浦和税務署は、さいたま市立浦和南高校の生徒と連携して、租税教育用教材「みんなのためだから」を作成した。生徒たちが教材の作成に関わることで、若い世代に税について関心を持ってもらおうと同税務署が企画。完成した教材は今後、小中学生を対象にした出前授業やイベントなどで活用される。
租税教育用教材の作成に携わった市立浦和南高校漫画研究部の石田真帆さん(右)と同校演劇部の奥山侑未さん=さいたま市浦和区のときわ会館
今回作成した教材はアニメーション動画と折り畳み式絵本の2種類。同校漫画研究部の生徒が絵を担当し、同校演劇部の生徒が動画版の声を吹き込んだ。動物たちが暮らす村を舞台に、川を引いたり保育所や橋を造るなど課題を解決しながら、便利で豊かな村をつくっていくストーリーで、ウサギやカエル、ミツバチなどさまざまなキャラクターが登場する。
漫画研究部の生徒2人は、タブレットを使うなどして12ページ分の作品を仕上げた。同部部長の石田真帆さん(17)は、「セリフや場面を想像しながら絵にするのは大変だったが、勉強になった。キャラクターをかわいくして、子どもたちにも楽しんでもらえるように描いた」と振り返った。
完成した絵をもとに、演劇部の生徒3人が各キャラクターの声を吹き込んだ。同部部長の奥山侑未さん(18)は、「部員3人でたくさんの役を演じきるのは大変だったが、役ごとに声の高さを変えるなど工夫した。完成したものを見て、ちゃんとできていたので良かった」と笑顔を見せていた。
生徒たちが作成した租税教育用教材「みんなのためだから」の一場面
教育機関や税務署などで構成する「さいたま市租税教育推進協議会」の定期総会が5月26日、同市浦和区で開かれ、完成した教材がお披露目された。出席した石田さんと奥山さんから、同協議会会長を務める同市の細田真由美教育長にアニメーション動画を収録したDVDと折り畳み絵本が寄贈された。
石田さんは「今回教材の作成に携わって、みんなでお金を出し合って悩み事を解決していく税の仕組みを改めて理解することができた」。奥山さんは「みんなで協力して色々な問題を解決していくことの大切さを改めて学んだ」と話していた。
折り畳み絵本とアニメーション動画は6月中旬以降、国税庁ホームページに掲載される。
=埼玉新聞2022年6月1日付け12面掲載=
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