都道府県対抗剣道女子県代表に栄光旗
県スポーツ協会と県が優秀な成績を収めた県ゆかりの団体や選手、スポーツの振興と発展に貢献した体育関係者らを表彰する2023年度の県スポーツ賞授与式が10日、さいたま市中央区のTHE MARK GRAND HOTEL(旧ラフレさいたま)で行われ、38団体729人に各賞が贈られた。
特に優秀な成績を残した団体・選手を表彰する栄光旗は、昨年7月の第15回全日本都道府県対抗女子剣道優勝大会を2013年以来10年ぶりに制した埼玉県代表が受賞した。
栄光旗に準ずる成果を上げた団体や個人に贈られる栄光楯(たて)には、7人を選出。アーティスティックスイミング(AS)のワールドカップ2023カナダ大会と同フランス大会で優勝した柳沢明希(アテナアクアメイツ)をはじめ、体操の岸里奈(クラーク高さいたま)、レスリングの尾西桜、バドミントンの沖本優大(以上埼玉栄高)、デフテニスの鈴木梨子(専大)らが受賞した。
大野元裕県スポーツ協会会長のあいさつに続き、功労賞、優秀選手賞、栄光賞、会長特別賞、奨励賞の代表者に賞状などが手渡された。そのほか、感謝状を5団体5人に贈呈。野口記念体育賞と押田体育賞の表彰も行われた。
「常に笑顔」が勝因
栄光賞の受賞者と功労賞などの各賞代表者たち=10日午後、さいたま市中央区
栄えある栄光旗は、昨年7月の全日本都道府県対抗女子剣道優勝大会で10年ぶり2度目の優勝を果たした埼玉代表が受賞した。五将を務めた小川梨(伊田テクノス・東松山市)は「すごすぎてまだ実感がない。本当に光栄」と喜びをかみしめた。
代表メンバーは昨年4月の県予選会で選出。所属も世代も異なる7人で構成された。6、7回の練習会で全員がそろったのは大会1週間前の1度だけ。金子監督(久喜高教)は「集まった時に仲の良さが垣間見えて、みんなが負けず嫌いで勉強家。明るくすてきなチームだった」と振り返った。
全国大会では3回戦で前回王者の京都に2―1で競り勝ち、全6試合を制す快進撃を披露。小川梨は「負ける気がしなかった。試合も合間も常にみんなが笑顔で楽しんでいた」とチームワークの良さを勝因に挙げた。
4月6日、次回大会に向けた県予選会が行われる。小川梨は「優勝を経験したからこそ頑張らなければいけない。強い気持ちで臨みたい」とまずは代表の座をつかみ、2年連続の優勝旗を埼玉に持ち帰るつもりだ。
受賞に笑顔 五輪でメダルを
AS・柳沢
アーティスティックスイミングの柳沢(さいたま市出身、栄東高出)は「初めてもらう賞なのでうれしい。この賞に恥じないようもっと良い成績を出したい」と栄光楯の受賞に笑顔を咲かせた。
今季は演技の正確さと高さを意識。2月の世界水泳選手権で日本代表としてパリ五輪の出場枠を獲得した。代表選考の合宿中だという柳沢は「出場してメダルを取ることで応援してくれる人たちに恩返しがしたい」と、東京五輪では4位であと一歩届かなかったメダル奪取に意欲を燃やした。
仲間と支え合い 五輪を目指す
体操・岸
体操女子の岸(戸田市出身)は高校1年生ながら昨夏の全国高校総体体操女子で個人と団体の2冠を獲得。「みんなと支え合いながら優勝できた。先生と仲間に感謝したい」と栄光楯を手にして笑顔を見せた。
初の国際大会となった昨秋の世界選手権は女子個人総合で日本人トップの11位に入った。「圧倒されたが楽しかった。海外の選手を越えたい思いが見つかった」と成長著しい16歳は五輪の金メダルを目標にさらなる成長を誓った。
悔しさ糧に 栄冠つかむ
バドミントン・沖本
バドミントンの沖本(埼玉栄高)は昨夏の全国高校総体男子バドミントンで個人単複2冠に輝いた。2022年の同大会で単複ともに5位に終わった悔しさを胸に得意のラリー精度に磨きをかけ、「頑張りが認められてうれしい」と受賞を喜んだ。
4歳上の兄の影響で5歳のときに競技を始め、全国小学生選手権を小学4年から3連覇した。今春からは実業団チームで競技を続け「てんぐにならず、最大目標であるオリンピック出場を目指したい」と新たな場所でも努力を続ける。
結果で恩返し
デフテニス・鈴木
デフテニスの鈴木(所沢市出身、浦和学院高出)は昨秋の世界選手権女子ダブルスで優勝し、世界チーム選手権2023でもチームの優勝に貢献した。栄光楯を受賞し「重さを感じた。もっと活躍できる選手になる」と気を引き締めた。
1歳のときに感音性難聴が発覚。中学3年のときに競技に出会った。同じ境遇の人との交流が、競技が楽しい理由だと
いう。「まだまだ結果を出してお世話になった人に恩返しがしたい」と来年11月の東京デフリンピック出場を目標に掲げた。
=埼玉新聞2024年3月11日付け6面掲載=
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