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春日部工業高校出身の白川さん 東ティモールで体育教師就任へ

JICA青年海外協力隊員として2年間務める
「埼玉との懸け橋に」

 

 三郷市の白川真生さん(22)は7月末にJICA青年海外協力隊員として東南アジアの東ティモール共和国へ旅立つ。今後2年間、首都ディリの中高一貫校で体育の教師を務める。三郷市内の自宅で「一人の人間として世界の役に立てることを光栄に思う。埼玉との懸け橋になりたい」と抱負を語った。

 

白川真生さん(右)と、旅立ちを喜ぶ祖父の好光さん=三郷市内

 

 白川さんは三郷市立彦成小、同三郷北中から県立春日部工業高校、平成国際大へ進み、2023年春に卒業、同時に青年海外協力隊に応募して合格。それから2カ月間、福島県二本松市の研修所で現地のテトゥン語の研修を受けてきた。「猛特訓だった。朝から、晩まで必死に公用語のテトゥン語を勉強しました。言葉を学ぶことは、その国の文化を学ぶということ変わらないと思った」と話す。東ティモールの歴史も学んだ。
 「400年近く、ポルトガルなど外国の支配下にあった国で、02年に独立したばかりの新しい国です。僕が生まれた次の年に誕生したんです」。大学で体育教師の資格を得た。それだけで迎えてくれる国が東ティモールだった。「自分で希望しました」と、目を輝かせる。
 特訓で興味深いことを知ったという。「いただきます」「おつかれさま」と言うのは日本のあいさつの言葉。東ティモールの日常のあいさつは「座って遊びなさい」と言う。
 「今、何しているって聞かれると『座って遊んでいるよ』と答えるんです。この国では座っているだけ、海を見ているだけで『遊んでいる』と言う言葉になる。日本では遊んでいるというのは何もしないことで、価値がないような印象。東ティモールでは違う。遊ぶことは生きる上で大切なことらしい。とても面白いと思います」

 

 【メモ】東ティモール民主共和国は東南アジアのティモール島の東半分で、約1万5千平方㌔㍍。人口は約130万人。公用語はテトゥン語とポルトガル語。ほかに英語とインドネシア語が使われる。1701年にポルトガルが占領して以来、同国の植民地だった。1975年にポルトガルから独立を宣言したが、インドネシア軍が侵攻し紛争の場となっていた。98年に独立に反対してきたインドネシアスハルト政権が退陣し、2002年に独立を回復した。

 

=埼玉新聞2023年7月20日付け10面掲載=

 

 

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