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春季高校野球県大会 花咲徳栄13年ぶりV

徳栄4度目V 秋春連覇

(最終日、5日・県営大宮)

 決勝を行い、Aシード花咲徳栄がAシード昌平に20―6で大勝して、13年ぶり4度目の頂点に立つとともに、秋春制覇を成し遂げた。
 花咲徳栄は三回までに阿部の中前適時打などで5得点。5―1の四回に無死満塁から田島が右前に適時打を放つなど8安打、4四死球で一挙10点を奪いリードを広げた。七回には田島の走者一掃の中越え適時二塁打などで4点を追加するなど攻撃の手を緩めなかった。

 

花咲徳栄―昌平 4回表花咲徳栄1死満塁、横山が右前適時打を放つ。捕手白坂

 

 四回に一挙10得点するなど猛打を振るった花咲徳栄が、計23安打20得点で昌平に圧勝した。
 花咲徳栄は5―1の四回に無死満塁から田島、横山の連続適時打など、この回に8安打、4四死球と攻め立て10点を追加し、試合を掌握した。七回には1死満塁で田島が走者一掃の適時二塁打を放つなど攻撃の手を緩めなかった。
 昌平は先発東川、2番手大橋と3番手木下が四回までに計15失点。打線が計11安打で6得点したが、大量失点が重くのしかかった。

 

 

打力で圧倒 王座奪還

花咲徳栄―昌平 4回表花咲徳栄無死満塁、田島が右前に適時打を放つ

 

 昨秋王者の花咲徳栄が圧倒的な打力で13年ぶりに春の王座に返り咲いた。21世紀に入って春の決勝では最多となる20得点。岩井監督は「芯で捉えてつながる怖さが大事。連続でいって途切れないというのを実行してくれた」と攻撃の形を評価した。
 8本の単打で10得点した四回の攻撃に神髄が見えた。無死満塁とすると田島、横山が連続適時打、さらに3連続四死球で走者を1人ずつ本塁に迎え入れた。得点を重ねても個々に隙がない。主将の生田目は「ランナーからプレッシャーをかけてチャンスをつくった」と、打つだけではない分厚い攻撃を繰り返した。
 7安打4得点と今大会唯一、1桁安打に抑えられた準々決勝の熊谷商戦が転機となった。「力を出し切れなくて一回リセットした」と4番石塚。低くて強い打球を意識したことでつながりが生まれ、決勝での先発全員安打につながった。
 4安打3打点と活躍した横山は「冬に百発百中で芯に当てることを意識してミート力が上がった」と強打の要因を語った。握力強化でスイング力を磨き、打球の方向、角度にもこだわった成果が実を結び始めている。
 勝利に目頭を熱くした生田目は「ずっと勝って関東に行こうと言っていた。埼玉1位として自信を持って勝負できる」と臆することなく関東の強豪と対峙(たいじ)する。

 

勝負強さ発揮
6打点の5番田島

 20点をたたき出した強力打線の中で、5番田島が3安打6打点とひときわ存在感を放った。ベンチ入りで唯一の2年生ながら「チームとして得点したい場面で打てた」とほほ笑んだ。
 準決勝までの県大会4試合で得点圏打率が4割4分4厘。好機に強い5番打者は、決勝の一回1死満塁から死球で得点を加え、打者一巡の四回には2打席連続で適時打を放った。さらに七回には中越え3点適時二塁打と勝負強さを発揮した。
 「いつもかっこいい背中を追いかけている」と先輩で、憧れているという主砲石塚とともにクリーンアップを形成し、強力打線の一角を担う。
 関東大会に向けて「好投手との対戦は楽しみ。1試合に1本はヒットを打つ」という強心臓ぶり。昨秋に続いて挑む舞台でバットに期待がかかる。

 

昌平

投手陣 猛打に屈す

4回表花咲徳栄無死満塁、昌平の2番手大橋(左)が3番手木下にマウンドを託す

 

 昌平の投手陣が、相手の強力打線に打ち込まれた。決勝の先発マウンドに立ったのは、公式戦初登板の東川。岩崎監督は「初登板で少しばたついてしまった。大きな経験になってくれれば」と2年生右腕の成長にエールを送った。
 身長192㌢から投げ下ろす直球主体で勝負した東川は「他のチームよりも数段階バッティング技術がうまかった」と花咲徳栄打線につかまり3回5失点。後を継いだ大橋、木下らも勢いを止められずに計23安打を浴び12四死球と崩れた。
 一方的な点差になったが、打線は意地を見せた。四回に4連打を含む5安打で3点を返すと、七回には園田の本塁打など3本の長打で2得点を挙げた。準決勝を終えてチーム打率は2割6分7厘と売りとする打撃が鳴りを潜めていたが、この日は11安打。関東を前に復調の気配を感じさせた。
 主将の畑田は「情けない試合をして申し訳ない。レベルアップして次は勝ちたい」と唇をかんだ。夏へ向け全ての面で課題が出た今大会。14点差での敗戦の悔しさが、選手たちの次の一歩につながっていくだろう。

 

2戦連続アーチ 肉体改造の成果
5番園田

 昌平の5番園田が2試合連続となるアーチを描いた。七回に先頭で打席に立つと花咲徳栄の今井の直球を強振。「点差も開いていたので、ランナーをためないような野球になっていた」と長打を狙った一打は左越えの一発となった。
 冬にはウエートトレーニングに取り組み、60㌔だったベンチプレスが85㌔まで挙げられるようになった。「いいスイングをしようという中でたまたま本塁打になった」と話したが、肉体改造の成果は確実にバッティングに結び付いている。

 

徳栄 日大明誠と初戦

 18日に群馬で開幕する春季高校野球関東大会の対戦カードが6日までに決定した。
 埼玉県勢は、県準優勝の昌平が18日の2回戦で武相(神奈川1位)と対決。13年ぶりに春季県大会を制し、昨秋と合わせて県内2冠の花咲徳栄は19日、2回戦で日大明誠(山梨2位)と顔を合わせる。
 大会には1都7県の計17代表が出場。会場は上毛新聞敷島球場、高崎市城南球場で、決勝は26日(10時)に予定している。

 

 

 

=埼玉新聞2024年5月6日付け1、7面、7日付け6面掲載=

 

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