全国高校駅伝　埼玉栄　女子５位入賞

埼玉栄　女子　16年ぶり堂々入賞

埼玉栄　男子23位　持ち味潜め勢い乗れず

　男子第７６回、女子第３７回全国高校駅伝は２１日、京都市のたけびしスタジアム京都発着コースで実施され、３年連続２９度目出場の女子の埼玉栄が１時間８分８秒で５位となり、７位に入った２００９年以来、１６年ぶりの入賞を果たした。北関東枠（埼玉、茨城、栃木、群馬）で初出場の女子の春日部女は１時間１３分２２秒で４７位。９年連続４５度目出場の男子の埼玉栄は２時間５分４８秒で２３位だった。
　女子の埼玉栄は前半から流れを築いた。１区福山が冷静に先頭集団に付き、６位の好走。２区松浦も区間５位の力走で４位に順位を上げ、３区久保田、４区川上も粘り、アンカー永井が５位を守った。春日部女は１区中村が５０位と出遅れたが、アンカーの荒井が４７位に押し上げた。男子の埼玉栄は１区馬場が力走するも２０位スタート。２区根ケ山が一つ順位を上げたが、３区以降も２０位台が続き２３位でフィニッシュした。

目標達成　充実の快走

女子　２区松浦（左）から３区久保田にたすきが渡る

　女子の埼玉栄が５位の好走で１６年ぶりの入賞を果たした。目標としていた順位を達成し、選手たちは充実した表情を見せた。田村監督は「１区から出遅れずに流れに乗れた。入賞へ向けて何回もチャレンジしてきた」と好結果を残した選手たちを誇った。
　３年連続の１区福山が流れをつくった。序盤から先頭集団の右側に位置し、距離を刻んだ。上り坂でもペースを落とさず食らい付く。前回大会で転倒した福山は「左側を走ると段差があったり、走りにくい所がある」と大舞台での経験を生かした。
　福山は残り５００㍍付近で先頭を行く３人に離されたが、トップと１５秒差で２区松浦にたすきを渡した。好位置でたすきをもらった松浦も盤石のレース運びを見せる。「とにかく順位を上げたかった」と松浦は後続の追い上げを振り切った。
　強気に勝負したのは３区久保田だった。前回、前々回は足を疲労骨折し、今回が初めての都大路。留学生がひしめく３区で一つ順位を落としたものの、追い抜かれた仙台育英のミリアムに必死に食らい付いた。
　最初で最後の都大路を走り終えた久保田は「留学生に負けない走りをするために３年間つくり上げてきた力を発揮できた」と充実の表情を浮かべた。４区川上も好走し、アンカー永井は５位を示すように、左手の５本の指を高く、大きく広げてゴールした。
　１９９５～９７年に３連覇を達成するなど、全国に名をはせた強豪の誇りを感じさせるレースを展開した。４度目の栄冠を目指すため、今回の入賞に満足することなく、努力を重ねる。

前追う姿勢　最後まで

男子　５区藤沢（左）からたすきを受けて走り出す６区出口

　２年ぶりの入賞を狙った男子の埼玉栄は２３位に終わった。見せ場をつくれず、順位も前回の１５位から下げた。神山監督は「力を出し切れなかった。この先、この負けが意味のあるものであると考えられるように努力していきたい」と語った。
　１区馬場が２０位でスタート。最長区間の１０㌔を第２集団で走ったが、残り５㌔から踏ん張れず、持ち味の粘り強さは影を潜めた。馬場は「ラスト３㌔の下り坂でリズムを上げて１０位に入りたかった」とエースとして責任を感じていた。
　２区根ケ山が一つ順位を上げ１９位。３区柳本以降は２０位台で推移し、７区井上が２３位でフィニッシュした。主将の根ケ山は「チームの雰囲気が良くて、みんな引き締まっていた。入賞争いができると思っていた」と重い口を開いた。
　１１月の関東大会では４連覇を逃し１０位に。選手たちはこの悔しさを忘れず戦い抜いた。アンカーの井上は「１区から苦しい展開だった。入賞は遠かったが、全員が前を追う気持ちは忘れなかった」とたすきをつないだ仲間の思いを代弁した。

初都大路で47位　春日部女子高校

笑顔あふれる大舞台

　女子の春日部女は初挑戦となる都大路を４７位で駆け抜けた。走り終えた選手たちには笑顔があふれた。照沼監督は「３区市橋の走りが良く、アンカーの荒井が粘りの走りを見せてくれた」と念願の大舞台を楽しんだ選手たちをねぎらった。
　１区中村が先頭を懸命に追いかけた。５０位で２区大杉にたすきをつなぐと３区市橋が好走。５１位から順位を三つ上げて４区久下にたすきリレー。市橋は「１・５㌔付近でスピードを上げた。一人でも多く抜きたかった」とギアを上げた。
　最後は主将でアンカーの荒井が意地を見せた。荒井は「集団の中から残り３００㍍でスパートをかけた」と力を振り絞り、三つ順位を上げた。指揮官は「これで満足してほしくない。来年以降につなげてほしい」と今回の経験を糧とした選手たちの奮起を期待した。

＝埼玉新聞２０２５年１２月２２日付け１、７面掲載＝