全国高校総合体育大会(インターハイ)第7日は31日、福井県営陸上競技場などで行われ、陸上の女子走り高跳びは岡野弥幸(埼玉栄)が1㍍76で頂点に立った。女子800㍍は丹羽遥奈(昌平)が2分10秒25で5位に入り、男子800㍍では小瀬堅大(川口市立)が1分53秒28で8位入賞した。
女子走り高跳び決勝 1㍍76で初優勝した埼玉栄・岡野弥幸=福井県営陸上競技場
うれしさ4割 悔しさ6割
全国の強敵たちを相手に、高く華麗な跳躍が精彩を放った。女子走り高跳びは、岡野が自己記録タイの1㍍76で制し、前評判通りの実力を示した。岡野は「うれしさ4割、悔しさ6割かな」とはにかんだ。
6月18日の北関東陸上で1㍍76で優勝すると、本人も「全然、いけそう」と記録更新の手応えを感じていた。同27日に行われた日本選手権では、トップジャンパーたちに混じり1㍍73で3位の表彰台に上った。だが「逆に悔しい思いをした」と満足はしなかった。
1㍍80超えの期待が高まった全国高校総体の舞台。岡野は「無理をせず自分と相談して改善点を修正」と、この大会に懸ける思いを口にした。予選は1㍍67からスタートさせると、苦しむライバルたちをよそに、あっさりと1回でクリア。「調子が良かったので(1㍍)67からいった」。決勝へ向け視界が開けた。
しかし、迎えた決勝では珍しく1㍍70で2回失敗し、「何やっているのだろう」と反省した。精神を研ぎ澄ませた3回目でクリアすると、跳べば自己記録となる1㍍79で伊藤楓(東京)と一騎打ちに。先に3回失敗した岡野は「負けたと思って泣きじゃくっていた」。試技の失敗数を把握しておらず、負けを覚悟。伊藤も失敗すると、決勝での試技数が少ない岡野の優勝が決まった。
県勢では高橋美貴(武南)以来、同種目で19大会ぶり5人目の栄冠。だが、目指すところはまだ上にある。「(1㍍)80台を高校生のうちに跳びたい。上ばかり目指していたけど、焦らず階段を上る」。そのためにウエート強化も始めた。成果は9月の国体で実を結ぶか。本当の進化はまだこれからだ。
=埼玉新聞2021年8月1日付け7面掲載=
関連記事
サイト内の
埼玉栄高校の基本情報は→こちら
昌平高校の基本情報は→こちら
川口市立高校の基本情報は→こちら
カテゴリー
よく読まれている記事