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全国高校駅伝 埼玉栄 男子5位 女子15位

埼玉栄男子5位 終盤粘り連続入賞

 

 男子第74回、女子第35回全国高校駅伝は24日、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)発着コースで開催され、男女ともに埼玉栄が出場。7年連続43度目の男子は2時間3分55秒の5位で2年連続の入賞に輝いた。2年ぶり27度目の女子は1時間10分24秒で15位だった。
 男子は、1区松井が区間2位の走りで序盤から勢いを与え、2区井上が3位、3区佐藤が5位につけた。4区岸本と5区三井で順位をキープし、6区菅原からたすきを受けたアンカー島田が5位でゴールした。女子は、1年福山が最長の6㌔区間を15位でスタートすると、2区長浜が5人抜き、3区丹野が1人抜いて9位に浮上。4区成塚とアンカー柿沢で六つ順位を落として15位でフィニッシュした。

 

努力でつかんだ輝き

男子 1区2位の快走を見せた松井(右)から2区井上にたすきが渡る

 

 メンバー7人全員が県内出身者で構成された男子の埼玉栄は、クリスマスイブでにぎわう京都で5位に輝き、2年連続の入賞を果たした。連続入賞は第58、59回以来15年ぶりで、神山監督は「1年間の努力で戦える力を付けた。努力でつかんだもので、3年生は大したものです」と奮闘した選手たちをたたえた。
 今年11月に前任の徳田元監督が死去し、この日は埼玉栄の土台を築いた恩師への思いを胸に師走の京都を走った。1区松井が「区間賞に色気づかず、最低限の役割を果たしたかった」と謙虚に語りつつも、トップと6秒差の区間2位の走りで序盤から勢いをもたらす。
 2区井上から3位でたすきを受けた3区佐藤は、「突っ込み過ぎずに粘るようにした」と二つ順位を落としたものの、後続との差を広げた。その後は4区岸本と5区三井の2年生コンビで順位をキープ。6区菅原は「狙っていたわけではないけど、前との差が縮まっていた」と4位との差を9秒に詰め、アンカー島田が5位で帰ってきた。
 昨年は、後に大学1年生で第100回箱根駅伝にエントリーされる5人を擁するなど実力者ぞろいで4位。だが、今回は中学時代に全国大会優勝などの華々しい結果を残した選手は不在だった。それだけに選手たちは、周囲から「今年の埼玉栄は弱い」と言わせないために毎回、練習後には学年ごとにミーティングして反省し合うなど一日一日を無駄にせず努力を重ねた結果、2年連続の入賞を獲得した。
 主将の佐藤は「去年以上の結果を求めて今回入賞することができたから、来年は自分たちを超えるように頑張ってもらいたい」と後輩たちが栄冠に輝く日への期待を膨らませた。

 

流れ呼ぶ激走

1区・松井が区間2位

 昨年5区で区間賞に輝いた松井が、最長10㌔の1区で28分54秒の区間2位に入る快走を見せた。「(埼玉栄OBの)白鳥さん(駒大)の29分台を目標に、少しでも前との差を詰めよう考えた」とチームに流れを呼び込んだ。
 レースの序盤は10位台につけて相手の様子をうかがった。例年に比べてハイペースのレース展開に距離が進むにつれて先頭集団から脱落者が多く出る中、松井は食らい付いた。7㌔地点で3位、残り2㌔で2位につけ、残り1㌔で勝負に出た。「残り500㍍で仕掛けようと思ったけど感覚的にここだと思った」。先頭の折田(須磨学園)と一騎打ちを演じてたすきをつなげた。
 自身3度目の都大路で2度の入賞を経験し、「楽しんで走ることができてよかった」とほほ笑んだ。

 

女子15位 新たな伝統への継走

女子 2区長浜(右)からたすきを受け取り走り出す3区丹野

 

食らい付き半歩前進

 2年ぶりの京都に帰ってきた女子の埼玉栄は一時、9位に浮上するなど、粘り強さを発揮して15位に入った。指揮を執って2度目の全国となった田村監督は「(一時)1桁台で推移できたのは、(強豪校に)返り咲くために半歩ぐらい踏み出せた。しっかり準備したものを出してくれた」とたたえた。
 今メンバーは中学時代は実績のある選手たちではない。福山がサッカークラブ、長浜はテニス部など高校から本格的に陸上を始めた選手ばかりのオレンジ軍団が奮闘した。1区福山が「全国の強い人たちと走れる経験は楽しい」と上位集団に食らい付いて15位。2区長浜は「前を見たら抜ける自信があった」と5人抜きを披露。3区丹野で9位に浮上したものの、4区成塚は「上りでペースを上げることができなかった」と二つ順位を落とした。アンカー柿沢が「記録会とかと違って全国ならではの雰囲気があった」と15位で完走した。
 前回の25位を上回ることができた要因は、チーム内の競争力。2020年に田村監督が就任してから、体重の数値ではなく筋力量にこだわる体づくりなど、伝統を受け継ぎつつ、新たな要素を取り入れた。おのずと選手たちは力を付け、3000㍍9分台が12人にそろい、県予選、関東大会、都大路のいずれの大会もメンバー編成を固定せずに戦うことができた。
 「頑張ったねで終わらないようにしたい」と田村監督。都大路出場が目標ではなく、全国上位で戦えるように成長の歩みを止めない。

 

「仲間のために」区間9位の走り

3区・丹野

 自身2度目の都大路で3年丹野は3区で区間9位の走りを見せた。「県で走った5人のおかげで走ることができた。仲間のためにも頑張りたかった」とほほ笑んだ。
 1年時に2区を任され区間22位。その後は、個人種目でも結果が出ず、今年5月には右脚を疲労骨折。11月の県予選に出場することができなかった。だが、治療期間が自分を見つめる機会となり、「陸上をやめたいと思っていた時もあったけど、気持ちを切り替えることができた」と今大会の好走につながった。

 

=埼玉新聞2023年12月25日付け1、7面掲載=

 

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