回戦に進出するのは99回大会の浦和以来、6大会ぶり。竹井監督は「素直にうれしい。悪い出来でもいけたっていうのは成長したのかな」と内容に注文を付けつつも、結果を成長の証しとした。
 ボールを持つと毎回のようにモールを作り、力で相手陣内に進出した。前半22分に勝ち越しトライを決めた李は「自分たちの武器でトライを取り切れた
のはうれしい」と笑顔。モール戦術の核となるFW陣の一人だからこそ、喜びもひとしおだった。
 しつこくモールを作り続けると、観客席からはどよめきが起きた。それは次第に「押せ! 押せ!」とコールに変わり、グラウンドの選手たちを後押し。慶応志木がボールを持つと、会場全体がモールを期待するよ
うな、特別な雰囲気となっていた。
 最後に勝敗を決定づけるトライを奪ったのは主将の浅野。後半26分にモールから抜け出してトライを決め、点差を広げた。浅野は「モールはFW陣がプライド持ってやっている。バックスも負けちゃいけない」と仲間から刺激を受けた。
 目標の年越しを達成し、次戦は過去7度優勝の東福岡とぶつかる。指揮官は「ビッグネームと真剣な場でできるのは財産になる」と、強豪との対戦を心待ちにした。

 

<昌平>

善戦も悲願届かず

 昌平は接点で勝る尾道に対して一進一退の攻防を繰り広げたが、終盤で粘れず敗戦を喫した。
 昌平は前半7分、同11分に続けてトライを奪われ、苦しい立ち上がりとなった。それでも、激しい守備から流れをつくると同28分のプロップ川端、後半3分のロック斉藤のトライなどで同点に追い付いた。しかし、その後4連続でトライを許し、突き放された。

昌平―尾道 前半27分、ロック斉藤が突破を図る

 

 初の年越しを目指した昌平は、一進一退の攻防の末に粘り負け。過去5度の出場全て2回戦で敗退しており、3回戦進出は悲願だった。船戸監督は「ペナルティーの数とか、細かいところ。戦えている部分はあった」と敗戦を悔やんだ。
 劣勢の展開でも、強いディフェンスから流れをつかんだ。負傷した宮元崇の代わりに急きょ出場した金子は「緊張もあったけど、出たからにはチームに貢献したかった」と相手のラインアウトからボールを奪い、反撃を呼び込んだ。
 後半3分に同点に追い付いたが、同8分に再び突き放された。踏ん張りどころだったが、司令塔の宮本が一時負傷退場。再びグラウンドに戻るまでの3分間で失点を許し、「そこから相手のムードになってしまった」と、宮本は不運に肩を落とした。
 昨年度のチームは3年生が多く、現チームは経験が浅いところからのスタートだった。それでも花園に出場し、強豪校と激戦を演じた。船戸監督は「ここまで成長できるんだと学ばせてもらった」と選手たちへの感謝を口にした。

 

【3回戦】

慶応志木準々決勝ならず

東福岡に14-69で敗退

 接点で圧倒された慶応志木が、東福岡に14―69で完敗した。密集では互角に渡り合ったが、陣地の取り合いでは後手に回った。
 慶応志木は、フィジカルを生かした相手のボールキャリーに手を焼き、0―45と大差で前半を終えた。後半17分にロック橋本、同35分にCTB浅野が立て続けにトライを奪い意地を見せたが、逆転には遠かった。

 

胸張る意地の2トライ

東福岡―慶応志木 後半17分、ロック橋本(右から3人目)が相手タックルを受けながら前進し、トライを決める

 

 大敗を喫したが、慶応志木の選手たちに涙はなかった。シード校を相手に、1年間磨き続けたモールで意地の2トライ。竹井監督は、「全力でぶつかって粉砕されて、いい経験になった」とすがすがしい表情だった。
 何度モールを崩されても再び形成し、地道に敵陣トライエリアに近づいた。0―69で迎えた後半17分。ラックから抜け出し、相手タックルを受けながらトライをねじ込んだ橋本は「モールをずっと練習してきてよかった。悔いはない」と胸を張った。
 相手のディフェンスが激しい中でも、非凡な推進力でボールを運んだのは浅野、大沢、川田らバックス陣。40年以上チームを見てきた指揮官が「今年はいいランナーがそろっている」と評価する選手たちは、この試合でも相手の脅威となった。
 竹井監督がモール戦術に活路を見いだしたのは約15年前。進学校ゆえに入学の壁が高く、入部する生徒は未経験者が多い。フィジカル負けや判断ミスを補うために取り入れた。体力の消耗が激しいが、「練習がものをいうのがモール」(橋本)と愚直に鍛え続けた。
 初出場ながら武器のモールを柱に2勝を挙げ、年越しを達成した。主将の浅野は「勝ってよかった花園じゃなくて、負けた悔しさを忘れずにいたい」と現状に満足せず、前に進むことを誓った。

 

チームの象徴 結果残す

CTB 浅野

前半17分、CTB浅野(右)が突破を図る

 

 主将の浅野がラストプレーでトライを決めた。後半35分、ボールを持ったままモールの最後尾につけると、FW陣が相手を押し込んだ隙にトライエリアに飛び込んだ。「これを取り切らずに帰るわけにはいかない」と誇りを示したプレーだった。
 1年生から司令塔として試合に出場し、最上級生になってからはグラウンドの内外でチームの象徴であり続けた。「自分一人の力ではここまで来ることはできなかった。たくさんの人の支えがあってのこのチーム」と周囲への感謝を口にした。

 

=埼玉新聞2025年12月28日付け1、7面、31日付け1、7面、2026年1月3日付け6面掲載=

 

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