特殊詐欺 生徒の川柳 見て防げ
特殊詐欺被害を未然に防ぎ、詐欺の手口などに関心を持ってもらおうと、新座市と同市中野の西武台高校(佐賀博校長、生徒数約1300人)は、生徒らが考えた川柳を活用した「詐欺被害防止!万年日めくりカレンダー」を作成した。7千冊発行し、市役所や公民館、図書館など市内約30カ所で配布している。
高校生が考えた川柳で注意喚起を促す「詐欺被害防止!万年日めくりカレンダー」
カレンダーは縦17㌢、横15㌢。1日から31日まで、各台紙に生徒らが考案した注意喚起の川柳を掲載。周囲には市のイメージキャラクター「ゾウキリン」などのイラストをデザインし、裏側には川柳を考案した生徒のイニシャルを付けて、川柳の解説文が記されている。
例えば、4日の台紙は「大丈夫?その声ほんとに我が息子?」。その裏には「電話で『俺だよ!』って言われたら、その声はほんとに自分の子どもの声なのか疑ってください」と解説。1日の川柳は「屋根に穴 それって本当?疑おう」。解説では「工事業者が突然、家に来て架空の欠陥を訴え、お金を徴収する詐欺が増えています」と注意喚起している。
県によると、昨年1年間の県内の特殊詐欺の認知件数は40市中25市が前年を上回っており、新座市は前年度比9件増の45件、被害額は同5千万円増の約1億3千万円だった。
こうした被害が増加する中、市は消費者教育の一環として授業で学生に啓発用の川柳を作成させる大学があることを知り、学生が考えた川柳を活用した万年日めくりカレンダーを作成。市民への配布を決めた。
西武台高校で2023年度から「文・理系の枠を超え現実社会の問題を創造的に解決すること」を目的にした新しい学科「STEAM」コースが開設されたことから、市は昨年7月、同校に協力を打診。1、2年生計33人が啓発川柳とデザインなどを考案した。
市産業振興課は「高校生が作成した啓発品ということで愛着と関心を持ってもらえる上、生徒たちから贈られたメッセージを毎日、目にすれば、後を絶たない詐欺被害やトラブル発生を未然に防ぐ効果があると思う。ぜひ手元に置いてほしい」と活用を呼びかけている。
=埼玉新聞2025年5月23日付け11面掲載=
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