深紅の大優勝旗再び
5年ぶり8度目出場
第106回全国高校野球選手権大会は7日、甲子園球場で開幕。5年ぶり8度目出場の花咲徳栄は第3日の9日、1回戦から登場し、第1試合(午前8時開始予定)で初出場の新潟産大付と対戦する。
Aシードとして臨んだ埼玉大会では、秋春県王者の意地を見せ、全7試合で一度もリードを許さずに勝利。決勝ではAシード昌平との延長十回タイブレークまでもつれた一戦を11-9でものにするなど、計74安打に26盗塁、43四死球を絡めたそつのない攻撃力が光った。
県勢として初の夏の全国頂点に立った2017年以来、7年ぶり2度目となる深紅の大優勝旗を再び埼玉の地に持ち帰るべく、花咲徳栄ナインが5年ぶりの聖地に乗り込む。
夏の頂点 照準合わせ
岩井隆監督
就任24年目の54歳。桐光学園高(神奈川)時代の恩師・稲垣人司前監督の下で9年間コーチを務めた。2000年に急逝した前監督の遺志を継いで01年から指揮を執り、同校を春5度、夏8度の全国大会に導くなど、強豪校へと押し上げた。
15年から19年までの夏の埼玉大会で史上初の5連覇を達成。17年の第99回全国高校野球選手権大会で初優勝し、埼玉に初めて深紅の大優勝旗を持ち帰った。今夏、5年ぶりの王者に返り咲き、県内で33年ぶりとなる秋春夏の3冠を成し遂げた。
強い打球を打つための握力と内野安打にするためのスピード、球際の強さでアウトを取れる守備力に重点を置き、追求してきた緻密な野球が大一番で花開いた。5回戦以降は全て3点差以内の接戦となったが、「例年より勝負強い子が多い。落ち着いて力を発揮できた」と一度もリードを許さず、勝ち切った。
「1点の取り方にこだわってやってきて、うちは細かい野球の仕方がうまい。目標は立てず一戦一戦やっていくだけ」。今季県内17連勝の勢いそのまま、再び全国の頂点に狙いを定める。
投手
個々に光る持ち味
課題だった投手力が整備されつつある。チーム防御率は2・62。最速148㌔のエース上原は26回?を投げ21奪三振。完投できる体力と、終盤まで球威の落ちない速球が持ち味だ。
鍵を握るのは精神面の成長が著しい右腕岡山。今夏は15回?を投げ、四死球はわずか3と制球力が安定し、ピンチの場面での起用にも応える。最速140㌔超えの本格派右腕和久井に、直球と変化球のコンビネーションで打ち取る左腕額川、今井が脇を固める総力戦でチームを勝利に導きたい。
攻撃
俊足巧打で勝機を
俊足巧打ぞろいの切れ目ない打線で、相手の立ち上がりを打ち崩す。チーム打率3割3分2厘の打力に、43四死球、26盗塁を絡めたそつのない攻撃スタイルが魅力。
出塁率の高い1番斎藤、50㍍走のタイム5秒8の2番目黒がチャンスメーカー。走攻守そろう3番生田目、12安打11打点の4番石塚が勝負強く打線をけん引する。ミート力の高い5番田島、打率4割の6番横山が上位打線が築いた好機をものにできるか。7番田端、9番阿部が出塁率を高めて役割を果たしたい。
守備
球際強く冷静な壁
7試合でスタメンの失策はわずか1。身長185㌢の田端が扇の要を務め、二塁送球タイム1秒86の強肩と、どんな時でも笑顔の強心臓で投手陣をリードする。遠投100㍍超えの左翼手田島、中堅手生田目、右翼手目黒の巧みな位置取りと、冷静な送球にも注目だ。
守備範囲の広い斎藤と、U―18(18歳以下)日本代表候補の石塚が鉄壁の二遊間コンビとして内野を固める。球際に強い一塁手横山、三塁手阿部は、一、三塁線上を抜けそうな強い打球を逃さないガッツが光りそうだ。
=埼玉新聞2024年8月7日付け7~9面掲載=
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