2024年5月24日配信
高校選びの基準、「交通の便」を重視
入学後身に付けたいのは「主体的に学び続ける力」
埼玉県教育委員会は5月23日、「県立高校の特色化について」のアンケート調査結果をまとめ発表しました。
この調査は昨年12月から今年1月にかけてWEBアンケートの形で行われました。
調査対象は県内の小学5・6年生、中学生、高校生とその保護者です。
全部で14万1793人からの回答が得られました。このうち中学生は3万3208人でした。
皆さんの中にも小学6年生のとき、あるいは中学1年生・中学2年生のとき、アンケートに回答した人がいるでしょう。
主な質問項目は次のとおりでした。
・「あなたは、高校に進学したら、どのような勉強をしたいですか」
・「今後、どのような学校で学んでみたいと思いますか」
・「高校生活を通してどのような力を身に付けたいと思いますか」
・「高校を選ぶ際にどのような点を重視したいと思いますか」
以上4問です。
1 高校で勉強したいこと
「あなたは、高校に進学したら、どのような勉強をしたいですか」の質問では次のような回答が得られました(中学生の回答、以下同じ)。
選択肢は23項目(「その他」「特にない」含む)あり、5つまで選択可能でしたが、割合が高かったのが以下の3項目でした。
1位 基礎・基本を確実に身に付けるための勉強(15.4%)
2位 様々な教科にまんべんなく取り組み、幅広い知識を身に付ける勉強(15.0%)
3位 実社会での活動に向けて、学んだ知識を総合的に活用し考える勉強(12.5%)
2 学びたい学校
「今後、どのような学校で学んでみたいと思いますか」の質問では次のような回答が得られました。
選択肢は9項目(「その他」「特にない」含む)あり、2つまで選択可能でしたが、割合が高かったのが以下の3項目でした。
1位 毎朝同じ時間に登校して学ぶことができる高校(全日制)(29.8%)
2位 教科や科目を自ら選択できる総合学科や単位制の高校(22.6%)
3位 複数の学科を設置し、学科を越えて連携・協働した学びができる高校(20.5%)
3 学校生活で身に付けたい力
「高校生活を通してどのような力を身に付けたいと思いますか」の質問では次のような回答が得られました。
選択肢は10項目(「その他」「特にない」含む)あり、3つまで選択可能でしたが、割合が高かったのが以下の3項目でした。
1位 主体的に学び続ける力(18.5%)
2位 希望する職業に必要な知識や技能(17.1%)
3位 自ら考え、判断し、問題を解決する力(17.0%)
4 高校選びの観点
「高校を選ぶ際にどのような点を重視したいと思いますか」の質問では次のような回答があられました。
観点は9項目示され、それぞれに対し、「重視する」「やや重視する」「あまり重視しない」「重視しない」のいずれかを選択する形でしたが、「重視する」の割合が高かったのが次の3項目でした。
1位 通学の便利さ(59.6%)
2位 授業の難易度(52.9%)
3位 部活動や学校行事など授業以外の活動内容(52.2%)
以上のような調査結果でした。
◆高校選びは自分自身の考えで
このアンケートは、埼玉県が県立高校の特色化を進めるにあたり、小中高校生や保護者がどのような考えを持っているかを知るために行われました。
したがって、質問内容や選択肢もその目的に沿ったものとなっています。
調査の目的が異なれば、別の質問や別の選択肢が必要になり、それにより集計結果も今回とは異なるものになるでしょう。
例えば「高校選びの観点」では、「通学の便」を選んだ人の割合が高くなっていますが、それが正しい選択の仕方であるというわけではありません。たまたま今回の調査ではそのような回答が多かったということです。
高校選びや高校に入ってからの勉強については、皆さんそれぞれの見方や考え方があるでしょう。全員にとっての正解はありません。自分自身の見方や考え方を大切にしてください。
小学生、高校生、保護者の回答など調査結果の詳細は埼玉県教育委員会ホームページをご確認ください。
埼玉県教育委員会
「県立高校の特色化に向けたアンケート」について(ホームページ)
(教育ジャーナリスト 梅野弘之)
=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=
カテゴリー
よく読まれている記事