公立卒は「大学で成長」
子どもの進路選択の参考にしてもらおうと、県立浦和高校(さいたま市浦和区)は同校で、小学生の保護者を対象にした講演会を開催した。同校は約10年前から小学生やその保護者向けのイベントを実施。5回目となる今回の講演会には、400人を超える申込みがあった。
「公立高校で過ごす意味」をテーマに開かれた講演会=さいたま市浦和区の県立浦和高校
講演会では、開始に先立ち日吉亨校長が「中高一貫校を検討する保護者の方が増え始めているからこそ、県立(高校)の良さも知っていただいた上で、お子さんの今後の進路選択の参考にしてほしい」とあいさつ。講演会では、早稲田大学教育・総合科学学術院の浜中淳子教授が「10代を公立学校で過ごす意味」をテーマに講演した。
大学入試センターや東京大学高大接続研究開発センターなどで、有名私立の中高一貫校や公立高校の卒業生の大学生活、就職先などを調査し、その統計を分析してきた浜中氏は、自らの研究データに基づき「私立中高一貫校の卒業生」「公立高校の卒業生」の違いを解説した。
統計的に大学入学前の知識量などは、私立中高一貫校の生徒が高いにもかかわらず、大学卒業後では、公立高校の卒業生が追い付いていることなどを紹介。傾向として「似た者同士が集まる私立中高一貫校で過ごす6年間は居心地が良く、だからこそ学力レベルが高い。一方で公立は、その先につながる土台形成の場となっており、大学で成長する方が多い」とした上で、「どちらが良いかはご家庭での選択の問題」と話していた。
全国の公立高校と比べた県立浦和高校の特徴についても言及。勉強は、生徒たちが校外の予備校などで励む「外部発注型」、生徒へ課題を大量に出す「学校管理型」の学校の例を出し、「浦和高校は『協同型』。友だち同士で勝手に一緒に学んでいる傾向がある」と分析していた。
=埼玉新聞2022年10月23日付け10面掲載=
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