2025年9月18日配信
好きなことをとことん探究する
開智未来が育む”未来を創る力”
外部発信で広がる可能性とつながり
大宮で行われた開智未来高校の塾対象説明会に参加しました。
今回の説明会では、同校が現在掲げている「外部発信」というコンセプトのもと、外部への情報発信や連携に力を入れている様子が紹介されました。具体的には、有名インフルエンサーとの連携による発信や、著名な作家による講演など、学校の枠を超えた取り組みが進んでいるとのことです。
開智未来高校の授業面では「哲学」の授業が特色の一つとしてあります。「なぜ勉強をするのか」といった正解のない問いに対して、自分自身の考えを深く掘り下げていく学びが展開されています。多様な価値観に触れながら自分自身を見つめ直す機会となっているようです。
卒業生の活躍も多岐にわたっており、能登半島地震の復興支援活動に関わる卒業生、半導体の製造や、その製造機器をつくる企業で活躍する卒業生など、社会の第一線で開智未来高校での学びを活かしている姿が紹介されました。
学びの土台を築く「六つの授業姿勢」
開智未来高校では、学習の基盤を支えるスキル教育にも注力しています。その一つが「六つの授業姿勢」と呼ばれる「狙い・メモ・反応・発表・質問・振り返り」という学習姿勢です。例えば、「メモを取る」という行為は、単に板書を書き写すのではなく、自分にとって必要な情報を自らの判断で選び取って記録することが求められます。このスキルは、大学進学後に非常に役立つようで、卒業生からは「他校出身の学生からうらやましがられた」という声も聞かれています。
また、朝は9時10分から始業というゆとりある時間設定がされていますが、「アカデメイア」や「学びの道」など、朝から自主学習ができるスペースも用意されており、生徒の学びへの自発性を後押ししています。
中学からの内部進学生と高校からの外部進学生は、高2までは別クラスで学びますが、高3からは六つのコースと医系クラスに分かれ、共に学ぶ形に移行します。進路や適性に応じた学習が選択できる柔軟なカリキュラムも特徴的です。少人数の講座でも必ず開講されるという丁寧な対応が、学びに対する生徒の意欲を支えています。
医系クラスでは、ディスカッションやPCR検査、解剖実習など実践的なプログラムが用意されており、本格的な医療分野への進学を見据えた教育が行われています。
探究でつながる世界と、DXへの挑戦
開智未来高校では「自分が好きで好きでたまらないことを追求する」ことこそが、本質を見抜く力や深く考える力につながると考えており、生徒たちは興味のあるテーマを自由に設定して探究活動に取り組んでいます。
テーマの幅も広く、学問的な研究にとどまらず、「盆栽」や「トイレ」といった日常生活の中から見出した関心事を深掘りする生徒もいます。教員がメンターとして探究の方法や情報の集め方を丁寧に指導し、生徒一人ひとりの思考を伴走する姿勢が印象的でした。成果発表の場としては「未来TED」や、YouTubeでの動画配信などがあり、学校内外への発信にも力を入れています。琴平町や熊本市の地域振興プロジェクトに参画する生徒、水中生物の研究を進める生徒など、その探究テーマも実に多彩です。これらの活動は、大学入試でも高く評価されており、探究活動を通して進学した生徒が、入学後すぐに研究活動を始められるなど、実践的な力が大学生活でも活かされているとのことです。
今回の説明会を通じて、開智未来高校での学びの本質は「自らの興味関心を起点に、社会とつながる力を育てる」ことだと強く感じました。メモを取るなどの基本の学習姿勢を徹底しながら、一人ひとりが自分の「好き」をとことん深めていく。その中で、地域と連携し、社会に発信し、成果を残すことが自然とできるようになる環境が整えられています。
さらには文武一体を実現する部活動など、生徒の多様な進路と個性を尊重する学校づくりが印象的でした。吹奏楽部では海外研修も検討されており、これからますます国際的な広がりを見せていくことでしょう。
開智未来高校は、まさに「未来を切り拓く力」を育む場所として、注目すべき学校の一つといえるでしょう。(文・根岸孝之)
※このシリーズでは、教育関係者対象に開催された学校説明会についてレポートします(埼玉新聞社高校受験ナビ編集部)
=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=
サイト内の開智未来高校の基本情報は→こちら
学校の特徴~学校からのメッセージ2025~
2011年4月、開智中学・高等学校の「教育開発校」をコンセプトに開校しました。①探究活動・②英語発信力・③ICTを教育の柱として、「知性と人間をともに育てる」さまざまな取り組みを実践しています。特に「才能発見プログラム」は将来の進路を考え、大学進学にもつながる本格的な探究活動として、全生徒が真剣に取り組んでいます。部活動は、文武一体を合言葉に、硬式野球部、吹奏楽部を中心に活動しています。
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