熊谷市選挙管理委員会による選挙啓発出前講座が、同市広瀬の県立熊谷商業高校で開かれ、教諭を市長選候補者に見立てた模擬投票が行われた。
模擬選挙に立候補し、ポスターの前に立つ3人の教諭
講座は、選挙権を持つようになる18歳を前にした同校の2年生を対象に実施。生徒187人が2時間にわたり受講した。まず初めに同市選管職員の田中則寛さん(45)が、選挙の意義や制度、投票率の推移、経費などを説明。その後、実際に3人の教諭が架空の「熊谷市(くまたにし)市長選」に立候補したと想定し、模擬投票を行った。
候補者に扮(ふん)した教諭らは、立会演説会でそれぞれの政策を主張。学年主任の梅澤誠さん(57)は、「全国一の情報都市を目指し、一家に1台タブレットを配布。DXを促進していくことを公約します」と訴えた。水野啓介さん(34)は、「スポーツには世界を一つにする力がある。熊谷市を世界のスポーツ都市にする」と宣言。防衛大学出身で数学教師の塚越直樹さん(31)は、「異色の経歴を持つ自分だからできること、ITによる暑さ対策で変革を起こす。自衛隊訓練を導入し精神を鍛える」と主張し、生徒らは大いに受けていた。
当日はまた、ワープロ部が制作した候補者ポスターも張り出した。投票は実際の設備や投票用紙を使い実施。開票作業も本格的で、生徒10人の選挙管理委員が開票を行った結果、水野さんが選ばれた。
生徒会副会長でワープロ部に所属し選挙ポスターを作った後藤穂乃華さん(17)は、「たかが一票と思わず、生活向上のためにしっかり選挙に行きたい」。来月18歳になる服部さくらさんは、「祖父母が毎回選挙に行っている姿を見て、自分も投票に行こうという意識が強くなった」と話していた。
開票作業をする選挙管理委員の生徒ら
=埼玉新聞2024年3月27日付け13面掲載=
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