OBの梶田さん(ノーベル賞受賞・東松山市出身)が講演
「自由と自主性大切」
県立川越高校の同窓会「初雁会」の比企4地区の連絡協議会(大塚基司会長)が発足し、設立総会が、東松山市箭弓町のガーデンホテル紫雲閣で開かれた。当日は同校OBで、ノーベル物理学賞受賞者の梶田隆章さん(65)が記念講演。集まった80人を超える同窓生を前に「同校の自由で自主性を重んじる
校風が受賞につながった。これからも守り続けてほしい」と求めた。同校同窓会事務局によると、地区同士の連絡協議会ができるのは初めて。
川越高校同窓会比企地区連絡協議会設立総会で講演し、重力波の研究に関わっている同校OBを紹介する梶田さん=東松山市箭弓町のガーデンホテル紫雲閣
梶田さんは、弓道に明け暮れた高校、大学時代の思い出を振り返りつつ、大学院以降の研究生活は「川越高校の自由な雰囲気がベースになっていた」と表明。「例えよい結果が得られなくても、心からやりたいことをやることは、研究者にとって極めて大切」と、同高の校風の価値を繰り返し語った。
梶田さんは現在、岐阜県飛騨市と富山県境の地下にある大型望遠鏡「KAGRA(かぐら)」で重力波を観測する国際共同研究チームの責任者を務めている。同施設は昨年1月の能登半島地震で被災。復旧作業を進めており、今年6月から再び国際観測に参加する予定という。
重力波はアインシュタインが存在を予言した光速の波。梶田さんは、地球上にいくつかある重力波の観測施設を紹介し、「世界で協力する必要がある」と強調した。また、同校OBの少なくとも3人以上が、同研究に関わっていることも明かした。
同地区連絡協議会幹事長の原徹さんは、「これまで東松山地区のOBで会合を開いてきたが、川島や嵐山、小川地区などに広げて親睦事業を行い、交流を深めていきたい」と話した。
東松山市出身の梶田さんは、同高や埼玉大学を経て、東京大学大学院博士課程を修了、同大学卓越教授。極微な素粒子ニュートリノに質量があることを示すニュートリノ振動を発見した業績で2015年にノーベル物理学賞を受賞した。文化功労者、文化勲章受章。日本学術会議会長も務めた。
=埼玉新聞2025年2月22日付け11面掲載=
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