埼玉新聞社 高校受験ナビ

坂戸の課題解決へ提案ー坂戸高校

行政、企業招き発表会

 「理想の坂戸市の実現案」と題して、生徒が考えた地域の課題解決に向けたアイデアを提案する発表会が22日、坂戸市上吉田の県立坂戸高校(秋谷美保校長)で開かれた。事前に1年生全体で行った発表会で高い評価を受けた5チーム、20人の生徒が参加。市職員や地元企業などの関係者を来賓として招き、プレゼンテーションに臨んだ。   

 

坂戸市や地元企業などの関係者にアイデアを発表する生徒たち=22日、坂戸市上吉田の県立坂戸高校

 

 就職情報の提供事業などを手がけるマイナビ(本社・東京都)の高校生用プログラムを活用し、1年生が総合的な探求の時間に年間を通じて取り組んできた。生徒たちは、市職員が行った市の現状と課題の解説や、地元事業所が来訪して事例を紹介した授業を受講。チームに分かれて解決策を探り、発表した。
 県内有数のよさこい祭りとして知られる「坂戸よさこい」を通じて市の活性化を図る提案を行った班は、市内に複数の大学や高校があるなど、教育機関が比較的多い点に着目。全校から参加してもらってチームを増やし、出場数が減少しつつあるイベントを再び盛り上げようと訴えた。自身も毎年、祭りで踊っているリーダーの菅野陽心さん(16)は「根拠のある提案をしようと思った」と言う。
 市内の鉄道駅舎などにプロジェクションマッピングを投影し、来訪客を呼び込むアイデアを打ち出したグループでリーダーを務めた野崎央将さん(16)は、「文化祭の校舎で行うところから実現できれば」と意気込む。メンバーの女子生徒(16)は「この授業でいろいろなことを知り、たくさんの疑問を持てた」と学びの深まりを実感する。
 プレゼンテーションを聞いた来賓は、「皆さんが坂戸を知るきっかけになればうれしい」「提案は実現の一歩手前まで来ているので、ぜひ次のステップに進んでもらえれば」などと講評。産学官連携の授業を企画し、指導を担当した益田健太教諭(28)は「それぞれの成長を見せてくれた。提案が実行できるよう、手助けしたい」と話した。

 

=埼玉新聞2024年3月27日付け15面掲載=

 

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