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商店街のにぎわい創出 地元小学生と高校生が協力ー新座市

届ける 元気と笑顔

 町内会の多目的イベント施設の出入り口シャッターに絵を描いて、商店街のにぎわいを創出したい―。新座市栄4丁目の「栄四丁目商店会」(若村和夫会長、加盟約120人)のこんな思いに呼応した地元の小学校と県立のデザイン学校が協力し、両校の児童や学生らがシャッターに絵を描くプロジェクトに取り組んでいる。来年1月中旬に完成する予定で、同商店会は「地域の子どもたちがデザインに関わることで、地元への愛着を育み、写真撮影する人が商店街に来訪するなど活性化につながる」と期待を膨らませている。

「街仲マルシェたまりば」のシャッターに水性塗料で絵を描く県立新座総合高校デザイン専攻科の学生ら=新座市栄4丁目

 

 プロジェクトに参加しているのは同商店会と、隣接する県立新座総合技術高校(新座市新塚)に開設された県立デザイン学校デザイン専攻科と市立栄小学校。

◆にぎわい創出へ
 施設は同商店街の一角にある「街仲マルシェたまりば」で、縦2・8㍍、横1・8㍍のシャッター5枚分に描く。12月中旬、デザイン専攻科の学生9人らが集まった。学生らは用意した水性の塗料とはけを持ち、脚立を利用して絵を描き始める。コンセプトは「道行く人が元気になるデザイン」だ。
 描いているのは小学生のデザインを基に制作された原画。新座市のマスコットキャラ「ゾウキリン」、市の特産品ニンジン、商店会にある八百屋や肉屋などを象徴する野菜や花、豚のほか、犬やネコ、ハトなど。また商店街を庶民が行き交う街の様子も描かれている。
 「街仲マルシェたまりば」は元々、市の集会所だった。しかし3年前、市の財政上の理由から同商店会が運営を引き継いだ。今は週3日(木、金、土曜日)の昼間、マルシェやイベント、会議などで近隣住民らが活用しているが、開催日以外はシャッターが下ろされている。

◆児童の絵を原画

 こうした中、同高校の学校評議委員に委嘱されている商店会の若村会長が今年6月、地元の高校生や小学生に「商店街を明るくするため、シャッターに絵画をデザインしてほしい」と提案。同高校は18歳以上が在籍するデザイン専攻科の授業の一環として承諾し、同小学校も了承した。
 デザイン専攻科の学生が9月、同小学校の5、6年生から絵画の素案を募集。集まったデザインの中から、コンセプトにマッチした市と商店街をイメージできる絵画を選択。原画をCGで作成し、11月から毎週水曜日の午後、約3時間かけて絵筆で描いた。
 12月初旬までは同小学校の児童らがペイントに参加していたが、中旬から専攻科の学生らが最後の仕上げに取り組む。来年1月19日の「新年餅つき大会」で、シャッターアートを披露する予定だ。
 同校専攻科1年の布川命花さん(19)は「商店街にある野菜や肉など、みんなが親しみやすい食べ物も取り入れて原画を作りました。商店街の人たちがアートを見て笑顔になれればうれしい」と期待している。

 

=埼玉新聞2024年12月24日付け11面掲載=

 

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昭和58年に6つの専門学科(電子機械科、情報技術科、デザイン科、総合ビジネス科、服飾デザイン科、食物調理科)からなる複合型専門高校として開校した。目指す学校像を、「一人一人の個性を生かし、広い視野を持った、よりよい社会の創り手となるスペシャリストを育成する」とし、ノーチャイム制や1年次ミックスホームルーム、総合選択制の実施など、様々な教育実践に取り組んでいる。

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