音楽探究講座で
生徒に音楽の歴史を解説する西本智実氏。右は伊佐地里帆氏=25日、さいたま市見沼区
県産業文化センター(ソニックシティ)は25日、栄東高校で音楽を多角的に探究する特別講義を行い、国際的に活躍する指揮者で舞台演出家の西本智実氏と東京大学医学部付属病院の伊佐地里帆医師が登壇した。
同講義は7月に第1回が行われ、今回が2回目。同校の生徒35人が参加し、音楽の多様な楽しみ方を学んだ。伊佐地氏は音楽と感情の関係性について、音楽を聴くことで不安や恐怖などの感情の中枢とされる偏桃(へんとう)体の活動が穏やかになったという研究を紹介。「音楽が人間の情動に深く関わっていることがさまざまな研究で分かっている」とした一方で、音楽が人間に与える影響について「人間社会の問題への対策としてこれまで科学技術が活用されてきたが、音楽もその一翼を担えるのではないか」と指摘した。
西本氏はその上で、音楽が直接心に響くということについて、歴史的にみてもさまざまな宗教や政治の手法としても使われてきた背景にも関わっていることを挙げ「研究を通してさまざまな問題を解決できたら」と話した。
講義に参加した同校2年の女子生徒は「科学と音楽についての研究を聞いてとても興味を持った。昔の時代も現代も音楽に対しての興味は変わらないと知って面白かった」と話し、1年生の男子生徒は「音楽は人類共通の言語みたいなもので、共生社会を作っていく上で大きな可能性があると感じた」と語った。この講義は、来年2月まで全4回行われる予定。
=埼玉新聞2021年9月28日付け10面掲載=
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