米国の動向や世界情勢について講演する池上彰さん=25日午後、さいたま市大宮区の大宮開成中学・高等学校
さいたま市大宮区の大宮開成中学・高等学校で25日、立教大学公開講演会が開かれ、ジャーナリストで同大客員教授を務める池上彰さんが「歴史から読み解く世界情勢の行方」と題し講演した。池上さんは米国動向、ウクライナや中東の現状など世界情勢を分析しつつ、平和の訴求のためには歴史を学び今に生かす大切さを強調した。
講演会は生徒に進路や人生を考える一助にしてもらおうと「高大連携」により開催。同校の生徒や保護者ら約800人が参加した。
池上さんは昨年の米大統領選での取材経験などを基に、トランプ政権による関税政策など米国の動向について解説。東西冷戦後、グローバル化が進んだ歴史的背景を紹介した上で、現在の米国では「行き過ぎたグローバリズムに反発が起きている」と指摘した。トランプ氏の支持層である「福音派」の存在を挙げ、宗教や学校教育が米国政治に大きく影響しているなどと紹介した。
また、現在も続くロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとパレスチナの対立に触れ、「戦争を始めるのは簡単だが終わらせるのは大変。おろかな戦争を起こさないためにも、歴史を学ぶことが大切」と強調した。
質疑応答では生徒たちからの多くの質問に応じ、「世界各国を取材する中で、勉強したくてもできない子どもたちを見てきた。恵まれた環境を有効に使い、社会のために何ができるか考えて進路を決めてほしい」とメッセージを送っていた。
講演を聴いた高校2年の大島晃太郎さん(16)は「豊富な知識を基に世界情勢を分析されていてすごいと思った。直接話を聴くことができ、貴重な経験になった」と話していた。
=埼玉新聞2025年7月29日付け10面掲載=
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