上履きの学年カラー見送りへ
教員と丁寧議論
全国の中学校や高校を対象に、優れた生徒会活動を表彰する「日本生徒会大賞2022」(生徒会活動支援協会主催)で、所沢高校(所沢市久米)が特別賞を受賞した。昨年、同校で行われた学校指定の上履きへの学年カラー導入を巡る議論を、生徒主体でまとめたことなどが評価された。
表彰を受けた佐藤前会長(中央)ら、昨年度生徒会役員=所沢市久米の県立所沢高校
所沢高校は「自由」「自治」「自主自立」を校風に持つ創立120年を超える県立高校で、校則がほぼなく、制服や頭髪に関する規定もないため、大半の生徒が私服で登校している。1990年には「生徒会権利章典」を制定、生徒自治の確立を保障した。同章典に基づき規則を制定・改訂する際には生徒と教職員が互いの意見を尊重するものと定めている。
同校によると、今回の上履き学年カラー導入の議論でも、同章典にのっとり「貴重品管理の観点から導入したい」とする教員からの提案を受けて、生徒間の活発な議論と教員との丁寧な協議を重ねたことから「学校における直接民主制の運用という面において評価に値する」とされた。学年カラー導入は見送りの結論に至ったという。
昨年の生徒会長として調整役を担った佐藤一水さん(18)は「全校生徒が意見を出し合い、深く議論することができた」と胸を張った。前副会長の富沢蒼さん(17)は「他の学校と違って(所沢高校は)選択肢が多いため、考える機会も多い。自分たちは毎日すごいことをしているんだなと思った」と受賞を喜んだ。
=埼玉新聞2022年9月15日付け11面掲載=
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