地元企業の課題発見
秩父地域の企業・団体と交流を深めながら地域の課題を探り、解決策を導く授業「ルート(分野別対話会)」が9日から、秩父市上町の県立秩父高校で始まった。同校1、2年生計369人は今後、「つなごう!ちちこう!」のキャッチフレーズのもと、観光、伝統文化、ものづくり、食、環境など計6分野の地元事業者と連携した探求活動を進め、地域産業の魅力を引き出していく。
銘仙織元「新啓織物」の説明に耳を傾ける生徒たち=9日午後、秩父市上町の県立秩父高校
同校は昨年度から、県教育委員会の県立高校学際的な学び推進事業「学・SAITAMAプロジェクト」の指定校に選ばれ、地域と協働した授業を展開。昨年度は、県内外の中高生らとの交流会を通じて、地元の文化や観光資源などを紹介しあった。
活動2年目となる今年は、秩父地域の計20企業・団体に協力を依頼。生徒たちは今後、毎週木曜の「総合的な探究の時間」の授業で、各事業者との対話や職場訪問などを重ね、自分たちで各企業の課題を追求し、解決策を考え、アクションを起こしていく。活動成果は11月に発表予定。
9日は、参加企業との初顔合わせが行われ、生徒たちは各事業者の講話に真剣に耳を傾けていた。絹織物・秩父銘仙の織元「新啓織物」(同市中宮地町)の説明会に参加した、同校2年中島千遙さん(16)は「秩父にしかない魅力的な仕事がたくさんあるので、今後の探究活動を通して、地域と企業をつなぐ方法を見つけたい」と意気込んだ。
協力者の共和電機(同市寺尾)山根隆義社長(49)は「少子化による人手不足が、秩父地域の企業に共通している課題。この授業を機に、秩父で働く魅力を知ってもらい、地域外にも発信してほしい」と話していた。
=埼玉新聞2024年5月12日付け7面掲載=
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学校の特徴~学校からのメッセージ~
総合進学・特別進学クラスを設置している。2年次から文系・理系に分かれ、30以上の選択科目から自分に合った授業を選ぶ。補習も充実しており、R4年度には計55講座開講された。部活動は放送部が全国大会、弓道部が関東大会に出場した。他にもソフトテニス部、柔道部、サッカー部などが県大会に出場している。R5年度からは「県立高校学際的な学び推進事業」の指定校となり、地元をテーマとした探究活動を推進している。
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