県内４高　歌声に思いのせて　埼玉いのちの電話コンサート

歌声を響かせる県立浦和第一女子高校の音楽部＝１１日、さいたま市中央区

　埼玉いのちの電話や同後援会が主催する「埼玉いのちの電話ハートフルコンサート２０２５　ひびけ・うたごえ・つながれ・想い」が１１日、さいたま市中央区の彩の国さいたま芸術劇場音楽ホールで開催され、県内の四つの高校の生徒が歌声を響かせた。
　昨今、若者の自殺が多いことから悩みを抱えている人などに埼玉いのちの電話を知ってもらおうと２０２３年に初めてコンサートを開き、今回は２年ぶり２回目の開催。参加した伊奈学園総合、浦和第一女子、春日部女子の県立高校３校の音楽部と私立叡明高校合唱部計４校の生徒は、体いっぱいに使って力強く奏でるなど、各校が特徴を前面に出して、リニューアルされた音楽ホールに歌声を届けた。
　伊奈学園総合高校では、いのちの電話の電話番号などが書かれたカードが１人１枚配られるという。音楽部部長で２年の吉田夏綺さん（１７）は「これまでは気にも留めてなかったが、こういう機会をもらって考えるきっかけになった。周りの人に相談された時の手段の一つとして頭の中に入れておきたい」と気持ちを新たにした。埼玉いのちの電話事務局次長の松井晴美さん（６９）は「音楽を通して、命の大切さや人とのつながりの温かさが多くの人に伝わってくれればうれしい」と語った。
　合唱後には各校２人ずつ８人と埼玉いのちの電話のスタッフ３人がトークを行った。
　悩み事などの相談は、埼玉いのちの電話（☎０４８・６４５・４３４３）、自殺防止いのちの電話（☎０１２０・７８３・５５６）へ。

＝埼玉新聞２０２５年２月１５日付け１０面掲載＝