「一汁三菜」に挑戦
フジッコの商品を活用して栄養バランスや彩りを考えながら「一汁三菜」の献立作りに挑戦する生徒たち=杉戸農業高校
県立杉戸農業高校で3日、食品メーカー「フジッコ」関東工場(加須市)による出前授業が行われた。食文化について学ぶ家庭科の授業の一環で、生活技術科の2年生(38人)が出席した。生徒たちは同社商品を活用して栄養バランスや彩りを考えながら献立作りに挑戦した。
家庭で食べる機会が少なくなっている「和食」をテーマに、体に必要な栄養素をバランスよく接種できる和食の基本「一汁三菜」を身に付けてもらうのが狙い。
同社の主力商品である豆と昆布を製造する関東工場の職員が講師を務めた。日本の伝統的な食材の頭文字の語呂を合わせた「まごわやさしい」を取り上げ、その7品目の食材を意識して摂取することで栄養バランスの整った食事が取れるとし、主食3、主菜1、副菜2の割合が理想だと解説。食の欧米化により日本型食生活が崩れ、現代型栄養失調の懸念が高まっている中、「一汁三菜」の献立で食材がかぶらないようバランスを考えながら、主菜でたんぱく質、副菜でビタミンやミネラルなどを摂取するのが望ましいと説いた。
また、100㌘当たりの煮豆と牛ステーキの栄養成分を比較した場合、煮豆は牛ステーキとほぼ同量のたんぱく質が含まれるが、脂質が圧倒的に少なく牛ステーキには含まれない食物繊維が摂取できることを指摘。大豆イソフラボンは、更年期障害の軽減や骨粗しょう症の予防に有効であるほか、ラクトビオン酸との併用摂取により肌の保湿や弾力が改善されることが研究でも確認されているとした。
生徒らは用意された品を組み合わせながら、「一汁三菜」の献立を各人で作った。細川遥さん(16)は「普段食べない食材を取り入れた献立にした」とし、動物性たんぱく質として「イワシのうま煮」を選び、ニンジンと枝豆、高野豆腐の入った「彩りこうや」で彩りを演出。「和食のおいしさを再認識した。今後は、積極的に食生活に取り入れるよう心がけたい」と話した。とろろ昆布を初めて食べたという学生や、豆類をほとんど食べないという生徒もいた。担当の池田景光教諭は「実際に和食を食することでおいしさを実感し、栄養バランスの優れた和食文化への理解が深まったのでは」と語った。
=埼玉新聞2023年7月7日付け12面掲載=
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