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春季高校野球県大会 浦学3年ぶり18度目春王者

叡明に7-2

(最終日、4日・県営大宮)
 決勝を行い、Cシード浦和学院が叡明を7―2で退け、3年ぶり18度目の栄冠に輝いた。
 浦和学院は落合らの3本塁打など持ち前の長打力で主導権を握った。二回、無死三塁で落合が右越え2ランを放ち先制に成功。三回に藤井が左越えソロ、八回に玉木が右越え2ランで追加点を奪った。投げては先発の右下手投げ石川が5回無失点の好投で試合をつくった。守備陣も無失策で流れを渡さなかった。
 優勝した浦和学院と準優勝の叡明は春季関東大会(17~20、24、25日・茨城)に出場する。ともに2回戦から登場し、浦和学院は山梨2位と茨城3位の勝者と対戦。叡明は山梨1位とぶつかる。

 

叡明―浦和学院 4回表浦和学院2死二塁、西田の右前打で二塁走者石川が生還する

 

 浦和学院は3本塁打を含む11安打で叡明を7―2で退けた。
 浦和学院は二回、落合の右越え2ランで先制した。三回に藤井が左越えソロで追加点を奪うと、四回に2死二塁で西田が右前適時打を放った。5―2の八回に玉木が右越え2ランを放ち、突き放した。投げては先発の石川が5回無失点の好投で試合をつくり、5投手の継投で守り切った。
 叡明は先発増渕が5回5失点と踏ん張れなかった。打線は0―5の七回に主将根本が左越え2ランを放ち、一矢報いた。

 

3HR強力打線健在

叡明―浦和学院 2回表浦和学院無死三塁、落合が先制の右越え2ランを放つ。捕手林

 

 決勝の舞台でも浦和学院の強力打線は健在だった。3本塁打を含む11安打で7得点を奪い、3年ぶりに春の頂点に立った。森監督は「夏につながる優勝になった。激戦区を一戦ずつ集中して戦い、選手たちの成長を感じた」と満足げに話した。
 序盤から豪快な2本塁打で主導権を握った。二回に落合の右越え2ランで先制すると、三回には藤井が2試合連続の特大アーチ。「大事なところで長打が出るのは秋からの大きな成長。一本で流れを呼び込めた」と外角の直球を左翼席に運んだ。
 八回には1番玉木が右越え2ランで加点した。チームは今大会5試合で6人が計9本塁打。「全員が低い打球に徹しているからこそ、長打という結果が出ている」と玉木。上位から下位まで切れ目のない打線は相手投手の脅威となった。
 強力打線に加えて森監督が評価するのが準決勝、決勝で無失策の守備陣。今大会の失策は送球ミスによる二つのみと安定した。二塁手西田は「冬は体づくりを含めて基本を一から見直した」と打球に対する1歩目の速さや捕球の上達を実感する。
 投打盤石に県の王者へ返り咲き、関東大会に挑む。〝すべては夏のために〟という合言葉を胸に、選手たちに浮かれる様子はない。主将の西田は「消極的なプレーはせずに果敢に挑戦して成功体験を得たい」と収穫の多い大会にするつもりだ。

 

落合 確信の特大アーチ

 7番落合が先制2ランで試合の流れを呼んだ。二回、林田が三塁打で出塁すると「最低でも外野フライ。走者をかえすことを意識した」と内角の直球を右翼席に運んだ。打った瞬間に柵越えを確信する特大の一発が公式戦初本塁打となった。
 今大会は準々決勝までの3試合で9打数無安打。初戦の2回戦で5番を担うも、3回戦から7番になった。準決勝で2安打を放つと決勝で念願の一発。背番号2は「打順が下がり守備から集中できる。気持ちが楽になった」と調子を上げた。
 前チームから主力を担う扇の要。昨秋の県大会は準々決勝で敗退し、冬は1日千本の素振りをした。上半身の強化にも励み、体重は5㌔増加して78㌔に。「ホームランも出て打球が遠くに飛ぶようになった」と成果を実感する春となった。

 

真っ向勝負 成長実感

7回裏叡明2死二塁、根本が左越え2ランを放つ

 

 強力打線に正々堂々と立ち向かった叡明。3本塁打を浴び、力の差を見せつけられた。先発増渕が5回5失点、六回から継投した田口も2点を失い、初の決勝の雰囲気にのみ込まれた。
 三者凡退に抑えた七、九回を除き、得点圏に走者を進められ、序盤から続けて失点した。それでも見せ場はつくった。0―5で迎えた七回だった。長島の右前安打などで2死二塁とし、根本の左越え本塁打で2点をかえした。その後も攻撃の手を緩めず、田口の右越え二塁打などで再び好機をつくるも主砲の赤城が三振に倒れた。
 点差以上に力の差を痛感した試合となった。好機で倒れた赤城は「球のキレがよく、低めのスライダーに手を出してしまった。1本打ちたかった」と悔しさをにじませた。田口も「想像以上の強力打線だった。自分の投球も通用しなかった」と脱帽した。
 2016年夏まで浦和学院のコーチを務めていた中村監督。全国屈指の強豪の壁は厚く初優勝を逃すも、真っ向勝負を挑んだ選手たちの成長を実感した。

 

苦手内角を克服 主将会心の一発
根本

 劣勢で迎えた七回、叡明の根本が左翼席へ2点本塁打を放った。内角高めの直球を振り抜き、拳を突き上げながら、ダイヤモンドを1周した。「課題としていたインコース。うまく体を回せた」と苦手のコースを克服した。
 初めての大舞台で一発を放ち、1番打者としてもチームを鼓舞した。3月末からは主将を任され、「皆から信頼されるキャプテンになりたい」と力を込める。元気よく楽しくチームをまとめる新米主将が躍進の原動力になっている。

 

=埼玉新聞2025年5月5日付け1、7面掲載=

 

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本学では国際的な教養を身に付け、多様な文化を理解・尊重する精神を養うとともに、より平和な世界の構築に貢献する「社会人」を育成することを目的としています。2023年3月、国際バカロレア・ワールドスクールの認定校となり、2024年4月より新たに国際バカロレアコースを設置し、「国際教養の浦学」を実践すべく、国際貢献のできる人材の育成に力を入れていきます。

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