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全国高校野球埼玉大会 3冠王者花咲徳栄 5年ぶり8度目V

5年ぶり8度目の優勝を決め、校歌を歌う花咲徳栄ナイン=28日、県営大宮

 

 第106回全国高校野球選手権埼玉大会は28日、県営大宮球場で決勝を行い、Aシード花咲徳栄がAシード昌平との延長十回タイブレークにもつれた一戦を11―9で制し、5年ぶり8度目の優勝と甲子園出場を決めた。花咲徳栄は今季の秋季、春季県大会も制しており、3冠を達成した。
 花咲徳栄は同点で迎えた延長十回タイブレークで、田端の三ゴロが敵失を誘う間に1点を追加し、さらに1死満塁で阿部が左中間に走者一掃の適時二塁打を放つなど一挙5得点。投げては2番手岡山が延長十回に3ランを打たれながら、3失点で耐えた。
 優勝した花咲徳栄は、全国高校野球選手権大会(8月7〜23日・甲子園)で7年ぶり2度目の深紅の大優勝旗を奪還しに行く。

 

執念の“完全制覇”

33年ぶり偉業達成

 外野席も埋め尽くした超満員の県営大宮球場で、約1万7千の観衆が見守る中、1991年以来33年ぶりの偉業が達成された。今季3冠で花咲徳栄が県内完全制覇。最後の打者を打ち取った瞬間、マウンドに歓喜の輪が生まれた。
 秋季大会、春季大会、夏の全国高校選手権埼玉大会の3季連続優勝は(代表が1県1校制になった1975年以降)、春日部共栄だけ。岩井監督は「本多さんに憧れて埼玉の高校野球の師匠は本多さんだと思っている。並ぶためには一回達成したいと思っていたので本当に良かった」と喜びをかみしめた。
 埼玉県の高校野球を代表する古豪上尾、熊谷商に川口工、大宮東…。名だたる名門が秋に勝ち、春に勝ち、何度も3冠を目指しながら、「夏」にはね返されてきた。だからこそ、偉業とされる価値ある栄冠となった。
 昨夏の決勝では浦和学院に2―7で敗れ、「あと一つのところで全部勝たないといけない、と選手たちに言ってきた」と岩井監督。昨夏の悔しさを経験した主将の生田目、主砲石塚、エース上原を中心に、勝ち切れるチームをつくり上げた。
 秋春王者として臨んだ今夏は、5回戦以降の4試合全てで3点差以内の接戦をものにし、何度も何度も挑戦者たちの追い上げを振り切った。決勝でも八回に同点とされたが、延長十回タイブレークで4人が一塁にヘッドスライディングして出塁するなど、打者9人のしぶとい攻撃に勝利への執念が表れた。
 この1年、誰よりも「勝ち」にこだわり続けた主将の生田目は「本当に苦しい戦いが続いたけれど、全員野球でやっていこうと言ってきた。みんなでつなげて本当によかった」と今季3度目のうれし涙が、あふれて止まらなかった。「いつまで泣いてるんだ」。大声で主将にげきを飛ばした指揮官の顔からは笑顔がこぼれた。次のうれし涙は甲子園にとっておく。

 

徳栄「より強く」王座奪還

 花咲徳栄は3番生田目、4番石塚が計7安打と気を吐き、延長タイブレークの末に3時間35分の熱戦を制した。
 花咲徳栄は6―6の十回無死一、二塁で横山、田端の三ゴロがそれぞれ敵失を誘って1点を勝ち越し。1死満塁から阿部が左中間へ走者一掃の3点二塁打を放つと、目黒の二ゴロも敵失が絡み、さらに1点を加えた。
 昌平は2―6の八回に山根
の右越え3ランなどで4点を奪い、十回も大槻の右越え3ランで追いすがったものの、十回の3失策が痛手となった。

花咲徳栄―昌平 5回表花咲徳栄2死満塁、石塚が左前に2点適時打を放つ。捕手白坂

 

速さに変革 攻撃進化

 「夏の徳栄」が戻ってきた。決勝初のタイブレークまでもつれた一戦で、追い求めてきた派手さはなくても貪欲に攻める野球の神髄をいかんなく発揮。5年ぶりの王座奪還を果たすとともに、今季県内17連勝で秋春夏の3冠を奪い、岩井監督は「選手たちが私を信じてくれて、最後まで自分たちの野球をやってくれたことに感謝」とナインの戦いぶりにうなった。
 八回に同点とされ迎えた延長十回タイブレーク。無死一、二塁で先頭横山が「絶対にチャンスをつくろうと思った」と1球目で三塁線に絶妙なセーフティーバント(記録は犠打と敵失)を決め全速力で一塁に飛び込んだ。続く田端も足で圧力をかけて敵失を誘い、優位にタイブレークを進めた。
 阿部の走者一掃の二塁打などでこの回4点を奪った後も、手を緩めない。チーム一の俊足目黒が二ゴロで敵失を誘う間に1点を追加。指揮官は「うちはつないでつないでいく野球をやると決めた。最後に(鍛えた)スピードが出た」と足で相手をかき乱す、打つだけではない強さを見せた。
 春からバットの規格が変わることを受け、「変革」をテーマに掲げた。「野球が変わる。より命中率を高めて低い打球を打ち、0コンマ1秒のところを内野安打にできるスピードに特化してきた」と指揮官。徳栄の野球を貫くため、握力や走力といった個々の能力に変革をもたらした。
 決勝までの全7試合で計74安打を放ち、決勝では延長十回に4人が一塁へのヘッドスライディングで出塁し、打者9人を送り出した。こだわってきた数秒のせめぎ合いが終盤の勝負どころで花開く。打線がつながり一挙5得点。チームが目指してきた野球が勝利を呼び込んだ。
 「まだまだですよ」。勝つ度に指揮官が険しい表情で口にする言葉。選手たちの可能性を信じ、期待を寄せてきた指揮官の一言はこの日、満面の笑みとともに選手たちへの賛辞として贈られた。

 

阿部 磨いた武器で殊勲打

延長10回表タイブレーク花咲徳栄1死満塁、左中間を破る走者一掃の二塁打を放った阿部が塁上で喜ぶ

 

 タイブレークの十回に敵失で1点を勝ち越し、なおも1死満塁で打席に入った9番阿部。準々決勝、準決勝は無安打で、決勝も3打数無安打と当たりがなかった。「絶対チャンスで回ってくる。先攻は取れるだけ取りたい。何としても自分で終わらない」。外角高めの直球を捉えた打球が左中間を破り、走者一掃の二塁打で甲子園への切符を手繰り寄せた。
 チーム内で「自分の意志がない、覇気がない」と指摘される温和な背番号5は「うれしさでガッツポーズが止まらなかった」と塁上で喜びを爆発させた。「一人一人の能力が高く、自分はついていく側だったが、このチームを選んで良かった」と汗を拭った。
 おとなしい性格の内に秘めた貪欲な姿勢で、春の大会を通して三塁手の定位置を勝ち取った。「ヒットのランプがともれば何でもいい。チームのためにできることをやってきた」と自分の武器を磨いた。
 小学5年の夏、第99回全国高校野球選手権で埼玉県勢として初めて深紅の大優勝旗を手にした花咲徳栄ナインの姿が目に焼き付いた。中学時代に所属した大田リトルシニア(東京)の沢田監督が花咲徳栄OBで、阿部の走力と守備力が「花咲の野球に合う」と太鼓判を押された。
 教え子の活躍を喜んだ同シニアの沢田監督は「送球、肩の強さは高校に入って抜群によくなった。一皮むけた」と声を弾ませた。息をのむタイブレークの中で、「チームが一つになった」と阿部。「自分と仲間を信じて全員野球で戦いたい」と、かつて夢見た舞台を見据えた。

 

4番 石塚 4安打4打点

○花咲徳栄 4番石塚が4安打4打点と打線をけん引した。昨年はあと1勝のところで甲子園を逃し、悔しさを知る石塚は「打とうとした気持ちが全面に出た結果。やり切って良かった」と笑顔を見せた。
 好機をものにしたのは一回。斎藤、生田目の安打などで1死二、三塁となった場面で打席に立った。初球のボール球を見極め、「攻めてきている」と感じ、2球目の直球を振り抜いた。打球は右中間に飛ぶ2点適時三塁打となり、チームを勢いづける先取点をもたらした。
 五回には2死満塁と絶好のチャンスで打順が回ってきた。「試合を決めてやる」と意気込んで振った打球は左前タイムリーとなった。敵失なども重なり、3点を追加した。右へ左へと打ち分け、「広角に打つ持ち味が発揮できた」と調子はよさそうだ。
 石塚には打席に立つ前のルーティンがある。控室の電気を消し、鏡の前で10回ほど素振りをする。昨年夏頃から行っているといい、「打つことに集中できる」と効果を実感している。
 試合には両親や昨年共に戦った卒業生なども駆け付けた。「応援が力になり、良い姿を見せることができた。甲子園では自分のバッティングでチームに勢いをつけたい」と4番は決意を固くした。

 

主将の生田目 攻守に躍動「甲子園でも」

3回表花咲徳栄2死、右越え本塁打を放った生田目が雄たけびを上げながらベースを回る

 

○花咲徳栄 主将の生田目が攻守でチームをけん引した。先制した直後の一回の守りで、中堅へのライナー性の打球に快足を飛ばしてダイビングキャッチ。守りでリズムをつくると、三回には「完璧な当たり。最高でした」と内角の直球を豪快にスタンドに運び、右の拳を突き上げてダイヤモンドを一周した。
 大会序盤は調子が上がらない中、大一番で猛打賞の活躍に「全員がつないで決勝まで来られた。主将として最後は力を出せて良かった」と満足げ。今大会準決勝までの6試合で3失点と好調な昌平の投手陣相手に11得点し「甲子園でも暴れたい」と活躍を誓った。

 

斎藤 握力強化 守備が成長

○花咲徳栄 守備で安定感抜群の二塁手斎藤が好守でチームを救った。延長タイブレークの十回1死一、三塁の場面、「意地でも捕ってやる」と懸命に伸ばしたグラブに難しい打球を収め、二直とした。ピンチでも、投手に声をかけ続け鼓舞するなど、チームの士気を切らさなかった。
 バットの規格が変わり、チームで握力強化のため、冬から綱引きなどのトレーニングに取り組んだ。「握力が上がって送球に伸びが生まれた」と守備にも好影響が出た。兄が甲子園出場者だという斎藤は「自分も同じように、大舞台で活躍したい」と早くも闘志を燃やした。

 

岡山 8回から登板「熱く冷静に」

○花咲徳栄 八回途中から登板した岡山が最後の打者を投ゴロに打ち取り、歓喜の輪の中心で雄たけびを上げた。
 昨秋、今春の関東大会ではいずれも準々決勝に先発し、大量失点を喫した敗戦の責任を背負い込んだ。「夏は自分が頑張らないと。心は熱く、頭は冷静に」と、勝負どころでチームを救った。
 5点リードをもらったタイブレークの十回は大槻、桜井に長打を許したものの、「気持ちは吹っ切れた。二塁手にも助けられた」と斎藤の好プレーに感謝。「甲子園でも似たような場面を締められる投球をしたい」と、りりしい表情をより一層引き締めた。

 

ナインのひと言

 ①上原堆我投手 自分が成長できた大会だった。守り勝つ野球で勝ち上がっていきたい。
 ②田端太貴捕手 昨夏、一歩及ばなかったのは精神面。投手中心に全国制覇を目指す。
 ③横山翔也一塁手 諦めなかった結果、優勝することができた。甲子園でも優勝を目指す。
 ④斎藤聖斗二塁手 甲子園では応援してくれる人へ感謝の気持ちを表し、プレーで見せたい。
 ⑤阿部航大三塁手 練習の成果が試合で出せてうれしい。全員野球で勝っていきたい。
 ⑥石塚裕惺遊撃手 やり切ってよかった。甲子園ではとにかく楽しんで、攻守で活躍したい。
 ⑦田島蓮夢左翼手 先輩方に感謝している。甲子園では自分が打って勝利に導きたい。
 ⑧生田目奏中堅手 貪欲に勝利に突き進んだ。甲子園では挑戦者として臨みたい。
 ⑨目黒亜門右翼手 緊迫した試合だった。目の前の試合に一生懸命、全員で取り組みたい。
 ⑩岡山稜投手 気持ちで抑えることができた。甲子園では自分の出番で無失点で締めたい。
 ⑪今井大地投手 優勝できてうれしくて本当によかった。チーム全員で日本一を取りに行く。
 ⑫奥村颯太捕手 投手が頑張り、投打がかみ合った。一戦必勝、一試合一試合を大切に戦う。
 ⑬大沢璃一内野手 結果が出てうれしい。チームが勝てるように準備段階で貢献できればと思う。
 ⑭森沢壮二塁手 夢がかないうれしい。甲子園は一戦必勝。一試合でも長く皆と野球をしたい。
 ⑮額川康一投手 いつでも投げられる準備をして、少しでもチームに貢献できるようにしたい。
 ⑯更科悠風遊撃手 勝ちたい思いを全員が強く持った。感謝を忘れず自分たちの野球で日本一へ。
 ⑰岩井福外野手 甲子園は憧れの場所。皆が役割を果たし、最後の景色にたどり着きたい。
 ⑱和久井大地投手 苦しい試合が多かったが、粘って勝てた。埼玉代表として、日本一を目指す。
 ⑲松田空外野手 一生懸命やってきたことが報われた。勝つことだけを考え全力でプレーする。
 ⑳青野隆太郎捕手 苦しい中、投手陣が踏ん張った。もう一度、自分たちが日本一になりたい。

 

 

昌平 新時代予感する足跡

8回裏昌平無死一、二塁、山根が右越え3ランを放つ。二塁走者畑田。捕手田端

 

想像超える打で猛追

 昨秋、今春の王者相手にタイブレーク突入と互角に渡り合った。3年ぶりにたどり着いた決勝で終盤に猛追を演じたが、今回も甲子園に手が届かなかった。4失策が全て失点につながり、ここ一番の守備力が明暗を分けた。岩崎監督は「余計な得点を与えてしまい、力の差がはっきりと表れた。ミスも実力のうち」と敗戦を受け入れた。
 2―6の八回、昌平の本領が形となって表れた。代打畑田の死球と大槻の左前打で無死一、二塁。ここで3番山根が豪快に右越え3ランを放った。「山根さんの本塁打を見て、力がみなぎった」と、今大会打率4割超えの4番の2年桜井が外側の直球に狙いを絞って振り抜き、右中間へ三塁打。続く渡辺の右犠飛で試合を一気に振り出しに戻した。この攻撃を岩崎監督は「想像以上の破壊力」と絶賛した。
 タイブレークの延長十回に重すぎる5失点。だがベンチに「諦め」の空気は一切なかった。その裏、先頭の大槻が起死回生の3ランを放つと、「今度は大槻さんの勢いを借りて」と、桜井が外のスライダーを芯で捉え、2打席連続の三塁打。さらに四球で好機を広げたが、後続が倒れた。
 準決勝までの6試合、チーム打率4割1分、7投手の防御率0・42。投打に盤石で勝ち上がり、花咲徳栄相手に雪辱を期したが、大一番で守備にほころびが出た。走者を背負った状況での後逸や悪送球など、数字に表れないミスも出てリズムを崩した。
 現チームは、3度花咲徳栄に屈したが、3期連続県準優勝と新時代到来の可能性を感じさせた。強力打線の主軸を担ってきた桜井は「大事なところでミスが出てしまった。一人一人の気持ちを鍛え、新チームでは必ず徳栄を倒す」と、先輩たちと共に戦った夏の経験を無駄にはしない。

 

山根 信頼得た打撃力

●昌平 3番山根の一振りでチームが息を吹き返した。2―6の八回、代打畑田の死球と大槻の左前打で築いた無死一、二塁の好機で打席に向かった。「仲間がつないでくれたチャンス。絶対に無駄にしたくなかった」と5球目の変化球を真芯で捉え、強烈な打球を右翼席に突き刺した。
 高校通算28号は、直後に同点劇を呼ぶ1本に。今大会は全7試合にフル出場して打率4割7分8厘。冬を越して6㌔増加した体重を生かして低反発バットの影響を感じなかった。「全試合で結果を出した。チームメートの信頼を得られたのではないか」と最後の夏の活躍に胸を張った。

 

古賀 流れ呼ぶ全力投球

●昌平 七回無死一、二塁のピンチでマウンド上の古賀は「長打を避けて低めに集め、ゴロを打たせよう」と強い思いで腕を振った。自らの好守もあり無失点で切り抜けると、八回に同点の流れを呼び込んだ。だが、延長タイブレーク十回の激戦の末に敗れ、「ミスのところで踏ん張れなかった」と肩を落とした。
 今大会層の厚い投手陣を支え「自分のやるべきことはやった」と話したが、「最後が心残り」と悔やんだ。

 

3番手として力投した昌平の古賀

 

2番・強打の大槻 ピンチに真価発揮

●昌平 大槻が放った本塁打を含む3安打は全て得点に絡んだ。三回にチーム初安打となる右前適時打を放つと、八回には左前安打で好機を広げ山根の本塁打につなげた。延長タイブレーク十回には初球の甘いスライダーを捉えて2点差に迫る3点本塁打を放った。4打点を挙げ「チームの勝ちにはつながらなかったが、いい結果かなと思います」と少しだけ笑みをのぞかせた。
 打力を買われて新チームがスタートした当初から2番で起用され、バントを使わない「攻撃的2番」として期待を受けてきた。チャンスを広げ、クリーンアップにつなぐためにライト前に低く強い打球を打つことを心がけてきた。
 特に本人が自信を持つのは「ピンチの時の打撃力」と話す。日頃から勝負どころの場面を想定して練習を行い、この日も延長タイブレーク十回に成果を発揮。「桜井、山根を生かすバッティングができた」と胸を張った。
 初の甲子園出場へあと一歩届かなかったが、後輩たちに「今よりもコンタクト力がつけば(強豪に)勝てるはず」とエールを送った。

 

渡辺 中軸として打線けん引

●昌平 1点ビハインドの八回、5番渡辺のバットから試合を振り出しに戻す同点打が生まれた。山根の3ラン、桜井の三塁打と連続の長打で無死三塁の好機。「流れは最高。何とか1点と思い、外野フライを狙った」と外角の直球を逆らわずに右飛として三塁走者桜井をかえした。
 今大会はチーム個人最多の12安打を放ち、中軸として強力打線をけん引した。「最後まで自分の仕事ができた。悔しいが、やり切った」とうなずいた。

 

 

大会を振り返って

33年ぶり3冠/歴史更新続々

 12日間の熱い戦いは、Aシードの花咲徳栄が埼玉大会で初となる決勝タイブレークを制し、1991年以来33年ぶりの秋春夏の県内3冠を達成し幕を閉じた。
 花咲徳栄を相手に、5回戦以降に対戦した滑川総合、西武台、山村学園、昌平がいずれも3点差以内の接戦を演じ、王者を追い詰めた。本多監督が夏最後の指揮を執った春日部共栄が、昨夏覇者の浦和学院に逆転勝利した準々決勝は、スタンドを埋め尽くすほどの観客が駆け付け、熱気に包まれた一戦となった。
 浦和麗明は今夏、2度歴史を塗り替え初の8強入り。開智未来は創部から8年目で初の夏1勝を手にした。45年ぶり16強進出の不動岡も快進撃を見せ、上尾橘・小川・桶川西の連合チームが2回戦でサヨナラ勝ちの奮闘も光った。今大会の1回戦から勝利チームの校歌斉唱が導入され、スタンドと一体となり喜びの歌声が球場に響き渡ったのも印象的な夏だった。

 

=埼玉新聞2024年7月29日付けラッピング紙面掲載=

 

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