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全国高校駅伝県予選 埼玉栄が男女連覇

埼玉栄 男女で盤石V

 全国高校駅伝県予選(埼玉新聞社など後援)は4日、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場および同公園内で行われ、埼玉栄が男女で栄冠に輝いた。
 第76回の男子(7区間=42・195㌔)は66校(1校棄権)が参加し、埼玉栄が2時間7分1秒で9年連続44度目の頂点に立った。第37回の女子(5区間=21・0975㌔)には41校(1校棄権)が出場し、埼玉栄が1時間8分28秒で3年連続28度目の優勝を飾った。
 男女ともに優勝した埼玉栄が全国高校駅伝(12月21日・京都)の出場権を獲得。上位6校が北関東4県(埼玉、群馬、栃木、茨城)の優勝校を除く最上位校に全国高校駅伝出場権が与えられる関東高校駅伝(11月22日・熊谷)に出場する。

 

女子評

女子で3年連続28度目の栄冠に輝いた埼玉栄のアンカー松浦=4日、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場

 

 埼玉栄が全区間で区間賞を獲得する安定した走りを見せて圧勝した。
 埼玉栄は1区福山が区間新の19分13秒で後続を離した。2区久保田は前回大会の同区間の自己記録を17秒上回る快走。3区永井、4区川上がリードを広げ、最終5区の松浦が1時間8分28秒でゴールテープを切った。本庄東は序盤に流れをつかみ2位。下級生中心の春日部女が3位だった。

 

28年ぶりの快走劇

女子 埼玉栄の1区福山(左)から2区久保田へたすきが渡る

 

 女子の埼玉栄は2位に6分5秒の大差をつけて3連覇を達成。1時間8分台をマークしたのは第9回大会の埼玉栄以来、28年ぶりの快走劇だった。田村監督は「1、2区で差を広げてくれた。思った以上の走りだった」と選手たちをたたえた。
 1区のエース福山が圧巻の走りを見せた。スタート直後のトラック区間(1㌔)で一気に飛び出した。「区間新記録を狙っていた。風がなければ記録を出せる」と他をまったく寄せ付けず、1分半近くの差をつけた。
 福山と同様に3年連続での出走となった2区久保田は「オーバーペースだったが、1㌔を過ぎてから落ち着いた」と高い修正力で首位をキープ。力強い走りで2位との差を2分半余りに広げ、初出場となる後続の選手の背中を押した。
 3区永井、4区川上も安定感ある走りでリードをキープ。最後はアンカー松浦が「2時間8分台をマークするため、最後のトラックで1秒でも早く走りたかった。成長した姿をみんなに見せられた」と笑顔でゴールテープを切った。
 昨年の全国大会は10位。選手たちは雪辱に燃えている。今回は単独走の時間が長くなったが、田村監督は「全国では競り合いになる」と選手たちに求めるのはレベルアップ。都大路5位以内という目標へ向けて、勢いを加速させる。

 

2位 本庄東

結束力を強め雪辱

女子 2位に入った本庄東の1区内山(手前)が区間2位の好走でレースをつくる

 

 8位に終わった去年の雪辱に燃えていた本庄東が熾烈(しれつ)な2位争いを制した。2位以上に入るのは、優勝した第28回大会以来9年ぶり。日下部監督は「もともと力のある子たち。本来はもっとできる」とさらなる高みを見据えた。
 1区内山が実力を発揮する。スタートからライバル校が大きく逃げる展開に「埼玉栄が前に出ることは分かっていた。2位争いに勝とう」と冷静に対応。7月の高校総体、10月の国民スポーツ大会の5000㍍競歩で準優勝した持久力を生かし、2位でたすきをつないだ。
 1年生のアンカー新井が快走。前を行く2人が見える距離の4位でたすきを受け取ると、2・5㌔の中間点で2位に浮上。スパートをかけを差を広げ、3位と12秒差でフィニッシュ。若い力でチームに貢献し、「楽しく軽快に走れた」と声を弾ませた。
 去年は上位6校に入れず11大会連続の関東出場が途絶えたが、悔しい経験はチームの結束力を強めた。2区を走った主将の元井は「絶対に都大路の切符を勝ち取る」と関東大会を見据えた。

 

3位 春日部女

笑顔絶やさず関東切符獲得

 最後まで笑顔を絶やさなかった春日部女が3位で2年連続の関東切符をつかんだ。3年生は5区荒井のみと下級生中心のチーム。照沼監督は「一からつくり、昨年以上のチームがつくれた。県立高校の意地を見せられた」とうなずいた。
 目標は〝日本一仲がいいチーム〟。1区大杉が3位で流れをつくると、メンバー内外を問わずに最後まで声をかけ合った。ゴールすると涙を浮かべながら熱く抱擁。荒井は「応援を力にして、みんなでたすきをつなげた」と達成感をにじませた。

 

 

男子評

男子で9年連続44度目の頂点に立った埼玉栄のアンカー藤沢

 

 2区でトップに立った埼玉栄が5区間で区間賞を獲得して逃げ切った。
 埼玉栄は4位でたすきを受けた2区根ケ山が区間賞の快走で2位に9秒差をつけた。3区以降は大谷、柳本、水越、利根川が5区間連続区間賞と圧倒。最後はアンカー藤沢が2時間7分1秒でゴールした。3年生が引っ張った花咲徳栄が2位。最終7区で追い上げた武蔵越生が3位に入った。

 

チーム力で9連覇

男子 埼玉栄の2区根ケ山(左)から3区大谷にたすきが渡る

 

 男子の埼玉栄は1区の出遅れを2区根ケ山がすぐさま挽回、高いチーム力で9連覇を達成した。神山監督は「選手たちが努力を積み上げた結果が出た」と、2区で握った主導権を手放さなかったレースを振り返った。
 1区は持久力とスピードを備える2年生の馬場。4位で走り終えると「最後は各校の選手がギアを上げ、スピードについていけなかった」と悔しさをにじませた。だが、粘りの走りでトップと7秒差でたすきを渡し、流れをつくった。
 前を追える位置で走り出した根ケ山は1㌔付近で首位に立った。7月の全国高校総体では800、1500㍍で出場しスピードが最大の武器。2区(3㌔)で自身の強みを発揮し「4位でたすきをもらっても焦りはなかった」と自信に満ちあふれた走りだった。6区まで5人連続区間賞の走りで、リードを広げた。
 今回の登録メンバーと出走順は主将の根ケ山を中心に選手間で決めた。神山監督は「試合に勝つために主体性を持ってもらいたかった。不安もあったが私が考える布陣でレースに臨んでくれた」と結束力を強調した。
 昨年の都大路は15位で3年連続の入賞を逃した。指揮官は「全国大会まであと1カ月半。どこまで成長できるかが鍵。新たにスタートラインに立った」と実りのある都大路にするために気を引き締めた。

 

2位 花咲徳栄

新布陣 粘りの走り

男子 準優勝した花咲徳栄の3区吉田(中央)が2位集団を率いる。左は春日部の吉岡、右は東農大三の川辺

 

 5人の3年生を中心に勝負強く走った花咲徳栄が2位に入った。7人中6人が初駅伝のフレッシュなメンバー構成で戦った。西又監督は「練習通りに、上出来だった。プレッシャーを感じず伸び伸びと走ってくれた」と選手たちをたたえた。
 序盤から三つどもえの2位争いとなった。1区栗林が2位でたすきを渡すと2区中塚、3区吉田は春日部、東農大三と3校の集団を形成。一歩も譲らない展開が続く中、4区金子が「下り坂で勢いが付いて一気に離した」と単独2位に浮上した。
 アンカーの曽我は冷静なレース運びで後続の追い上げを振り切った。残り2㌔地点で武蔵越生・原にかわされたが、「持久力勝負では勝てない。ラストスパートで勝負する」と後ろをピタリと追走。最後のトラックで捉えると、スパートをかけた。
 今秋はチーム初となる取り組みを実施した。起伏の激しい栃木県内の自動車サーキット場で2度の練習を行い、ロードレースの耐性をつけた。3区吉田は「いいトレーニング効果が得られた。粘りの走りにつながった」と成果を結果に示した。

 

3位 武蔵越生

ペース乱さず上位食い込む
 男子の武蔵越生は安定したレース運びで3位に入った。1区で7位につけると、その後一度も順位を落とさず上位に食い込んだ。丸山監督は「埼玉栄ともっと近いところで勝負したかった」と県制覇を目指すチームのプライドを示した。
 アンカーの原が底力を見せた。5位でたすきを受け取ると、序盤からスピードに乗り、残り3㌔で一時2位に浮上。その後追われる展開になっても「気持ちは一番強い。3年生としての意地がある」とペースを乱さず3位を守った。

 

=埼玉新聞2025年11月5日付け1、7面掲載=

 

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