交流サイト(SNS)などで「短時間で高収入」と甘い言葉で勧誘し、詐欺や強盗に加担させる「闇バイト」。SNSで簡単に応募できてしまうことから、中高生らが加担するケースも増加している。バイトの応募が増える冬休みを前に、求人サイト「バイトル」を運営するディップ(東京都港区)と杉戸署は18日、闇バイトの危険性や見極め方を伝えようと、県立杉戸農業高校(杉戸町)で出張授業を行った。
ディップの堤花野さん(中央左)らが出張授業で、高校生に闇バイトの危険性を伝えた=18日午前、杉戸町堤根の県立杉戸農業高校
ディップは、高校生に向けて働くことの意義や正しいバイトの見極め方を教える「高校生アルバイト応援プロジェクト」を全国で行っている。この日の授業では、全校生徒約650人に向けて、スライドを用いながら闇バイトの具体例を上げた。
ディップの調査によると、闇バイトの求人を見たり勧誘された経験がある高校生は約4割。応募手段の多くはSNSで、SNSで闇バイトなどに巻き込まれる可能性があることを知っている高校生は約44%と半数にも満たなかった。闇バイトの見極め方をクイズで紹介し、「掲載元が不明確」「給料が異常に高い」「連絡方法がSNS」などの求人は疑うように訴えた。
杉戸署も闇バイトは「犯罪」と訴えて危険性について説明。万が一関わりそうになったときには、警察へ相談するように呼びかけた。
ディップの堤花野さんは授業を終え、「高校生はまだアルバイト経験のない人も多く、闇バイトを見極められない人もいる。正しい知識を身に付けて危機管理能力を高めてもらいたい」と話した。
授業を受けた同校1年の新井花梨さん(16)は「闇バイトを誘う言葉で、犯罪だと分からない言葉もあった。求人は細かいところまで注意したい」。2年の日高楓さん(17)は「身近に使っているSNSでも闇バイトが行われている現状を知って怖くなった。怪しいと思ったら家族や警察に相談したい」と語った。
事件多発 中学生逮捕も
県内外で相次ぐ匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)による犯罪。闇バイトは特殊詐欺事件や強盗事件など多岐にわたり、中学生が県警に逮捕される事件も起きている。
県内では8~10月にかけて、さいたま市西区や所沢市で住宅強盗事件など、トクリュウによる凶悪事件が4件発生。これまでに実行役やリクルーター、資金管理役など10~40代の男女19人が逮捕されており、ほとんどが闇バイトだった。一方、特殊詐欺事件では、受け子として犯行に関与したとして中学生が逮捕された事例もあり、闇バイトによる犯罪が深刻化している。
各方面で対策が講じられつつある。政府は交流サイト(SNS)の事業者に対して違法な求人情報の削除など要請。X(旧ツイッター)では「闇バイト」と検索すると、注意喚起が表示されるようになった。警察庁は来年早期にも捜査員が架空の身分証を使って犯行グループに接触する「仮装身分捜査」を導入するとしており、官民一体で闇バイトの撲滅を目指している。
=埼玉新聞2024年12月19日付け15面掲載=
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理想・誠実・勤労を校風とし、今年度創立103周年を迎えました。農業学校の伝統を受け継ぎ、卒業生は2万人を超え各界で活躍しています。「人間性豊かな心身ともにたくましい産業人を育てる」を教育目標に、時代の要望に応えられる実践的な教育に取り組んでいます。6つの専門学科(生物生産技術・園芸・造園・食品流通・生物生産工学・生活技術)があり、積極的な教育活動の実践の積み重ねにより地域からも「いのちとみどりを育む学校」として親しまれています。
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