NPO法人埼玉消費者被害をなくす会は18日、インターネット上での消費者トラブルについて知ってもらおうと、蓮田市黒浜の県立蓮田松韻高校で出前授業を実施した。
インターネット広告の不当表示について注意を呼び掛ける鎌田伊津子さん=18日午後、県立蓮田松韻高校
民法改正により、消費者トラブルが高校生にまで広がる可能性を踏まえ、会が県の委託事業として実施。同会のメンバーで国民生活センター相談員の鎌田伊津子さんが「インターネット広告の不当表示」をテーマに講演した。
鎌田さんは不当な表示によって起こるトラブルやこうした広告にだまされないための注意点などを紹介。「位置情報や行動履歴、性別年齢、検索履歴を基に興味ある広告がどんどん表示される」と注意を呼び掛けた。
鎌田さんは、大手検索サイトや会員制交流サイト(SNS)を通じて、個人向けの広告が表示され、トラブルが起きている実態を強調。インターネット上で増える消費者トラブルの事例を上げ、注意を促した。
とりわけ、美容や整体などで実際に消費者庁が社名や商品名を公表した事例を分かりやすく説明。商品やサービスが実際より優れていると誤解を与える「優良誤認表示」や、重要な契約事項がサイトの一番見えづらい下の方に薄く小さい文字で記しているような悪質な事例を紹介した。
現状、20歳未満の未成年者が親の同意なく契約した場合、取り消すことができる。来年4月の民法改正により、18歳の誕生日を迎えた時点で成年になり、これまで未成年者ができた契約の取り消しができなくなる。鎌田さんによると、新18歳を狙ったトラブルが増える可能性があるという。
鎌田さんは「見えない相手との取引が増える。SNSのアカウントだけで、連絡先を知らない相手とのやりとりはダメ。だますつもりであれば相手は連絡を取らなくなる」と警鐘を鳴らした。
講演を聞いた同校の小川優月さんは「不当表示について初めて知った。だまされないように気を付けたいし、自分の責任で契約できるようしっかり準備したい」と感想を述べた。
=埼玉新聞2021年11月25日付け6面掲載=
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