【第1日】
女子やり投げ 須永(桶川)県新で初優勝
女子5000㍍競歩 内山(本庄東)大会新V
(13日・カンセキスタジアムとちぎほか)
埼玉、群馬、栃木、茨城の4県が参加して開幕。男女計8種目の決勝などを行い、県勢は3種目で優勝した。
女子はやり投げの須永莉子(桶川)が49㍍98で県高校新をマークし、初優勝。5000㍍競歩は内山由菜(本庄東)が23分16秒38で大会記録を更新して初制覇した。男子は走り幅跳びの猪狩悠人(立教新座)が7㍍34で初の栄冠に輝いた。
各種目の上位6位(女子棒高跳び、三段跳び、ハンマー投げは4位、男子競歩は5位、男女混成種目は3位までと4~6位の全国記録上位5位)までが全国高校総体(7月25~29日・広島)に出場する。
強肩再び 目標達成
女子やり投げ決勝 49㍍98の県高校新記録で初優勝した桶川の須永莉子
女子やり投げは、49㍍98の県高校記録をマークした桶川の須永が初優勝した。「昨年7位で悔しい思いをした。優勝という目標が達成できて素直にうれしい」と満面の笑みを浮かべた。
1投目から3投目までは納得のいく記録が出なかった。それでも、自慢の強肩は、北関東の舞台でも健在だった。4投目に5月の県総体で記録した48㍍66を更新し、新しい領域に踏み込んだ。「県記録更新が本当にうれしい。けれど、50㍍は投げたかった」と喜ぶ一方で悔しさも口にした。
リリースするまでの助走とダイナミックなフォームを特長とする。「県総体から1カ月だけど、特別に意識した練習はしていない」と日頃の練習の成果を強調。冬場の筋力トレーニングで着実に力をつけ、全国レベルの選手に成長した。
昨年はインターハイに出場できなかった。「1投目から安定した記録を出して、勝負強く投げたい」と大舞台へ向け成長を掲げる。今回わずか2㌢届かなかったが、50㍍越えを記録すれば、全国の頂点は射程圏だ。
「通過点」も満面の笑み
女子5000㍍競歩決勝 23分16秒38で大会新をマークし、初制覇した本庄東の内山由菜
女子5000㍍競歩は本庄東の内山が23分16秒38の大会新で初の頂点に立った。レース後には「優勝は通過点」と開口一番に一言。それでも、昨年は2位だったこともあり、悔しさを晴らして満面の笑みを見せた。
レースでは歩く姿勢を意識した。左足のかかとが高く上がる癖があり、浮いているように見えるフォームを練習で修正し今大会に臨んだ。1年時の冬には膝の痛みや足首のけがで、練習ができない日々もあり、苦しい時期も経験した。
好結果にも、後半は苦しいレース展開となり「ラスト2000㍍はタイムが落ちてしまった」と反省も口に。インターハイは2度目の挑戦になる。「予選を確実に通過して、決勝では22分台を出したい」と目標をしっかり定めて意気込んだ。
男子走り幅跳び 狩野(立教新座)初栄冠
悔しさ晴らす跳躍
男子走り幅跳び決勝 7㍍34で初優勝した立教新座の猪狩悠人
男子走り幅跳びは立教新座の猪狩が7㍍34で初めて制した。2位の早大本庄の佐藤に2㌢差で勝利し、「去年は1㌢差で2位だった。悔しい思いをした」。1年前の北関東大会でマークした自己ベストを更新する大きな跳躍を見せた。
昨年は腰と左足首を疲労骨折したが、冬場のウエートトレーニングで筋力を補い、県総体は万全の態勢で競技に臨んだ。「7㍍60は跳びたい。インターハイは最低でも3位に入りたい」。控えめだが、伸びしろは十分で飛躍の夏を迎えるつもりだ。
複雑な心境の準V
女子ハンマー投げ・米川
女子ハンマー投げは西武台の米川が最終6投目に大会新の48㍍86をマークしたが、惜しくも準優勝に終わった。「負けたことは悔しい。同じ高校の先輩が保持していた記録を更新したことはうれしい」と複雑な心境を語った。16日の最終日には砲丸投げに出場し頂点を狙う。「砲丸でインターハイ優勝が一番の目標」と気持ちを切り替えて北関東3連覇に挑む。
出場権得る走り
男子400㍍で3位の渡辺幸輝(春日部)
予選であまり良いタイムが出なかったので、確実にインターハイの出場権を得るための走りをした。今後は47秒台中盤のタイムを目指す。レベルが高くなるので自分が引っ張るレースをしたい。
【第2日】
男子5000㍍ 馬場(埼玉栄)大会新で初V
女子100 田中(伊奈学園)が初優勝
(14日・カンセキスタジアムとちぎほか)
男女計13種目の決勝などを行い、県勢は6種目で頂点に立った。
男子は5000㍍で埼玉栄の馬場柚が14分12秒05の大会新で初の栄冠に輝いた。砲丸投げは西武台の庄子高栄が15㍍70で初優勝した。八種競技は5169点で早大本庄の竹島龍児が初制覇した。
女子は棒高跳びで大宮東の渡辺紗莱が4㍍00の県高校新をマークし、2連覇を飾った。100㍍は伊奈学園の田中里歩が11秒82で初優勝。400㍍リレーは伊奈学園(高橋、田中、遠山、新井)が46秒01で優勝した。田中は2冠を達成した。
各種目の上位6位(女子棒高跳び、三段跳び、ハンマー投げは4位、男子競歩は5位、男女混成種目は3位までと4~6位の全国記録上位5位)までが全国高校総体(7月25~29日・広島)に出場する。
終盤勝負 粘りを発揮
男子5000㍍決勝 14分12秒05の大会新で初優勝した埼玉栄の馬場柚
男子5000㍍は埼玉栄の馬場柚が大会記録を樹立する14分12秒05で初めて頂点に立った。馬場を含めて5人が大会新をマークした大混戦を制し「自己ベストを3秒以上縮めることができた」と喜びをかみしめた。
序盤から3000㍍まで5、6番手につけ、周囲の様子を見ながら走った。その後は3番手につけて追い込みの機会をうかがいながら体力を温存した。終盤に勝負をかけると残り150㍍で全力を振り絞り、ゴール間近で最後に粘り強さを発揮した。
今年1月には全国都道府県駅伝に出場し、埼玉県代表として1区を走り好走した。社会人に交じって走ったレースで自信をつけたことが、今回の快走につながった。これまでトラック種目に自信が持てなかったが、北関東の舞台で苦手意識を克服した。
インターハイは初めての出場になる。「14分10秒は切りたい。またベスト記録を更新したい」と向上心をのぞかせた。ハイレベルな全国大会へ向け、さらなる努力と活躍を誓った。
優勝候補 肩の荷下ろす
女子100㍍決勝 11秒82で初優勝した伊奈学園の田中里歩
女子100㍍は伊奈学園の田中里歩が11秒82で初制覇した。周囲から「優勝候補」といわれる重圧の中、「優勝できると信じていた。ひと安心した」と肩の荷を下ろした。
タイムについては納得がいかず「自己ベストの11秒52を更新したかった」と悔しさをにじませた。5月の県総体を終えて、小刻みにスライドする2次加速の強化に取り組んだ。
内容は悪くなかったが「少しエネルギーを使い過ぎた走り方をしている」と分析。昨年の北関東大会は3位で優勝に届かなかったが、1年間で自己評価ができる走りを身に付けた。日本高校記録の11秒43を更新するため飛躍を期す。
女子棒高跳び 渡辺(大宮東)県高校新
自信の4㍍で連覇
女子棒高跳び決勝 4㍍00で県高校新をマークし、2連覇した大宮東の渡辺紗莱
女子棒高跳びは大宮東の渡辺紗莱が5月の県総体で記録した自己ベストを5㌢更新する県高校新となる4㍍00を跳び、2連覇を飾った。
「初めから4㍍は跳ぶつもりだった」と堂々と語った。県総体と同じくパスを続けて3㍍60から挑戦。1回で成功し、3㍍80も難なくクリア。4㍍00の跳躍は2回失敗したが3回目で成功した。「助走も良かったし、跳べると思った」と自信に満ちていた。
さらに日本高校記録を1㌢上回る4㍍17に挑戦したが失敗に終わると「やっぱり高かった」と偉大な記録を目の当たりにした。これからも記録にこだわり、挑戦を続けていく。
盤石のバトンパス
女子400R優勝・伊奈学園
女子400㍍リレーは46秒01で伊奈学園が優勝した。盤石のバトンパスで終始トップを譲らなかった。1走高橋が「気を緩めず、優勝を目指してバトンをつないだ」と好走。同100㍍も制し2冠を達成した2走の田中、3走の遠山も落ち着いた走りでアンカーの新井にバトンをつないだ。新井は「バトンパスはまだ精度を上げられるはず。もっと練習したい」と次の大舞台へさらなる成長を誓った。
6投目に逆転 男子砲丸投げV
西武台・庄子
男子砲丸投げは西武台の庄子が15㍍70で初優勝した。6投目での逆転に「自己ベストが更新できて良かった」と笑み。1投目に15㍍09、2投目に15㍍17を投げ、順調な投てきを見せたが3投目から5投目でも記録が出せなかった。それでも、追い込まれてから意地の一投を発揮した。今後は「17㍍を投げたい」と目標を定め、インターハイを迎える。
IH出場できる
男子八種競技で優勝の竹島龍児(早大本庄)
目指していたインターハイに初めて出場することができる。大きなミスなく競技を終えることができた。投てき種目には自信があるので、筋力を強化し100㍍など短距離種目を伸ばしたい。
【第3日】
男子走り高跳び 桑名(本庄第一)が初優勝
男子200㍍ 野田(川口市立) 男子800㍍根ケ山(埼玉栄)V
(15日・カンセキスタジアムとちぎほか)
男女計9種目の決勝などを行い、県勢は4種目で頂点に立った。
男子は走り高跳びで本庄第一の桑名樹が2㍍03で初優勝した。200㍍は川口市立の野田七星が21秒33で初の栄冠に輝いた。800㍍は1分52秒33で埼玉栄の根ケ山蓮が初制覇。ハンマー投げは川口工の大谷内陵が60㍍26で初優勝を飾った。5000㍍競歩は上尾の深沢翔梧が22分33秒65で2位だった。
女子は800㍍で昌平の山岡陽依が2分11秒88で2位。200㍍では伊奈学園の田中里歩が24秒74で2位だった。
各種目の上位6位(女子棒高跳び、三段跳び、ハンマー投げは4位、男子競歩は5位、男女混成種目は3位までと4~6位の全国記録上位5位)までが全国高校総体(7月25~29日・広島)に出場する。
自己新逃すも充実感
男子走り高跳び決勝 2㍍03で初優勝した本庄第一の桑名樹
男子走り高跳びは本庄第一の桑名が2㍍03で初優勝した。4月の県総体北部予選でマークした自己ベスト2㍍06の更新はかなわずも「気を引き締めて、うまく跳ぶ感覚がつかめ、最後までやりきった」と充実感をにじませた。
2度パスして1㍍94から挑戦した。順調に跳躍を続け2㍍00を成功して優勝を確定させると、自己ベスト更新をかけて2㍍07に挑んだ。スタンドに拍手を求め自らを鼓舞。3度の跳躍は失敗に終わったが「良い流れで挑戦できた」と語った。
高校1年の4月まで腰のけがの影響で十分な練習ができす、昨年の県総体で北関東大会出場を逃した。身長は191㌢。助走時の大きな一歩が特長。さらなる高みを目指し「助走のスピードを上げたい」と力を込めた。
2位の佐々木は同じ学校の1年後輩。3位で本庄東の東は深谷花園中時代に陸上部に所属していた時の先輩だ。佐々木は「中学時代から競ってきた」と先輩を慕い、東は「一緒にインターハイに行ける」と全国の舞台で再び3人でしのぎを削る。
男子走り高跳びで桑名樹(本庄第一)が2㍍03で初優勝。2位に佐々木祐太(同)、3位には東壮哉(本庄東)が続き県勢が表彰台を独占した
自己新連発の快走
男子200㍍決勝 21秒33で初の頂点に立った川口市立の野田七星(中央)
男子200㍍は川口市立の野田七星が21秒33で初の頂点に立った。21秒60だった自己ベストを、予選で21秒52をマークし更新。さらに決勝でも快走して記録を伸ばし「インターハイ出場が決まり、本当にうれしい」と振り返った。
13日には走り幅跳び決勝に出場した二刀流。結果は18位と振るわなかった悔しさを力に変えた。200㍍決勝ではスタートしてからカーブを力まずに走った。残り100㍍を全力で駆け抜け「前半に力む課題を改善できた」と好記録につなげた。
課題の一つとして、スタート直後に横のレーンを走る選手を気にする傾向がある。最初で最後のインターハイを迎える前に克服が必要と自覚する。「目標は20秒台を出すこと。入賞を目指す」と明確な目標を定めた。
後半にスパート 持ち味を発揮
男子800㍍決勝 1分52秒33で初制覇した埼玉栄の根ケ山蓮(中央手前)
男子800㍍は埼玉栄の根ケ山が1分52秒33で初制覇した。これまでの自己ベスト1分52秒35をわずかに更新。序盤は集団の後方につき、後半にスパートする強みを体現した。「中学時代は400㍍も走っていた」と持ち前の加速力を発揮した。優勝を狙った13日の1500㍍で4位に終わり、14日の5000㍍で同校の馬場が優勝したことで、自身を奮起させた。
自信につながる
男子ハンマー投げで初優勝の大谷内陵(川口工)
自己ベストの57㍍70を更新して、5投目で60㍍26を投げることができた。6投目も60㍍08を記録して自信につながる。投げる際の回転が安定してきた。今後は62㍍を投げたい。
【最終日】
女子七種競技 山形(国際学院)が初優勝
女子1600R 伊奈学園、男子円盤投げ 板山(西武台)V
(16日・カンセキスタジアムとちぎほか)
男女計11種目の決勝などを行い、県勢は4種目で栄冠に輝いた。
女子は七種競技で国際学院の山形美由紀が4717点で初優勝。砲丸投げは西武台の米川佳里奈が13㍍51で頂点に立ち、3連覇を達成。1600㍍リレーは伊奈学園(岩井、金田、高橋、新井)が3分47秒53で栄冠に輝いた。
男子は円盤投げで西武台の板山恵太朗が45㍍81で初制覇した。110㍍障害は埼玉栄の平川佳祐が14秒38で2位だった。
各種目の上位6位(女子棒高跳び、三段跳び、ハンマー投げは4位、男子競歩は5位、男女混成種目は3位までと4~6位の全国記録上位5位)までが全国高校総体(7月25~29日・広島)に出場する。
練習結実 充実の成果
女子七種競技 800㍍で快走する国際学院の山形美由紀(1)
女子七種競技は国際学院の山形美由紀が4717点で初制覇。初の北関東の舞台で緊張することなく各種目で躍動した。1カ月前の県総体でマークした自己ベストの4646点を更新。「日頃の練習の成果が実った」と充実した表情を見せた。
15日に4競技、16日に3競技を実施する中で、投てき競技で力を示した。砲丸投げで2位につけ、やり投げで1位を獲得。「特にやり投げは調子が良かった。けれど200㍍と走り幅跳びは全然駄目だった」と反省した様子だった。
短距離走、中距離走、跳躍、投てき。バランスの良い成績が求められる中で「短距離など走ること全般が苦手」と弱点を自覚している。今後は体の軸を安定させ、運動能力の向上を図り、走力アップに向けて練習に励むつもりだ。
「中学生の頃から四種競技を始めて、高校からは七種競技で頑張っている」。あらゆる競技で脚光を浴びる可能性に魅力を感じる。インターハイで最高のパフォーマンスを発揮するため、筋力アップも視野に入れ、勝負の時を迎える。
安定感見せ破顔一笑
女子1600㍍リレーを制した伊奈学園(左から1走岩井、2走金田、3走高橋、アンカー新井)
女子1600㍍リレーは伊奈学園が3分47秒53で頂点に立った。3分45秒06のチームのベスト記録に及ばずも、確実なバトンパスを見せた。1走岩井、2走金田、3走高橋、アンカー新井が表彰台に上がると皆が満面の笑みを浮かべた。
岩井、金田が2位でバトンをつなぎ、高橋の快走で首位に出ると、最後は新井の勢いある走りで勝利を呼び込んだ。岩井は「後半に失速してしまった」と少し責任を感じていたが、高橋が「自分がしっかりリードを広げられた」と引っ張った。
県大会のような圧倒的な勝利とならなかった。走り終えた4人は「一人一人の走りが少し足りなかった」と分析。チーム全員でつかんだ勝利に新井は「何よりもスタンドからの応援が力になった」と仲間たちに感謝した。
体重移動意識で自己新
男子円盤投げ決勝 45㍍81で初優勝した西武台の板山恵太朗
男子円盤投げは西武台の板山恵太朗が初制覇した。これまでの自己ベスト44㍍83を1投目から更新すると4投目で45㍍81をマークして、自己ベストをさらに伸ばした。「優勝するつもりでいた。4投目はしっかり足を地面に踏みしめて、体を回すことができた」とリリース前の回転の良さを勝因に挙げた。これからも体重移動を意識したターンを心がける。
貫禄の頂点も記録満足せず
女子砲丸投げ・米川
女子砲丸投げは西武台の米川佳里奈が13㍍51で3連覇を達成した。貫禄の勝利も「記録に納得がいかない」と表情を曇らせた。「一人で3連覇できたわけではない。皆の支えがあったから」と素直に気持ちを切り替え、感謝の言葉を口にした。インターハイで一昨年は予選落ち、昨年は4位だった。3年連続で挑む舞台での優勝を目指し、集大成の夏が始まる。
加速良くなった
男子110㍍障害で2位の平川佳祐(埼玉栄)
優勝を目標にしていた。インターハイに出場が決まりうれしい。ハードルをまたぐ際の姿勢が良くなり加速が良くなった。ただ足の使い方には課題がある。修正していきたい。
=埼玉新聞2025年6月14日付け1、7面、15日付け9面、16日付け1、6面、17日付け7面掲載=
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