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杉戸農業高校が米粉商品開発 地域課題解決に一役

 杉戸町の県立杉戸農業高校食品流通科の生徒らが米粉を使用した商品開発に取り組んでいる。地域農業の課題の一つ、コメの消費量拡大が狙い。現在、生徒たちは米粉100%の「中華の皮」でギョーザの試作に精を出している。

 

「米粉餃子(ギョーザ)」の試作を行う生徒ら=県立杉戸農業高校

 

 「機械はどう? 伸ばしづらい?」8月下旬、この日は同科2年生の4人の生徒が学校に集まり試作した。持田拓也実習教諭(45)が問いかけ、生徒らは機械や手作業で生地を伸ばした。
 春日部市で生産された米粉用品種「笑みたわわ」を県内の製粉会社が製粉。同市から提供を受けている。同校は同市からの依頼を受け2022年から米粉を使用したマドレーヌ作りを行ってきた。ただ、米の消費量を増やすためには「お菓子よりも主食のおかずの方がよいのでは」と考え、同年から試作を重ねてきた。持田実習教諭は「米粉を当たり前に使う価値観が生まれてほしい」と語る。
 1~3年生の生徒16人が週2回、放課後に課外活動として取り組んでいる。中華の皮の試作はこれまで30回ほど行ってきた。
 石井透弥さん(16)はこの日試作を終え「これまでは時間がたつとお煎餅みたいに生地が割れて揚げギョーザを食べているような出来の時もあったが、改良されてきておいしくなった」。森彩音さん(17)も「もちっとかりっとしておいしい。生地も伸ばしやすくなった」と話す。
 試作は8月中までを予定。佐藤脩太さん(17)は「できるか分からないが商品化にこぎ着けたい」、大塚魁人さん(17)も「自分たちで販売もやってみたいな」と話した。丹精を込め、食品加工の知識や技術力を磨いていく。

試作の米粉餃子

 

=埼玉新聞2024年8月30日付け14面掲載=

 

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理想・誠実・勤労を校風とし、今年度創立103周年を迎えました。農業学校の伝統を受け継ぎ、卒業生は2万人を超え各界で活躍しています。「人間性豊かな心身ともにたくましい産業人を育てる」を教育目標に、時代の要望に応えられる実践的な教育に取り組んでいます。6つの専門学科(生物生産技術・園芸・造園・食品流通・生物生産工学・生活技術)があり、積極的な教育活動の実践の積み重ねにより地域からも「いのちとみどりを育む学校」として親しまれています。

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